少しの説明
天空の家にお邪魔になる宗一と日輪に不審者3人。日輪は大丈夫と言い顔を厳しくしている。
天空は全員にお茶を配る。
「外国では粗茶と言うのは失礼でしたんでしたね、普通の緑茶です」
「あたしこう見えても生まれも育ちも日本なの、馬鹿にしないで頂戴。フン」
天空に対して反発的なお嬢様と呼ばれる人物。
「まず全員自己紹介からしましょうか、私の名前は天空貴一郎です」
「俺は小暮宗一いいます。さっきは策として偽名使いました。すんません」
「いやあんなことをされたら何かしら抵抗されると思っていたのであれだけで済んでよかった。儂は湊半次郎こっちは弟子の滝島春奈に儂が使えとる主人の娘の」
「有栖川棗よ、自分の名前くらい自分で言えるわよ、半次郎」
棗と呼ばれる娘は強気な態度である。
「私は小暮日輪。宗一の母です」
天空は話の本題に入る。
「あなた方は協会の人間ですよね?」
「そうよ!あたしは代々の賀茂家の分家に当たるものよ!」
「少し待っていただきたい!」
半次郎は一応断りを言う。
「今回は協会とは別に我々だけで参った。要求は一つ!宗一どのを我が有栖川家に婿養子でほしい!」
日輪は一応棗から聞いていたらしく改めて聞くと変な感じであるがきっぱりと答える。
「うちは宗一の一人っ子。婿には出せません」
「ならば棗様を嫁にはどうかな?」
「それは相手の親と話さないと嫌です」
「ぬう…それならばその血筋だけでもいいので…」
日輪はかたくなに言う。
「絶対嫌です」
棗は立ち上がり叫ぶ。
「なんで嫌なのよ!私が体を張ってまで来てるのに!」
「棗さん?もっと女の子なら礼節をもちなさい」
日輪は説教をする。棗も日輪の眼にビビりまた座る。
「何故宗一君が必要なんですか?協会は宗一君…いや小暮家から身を引いたのでは?」
天空は質問する。それに棗が答える。
「私の占星術でみえたのよ!有栖川家が小暮家との血を引いた子を産めば歴史に名を残せるほどのすっごい子が生まれるって出たのよ!」
ゴホンゴホンという半次郎は。
「お嬢様はこう見えて占星術ならば協会の上に食い込む腕前なのですじゃ、そして一か月前に「ちょーっと待った!」」
宗一が割り込む。
「まず協会ってなんなん?それに占いに血?ようわからん事ばっかりで情報が俺にまできてないんよ?教えてくれ」
「あいわかった宗一殿」
半次郎は宗一に説明する。
「宗一殿の祖母である小暮鶴美様のことは教えておりますかな?日輪殿?」
「いいえ、教えておりません、協会とは縁を切っているので、この子は一般人として育てるつもりです」
「じゃあなんで小暮加久間は封印系の道具をあさってるの?」
棗は問うが。
「話脱線するからお嬢さんちょっと静かにしてくれ」
宗一はおとんの名前が出て不思議に思うが今は祖母についてきくことにする。
「では鶴美様のことをかいつまんで説明いたします、鶴美様は陰陽師であり土御門と言う名前は聞いたことないですかな?」
「土御門?昔なんかの小説であったなぁ…ほんまにおんの?」
「いますじゃ、美鶴様は土御門家の出身でありその力は裏で活動している陰陽神道協会という中では異例の力をもっておったのです、そして美鶴様は協会の呪術やしきたりや力による差別に呪うことの愚かさなどに嫌気がさして親とは絶縁して小暮家へと嫁にきました、と言うところですじゃ」
「おかん知ってたん?」
日輪は答える。
「一応知ってるけどもう少し大きくなったら説明しようと思ってたの。もう協会がどうこうできない大人になってからね」
「で?なんで小暮加久間は封印の呪具を必要としているの?」
「それは…」
天空が日輪に助け船をだす。
「それと宗一君が関係している可能性があると何故言い切れるのですか?美鶴さんは人助けをしていました。日輪さんの事を知っているようなのでいいますが加久間さんも人助けがしたかったんじゃないんですか?」
「それもそうかもね。力が無ければ道具に頼らざる得ないものね」
棗は皮肉ったように言う。
「あんた生きてる人全員にそんな態度とってんの?引くわぁ…」
「なによ!あんた!あんただってわたしのこと可愛いって内心おもってんじゃない!?」
「俺、相手に敬意を評せない人に敬意評する気ないんで可愛いとかもうみれんわ」
「はっはっは宗一君らしいですね。確かに少し強引過ぎですよ?半次郎殿はいかがかな?」
天空が半次郎に問う。
「確かに強引と思われても仕方がないが…日輪様はこのようなことが協会全体で起きたらどうするおつもりでしたかな?」
「宗一が大人になってから委ねます」
「ではもし誘拐などされた場合は?警察の眼も届かない裏の世界で連れて行かれれば?」
