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黒狐の少女と優しい少年  作者: 龍美邦彦
18/27

空手部訪問

宗一は今日もいつも通りみんなに挨拶する。美奈とはまだ挨拶だけだが。

いつも通りの日常が過ぎ天空から言われた今度の大会に出る人たちの情報をケンちゃんから聞こうとする。

「しょうがないっすねぇどうせだし空手部いこうよソウっち」

放課後ケンちゃんに言われ仕方なく空手部に来ることになる宗一。

「こんちわっす!新聞部の杉原っす!」

「こんにちわ…」

後ろから宗一が顔を出すとみんな顔が固くなる。美奈は想定していたのか澄ましている。固くなるみんなだが宗一が来たことは以外にもプラス方面で受け取っていた面々である。派遣の顧問である○○先生は。

「おう小暮じゃないか!久しぶりだな!部活したくなったのか?」

「いえそうじゃないんすよー○○先生。実は…」

ケンちゃんが相手選手の情報などを知りたいと言い○○先生は訝しむ。

「それで小暮はどうするんだ?」

「俺は道場から個人で出ようと思ってます」

「うちの道場とはいえなぁ…」

宗一にもわかる。部活の面々は知っているが流石に部外者に弱点を教えるのはどうかと自分でもわかっている。

「そうですよね、わかってます失礼しました」

「まて小暮!」

空手部のキャプテンで宗一のことを道場時代から知っている先輩が声をかける。

「俺と一回組手してくれ!」

「あ!ずりぃぞ!船橋!小暮とやりたいのは俺もだぞ?」

「まてまてお前ら!今の小暮と組手をしても…」

○○先生は止めにかかるが道場時代の事を知っている先輩たちはもう体がうずいていた。

「先輩?この2年の先輩ってあの言ってた先輩っすか?」

一年生が興味津々で3年生に聞く。

「あぁ、今はわからないけど当時はすげぇ強かったんだぞこいつ」

「この市最強の小学生小暮宗一本人だ!」

「やめてください!そんな看板いらないです先輩!」

宗一は止めるが一年生たちは尊敬のまなざしで見つめる。

「お前らなぁ…大会前なのにいいのか?」

○○先生は止めようとするがわかったうえで船橋は答える。

「個人でこいつ出るならいずれ当たるのに今こいつの弱点しらなくていつ知るんですか?今でしょ?」

「それもあるな…しょうがない…よし、ちょっと上がれ小暮」

ケンちゃんは親指を上げてサインし。小暮と健吾は道場に靴を脱いで入る

宗一は「失礼します!」ケンちゃんも「お邪魔します!」と言い後に続く。

「ジャージで良いから組手できるか?」

「はい、サポーターは持ってきてます」

「道着はどうした?」

「今洗濯で干してて…すいません」

「まあいい、柔軟しっかりしろよ?」

「押忍!」

柔軟をしたあと。少し突きやステップ、軸などを確認する。船橋先輩は小暮を呼んだ。

「お前の場合化ける可能性あるから今の内に弱みしってないと危ないからな!」

「弱みの塊ですけどね」

宗一は謙遜する。

「じゃあ時間が少ないから今から小暮には男子全員相手してもらう!一試合1分30秒で全員に勝てたら他校の情報を教えてやる」

「えぇ…」

「じゃあやらないか?」

「…やります」

仕方ないので承諾する宗一。

「じゃあ初めは船橋だ!」

「押忍!」

そして計10人と組手をすることになるが1試合目でその約束は撤回されることになる。


先生が四角い囲いの外の真ん中に立ち腕を振り宗一と船橋が四角内に入り一礼して真ん中手前に移動してまた一礼した後試合が始まる。

宗一は無自覚だが船橋は対峙して地獄の1分30秒を味わう。なにせ宗一からは常人の人なら出せない殺気が周りをつつんでいたからである。

無言で二人ともステップを踏むが明らかに宗一の方が強者感が出ており試合もほとんど宗一優勢で運ぶ。もちろん船橋も何回かポイントを狙うが全部捌かれおとされたあとカウンターでポイントを取られる。

一方的な試合で○○先生も異様な宗一に少しビビる。船橋との試合で勝つが○○先生は他の生徒との試合はやめさせることにした。

「船橋!大丈夫か?」

「やばい…プレッシャーヤバすぎ…お前何かやってたろ?」

「いえなにもやってないです。昨日天空先生と一回組手しただけで本当です!」

「はぁ?!おまえガチか!?こんなん無しだろ…!?」

とりあえずまた落ち着く宗一の空気だった。闘争心が動かなければ魂もそこまで呼応しないらしい。

「んー…今の見て勝てると思うやつ手を上げて見ろ」

○○先生は言うが誰も手を上げなかった。周りはドン引きだった。美奈でさえ引いていた。

(あいつ小学生の頃よりヤバくなってるじゃん…)

美奈は内心思う。

「小暮の勝ちだが…お前情報いらんだろ?」

「いえいえ!ほしいですよ!」

「いやいらん!というかうちに入れ!」

「なんか周りは入ってほしくなさそうですけど」

青ざめている他の部員を見て宗一は言う。

「確かに…お前の相手は天空に任せる!情報ならこんどDVDお前の家のポストに入れとくからそれ見ろ!」

「えぇと。ありがとうございます?」

「全員気を引き締めろ!こんなバケモンが個人ででるんだからな!」

「「「「「押忍!」」」」」

「と言うわけだ今日は帰っていいぞ」

「はぁ…わかりました、すいませんでした。失礼しました」




「小暮先輩ってヤバい人だな…優しい雰囲気の人かと思ってたけど…」

「あいつは日常じゃ優しいぞ?」

「でもなぁ…今の見ると個人は厳しいな…」

「お前ら弱音を吐くな!小暮だって1年2年で強くなったわけじゃないんだからな?!」

○○先生は言うが全員意気消沈としていた。

美奈は先ほどの宗一を見て思う。

(あれじゃもうライバル視とか言えないな…あたしの方がもう弱いんだ…)

苦虫を嚙み潰したように自分の言ったことを後悔してしまう榎本美奈だった。





ケンちゃんと二人になると。

「俺は新聞部に戻るっす、今の写真撮らせてもらったし」

「ケンちゃん…いい加減俺を注目させないでくれ…なんか空手部の空気変にさせて明日からなんて学校で言われるかわからん」

「何かの時に人が変わる人いるけど昨日の今日っすけどソウっちがそういう人なんすねぇ…身近にいるとは驚きっす。あれ漫画の世界だけかと思ってたっす」

「俺普通だったんだけど…そんなにヤバい?」

「ガチに殺戮空手マシーンと思ったっす」

「…本当に大会でて良いんだろうか…」

悩むが天空との試合は楽しいのでもう少し様子を自分でも確かめようと思う宗一。

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