黒い狐
すいません。ただ挿絵を入れただけで見てくださっていた方々に誤解を招いて次話投稿と思うかもしれませんので申し訳ありません。
誰もが一回は聞いたことがある言葉『嘘も百回いえば真実になる』
小暮宗一14歳中学二年生。この夏に仲のいいグループに嘘を吐いた。
今日は天気がいい、宗一も天気がいいと思う。母親は夜働きにでているため昼間は家で寝ている母子家庭だ。
彼は学校に向かう。いろんな登校生がいるが彼はいつも一人。
別にいまさら気にしていない。みんなが彼のことを気味悪がって近付かない。それは夏にクラスのグループで花火大会に行こうと約束してたのにみんなに嘘ついて行けなかったことにしたこと。
誰かがいった「小暮なら今花火と違う方向にいってたよ」とそれからみんなは小暮にいっぱいダイレクトメールをした。早く来い小暮。お前だけだぞ。色々送ったが彼から帰ってきたのは。
みんな何言ってんの?俺そこにいるじゃん。
仲間内で彼は後にのけ者にされた。小暮は嘘をついたのだ。小暮は本当は別に花火など見たくなかったのだ。
ちょっとそこで野良猫がいたからコンビニで餌やってなつかれてしまいしまい可愛がっていたその瞬間だった。猫がいきなりフーフーいって威嚇しだしたのだ。何事かと思いそのあと猫は逃げた。ちょっとの間だったが気になって追いかける。
「おい猫助?どうした寝たんか?おい?!猫助?!猫助?!」
すでに猫は眠るように公園のベンチの下で息を引き取っていた。
彼は呆気にとられた。無性に悲しくなった。だれも知らない宗一の一瞬の間だがふと涙が流れた。
自然と流れた涙。彼は命の儚さに面食らったのだった。それからちょっと花火を見る気がせず反対方向へと歩いた。みんなが携帯にDMしてくる。無視した。そして嘘を送った。なんでかわからないがそう送ったほうがいい気がしたからだ。嘘つきの嫌われ者に一瞬でなった。それから友達は何気ないメッセージを送ってきたが無視をした。
夏に死というものの儚さを知った彼はこんな世界嘘でできていればいいのにと。でも実際はどうしてもぶれない世界、現実にはあらがえなかった。だから一人だけでもいいからこの世界に抗おうとした。
夏休み明けみんなの話が宗一に向けられることはなかった。宗一も当たり前と思っていた。そして毎日が空虚に終わる。
そんなある日男子と女子たちが混ざったグループ、花火に行ったグループの数人が帰りの際に宗一を学校の裏に呼び出して追及した。
「お前、夏からおかしくなってね?」
「そうよ小暮君!夏からなんか雰囲気かわったよ?」
小暮に詰め寄るのは本当は迎え入れたいのに小暮から言わなかったから。不審に思いながらも心配していた人たちだった。
「なに言ってるの?花火には行ったよ?」
嘘を吐いた、別にうらやましいわけでもなくただただ空虚に嘘を吐く。
「だからお前ほんとおかしくなってるって!?あの日お前来てなかったじゃん何かあったんだろ?」
一人の男子が問い詰めるが。
「ごめん…もう帰る」
「いつでも待ってるから何かあったらDMしろよ?!」
宗一は彼らから離れて帰る。帰りの途中に神社に寄った。
別に賽銭を入れるわけでもなく神様というやつにつぶやく。
「俺が神様だったらあの猫助…いいや寿命だったんだろうけど…もう少し早く出会いたかったなぁ…でもあまりにもひどいよな。普通猫って寿命来たら隠れて死ぬ…って一応逃げけてかくれたんよなぁ…」
と一人愚痴ているといつの間にか視界が一瞬歪んだ。そして一か所、というよりも先ほどいなかった場所に一匹の黒い犬?に近いものが寝ていた。
「な…なんだ…?」
少し近づくが逃げる様子はない。よく見ると黒い狐だった。もっと近寄り。頭をなでれる近くまで来ていた。
「なんでにげんのや?普通にげるもんだろ?よそ者がきたら。まあいいやちょっと話させてもらうわ」
狐は心地いいようになでられながら宗一の夏の話をきいた。
「それにしてもお前さん可愛いなぁ…まるであの日の猫助みたいやな。ってお前腹見せるって服従のあかし的なことやぞ?まぁええわ。でも…本当にあの猫は寿命やったんやろうかなぁ…あ…涙でそう…でもいっか。お前ならなんか見せてもいい気がする」
流れる涙を見つめる黒い狐。
「確か昔狐で調べたことあるけど黒い狐って平和の象徴じゃなかったっけ?良く考えると黒い狐ってみたの初めてだな。俺名前考えるの得意でな、お前に名前をやろう。黒い狐だから…こっこってどうだ?」
黒い狐はなでられながら特に返事もなくただ居座っていた。
「あぁ…秋はなんか寂しい気分にさせるなぁ…夜も早いし…じゃあなこっこ?まあつうじんだろうが次に会えたらなんか用意しとくから会えんかったらその時だけどじゃあな。」