天空がぎらついた眼で半次郎と全員を睨み言う。
「その時は私が動きます。彼に手を出せば皆さんにはあの世にいってもらう覚悟です。無論私も覚悟しますがね」
「…」
半次郎も春奈も棗も蛇ににらまれたカエルのように動けなかった。しかしなんとか口を出す半次郎。
「あなたは宗一殿の何なのですかな?それに火球を何もせず消すほどの力…」
天空は笑顔で答える。
「彼を支えるものです」
「如何にして?」
さらに問う半次郎に。
「全てにおいて」
「ふむぅ…」
棗が口をだす。
「そういえばもう一つ占ったんだけど小暮宗一の周りの人物や周りの関係で人で合って人でない者が守ってるって出たんだけどあんたじゃない?天空貴一郎だったかしら?」
「さて?なんのことやら?」
半次郎も追及する。
「あなたの正体が知りたい!どうやって火球を消したのですかな?」
ふう、と息を吐き。
「あまり人に信用されない者。卑しい者、と言えば少しはわかりませんか?」
「信用…卑しい…は!しかしどうみても人…天空殿…」
「どうとでも思いなさい私を動かしたければ同じくらいの力を持つもの、あるいはそれ以上を連れてきなさい。この場は私の顔を立ててもらいたい」
「ちょっと半次郎!このメガネ男一体なんなの?」
「お嬢様…今回は分がわるいですじゃ。この者が本気をだせば本当に我々は生きては帰れませぬ。触らぬ神に祟りなし。今回は引きましょう。」
「嫌よ!私たちの家系が一つ頭抜きんでるには小暮家…いや土御門家の血が必要なのよ!」
「お嬢様…師匠が…」
春奈が呼ぶが。
「それにあと少しで何かわからないけどあんたが何かに目覚めるとも占いにでてたのよ!なんか最近変わったこと起きてない?!」
宗一は最近の事思いだす。確かに周りは自分に恐れていた。
『殺戮空手マシーン』
ふいにケンちゃんの言葉がよぎるがそれは置いとくが自分でも最近おかしいと思うところはある。
「別になんも」
答えるが棗は。
「嘘っぽいわね。何かあるんならいいなさい!?ヒッ!」
「どうしたん?なににビビったん?」
「あんたの守護霊なんかこわいのよ!すごい眼力でこっちみて威圧するし!」
「お前見える人なん?そういうの知らんからわからんけど俺の守護霊すごいんや」
半次郎はふと思い出すように言う。
「そういえば美鶴様が所持していた薙刀『無天』は小暮家にあるのですかな?」
「黙秘します」
日輪はきっぱり言う。半次郎は日輪の気質を悟りもう答えてくれることは少ないと思う。
宗一は一応棗に聞いてみる。
「お嬢さん何歳なん?」
棗は。
「女性に年齢聞くとか失礼ねあんた」
「まだ中学二年生です!」
「ちょっと!春奈!なにいってくれてんのよアホ!」
「でも未来の旦那様になるならばと思って」
「だだだ!…別に結婚を本気でなんてまだ考えてないわよ!」
「まだってことは一応視野にいれてるんですよね?ならいいじゃないですか」
「この馬鹿アホ春奈!」
コツンコツンと春奈を殴るが。
「恥ずかしがらないでください。あと痛いですお嬢様」
宗一は少し疑問に思ったことを言った。
「そういえば占いが得意なら俺との性格とか相性とかうらなったんやないん?」
カーと頬が赤くなる棗。
「知らないわよ!」
「お嬢様曰く宗一様とお嬢様の相性は「春奈!」…」
「まぁええわ。もう今日は遅いしどっかあてはあるん?」
「一応ホテルを予約しておりますじゃ」
「おかんどうする?」
「何が?」
疑問に浮かぶ日輪。
「一応やけど俺のためにきてくれたんや、うちに泊まらせてやってもいいんやない?」
「だけども…」
困る日輪に天空は。
「何かあれば私が飛んでいきます」
「先生も隠し事してるし半次郎さんから「ダメです」…」
天空は釘を刺す。まだ宗一には知らせない方がいいと思う天空。使役するのが師匠と思われるのはあまりよくないと感じからだ。
「時が来たら私の口から教えます」
「先生がいうんならいいか…でおかんどうする?」
「そうね、実害はそんなにだしてないし悪い人ではないからいいでしょう。うち結構広いし」
「ほっほっほではお言葉に甘えまする」
「ちょっ!同い年の子と一つ屋根の下って…」
「大丈夫ですお嬢様、宗一殿からは優しい空気と時々怖い空気が出てますがいやらしい空気はでておりません」
「そんなのわかってるわよ!」
「お嬢様?ご主人様に変わって礼をするのもお嬢様の役目ですぞ?」
半次郎が父親のことを出して棗に礼を促す。
「…今晩お世話になります…」
「わかりました。では今日はうちにとまってくださいな」
日輪は了承する。
この後お嬢さんがなにかします。