黒い狐は見つめてくる。少しの間ではあるが可愛いと思った宗一は帰らなければならない気持ちを強めに持ち家に帰る。
「ただいまーっとおかんどした?」
喪服を着て急いでいるお母さんにであい。
「あら宗一。今日は遅かったわね。まあいいわ近所の○○さんのお母さんが亡くなってお通夜行かないといけないの。仕事は休み貰ったわ。あんたどうする?」
少し考える宗一。
「俺もいっていいかな?…」
「学生だしその服装でいいから早くいくわよ?」
鞄を置いて携帯はマナーにして通夜に行く。何故か人の死が他人事と思えずにいた。あの猫助やこっこを見て変な感情が沸いたのだった。
聞いたことのないお経、みんな黒い服。大人ならば一度は経験するだろうが宗一は初めてで焼香の仕方も見様見真似だった。お数珠は母が渡してくれたもの持っていた。
通夜の最後に○○さんのお顔をみる。周りから聞いたことだが家族に見守られながら逝ったという。
顔は綺麗に化粧されていた。お婆さんなりではあるが専門の人が綺麗に仕立ててくれたのだろう。
宗一は今日2回目の涙が流れた。隣で母も泣いていたが宗一の泣く姿にびっくりしていた。
「宗一、優しいね」
母の言葉に宗一は。
「おかんは長生きせぇよ」
と小さい言葉で伝えた。
車で会館から帰ってきて母はすぐに着替え寝に着いた。宗一は頭の中で考える。最近では異世界転生とかヒットしてる小説とかあるけどあれってリアルに考えるとかなりエグイよなと。だって死ぬ前提で作らてんだからと。一人考えてる間に。今日の勉強の復習をしないととおもい腰を上げ机に座る。もう8時半を過ぎていた。しかし何かしてないと変なことを考えそうで嫌になる。猫の死やいつかは来るであろう人の死など…そして復習途中で居眠りしてしまう。その時声が聞こえた気がした。
君は本当に優しい人の子だね
はっと起きると12時が回っており何故かその言葉だけが頭に残っていた。
「はぁ…最近つかれてんだろうな…てっノート涎垂れてるし…もういいや…寝よ…」
適当に着替えその夜寝に着く。
次の日またいつもと変わらず学生服に着替え適当に飯を食べ登校する。
登校するのはいつも通りだったがクラスに着くと黒板には文字が敷き詰められていた。それは昨日こっこに話した言葉のまんまだった。
何人かが噂していた。
「な…なんだよ!?これ!?だれがやったんだ?!こんなこと!?」
一人の女子が話しかけてくる。
「小暮君…これほんと?」
何も言えなかった。本当は認めたかったが。
「知らんよ!?悪戯だろ?」
否定してしまったが女子生徒は。
「そりゃあこんなこと普通だれにも言えないよね…猫が死んでそれひきづっちゃったのって…大丈夫だよ?」
「うるさいなぁ!?」
また否定的なこと言う。
すぐに黒板の文字を消すが中の良かったグループはもう写真を撮ったりしてクラスや他クラスに広めていた。いきなりの事件に頭が困惑していた。
(だれか見ていた人でもおったんか?こっこだけだと思ってたからビビったわ!)
朝のホームルームで担任「いきなりだが転校生を紹介するぞ!男子よろこべ!女子生徒だ!」
そういわれ入って来たのは黒く長い綺麗な髪で目鼻も整ってはっきり言って美少女だった。
「初めまして。黒狐麗良です(くろこれいら)。よろしくお願いします」
たたずまいからしてどこかの令嬢のように感じられるそんな感覚をみんなに植え付けたのだった。
宗一はなにか違和感を感じていた。そして黒狐さんは後ろの方の空いた席に着いたのだった。
黒狐さんの周りに人が集まりができるが。宗一の周りにも集まりができていた。
「なんか悪かった…すまん」
「ごめんね小暮君…私あの文みて泣きそうになっちゃった」
「いや別にいいけど…ていうか信じすぎっしょみんな?ていうか誰か俺のあと付けた人とかいる?根も葉もないことで信じちゃいけないっしょ!?」
「照れるなって、あれ書いた人は知らんがお前のあとをついてった人ならいたぜ?」
「え…だれ?」
「いや知んね。この学校の人だろうけどみたことねぇ」
「…キモ…」
「ていうかあんなことがあったんならちょっと俺無神経だったわ」
「別に誰にも話してないし…」
「は?じゃあなんであんなに詳しく文字で書かれてたわけ?」
「いや…そりゃしらないけど…黒い狐がいる時点で不思議おもわんものか?普通狐って黒くなくね?」
「それもそうだけど…じゃあ嘘なのか?」
「それは…ていうかちょっとだれだよほんとに書いた人!出てきてほしいんだけど!」
「でないだろうねぇ…お前をついていった人説が濃厚でしょ、あんま見たことないような人だったけど」
「はぁ…もういいわ…そうだよ…変になってました。もうこれでいいかよ?」
「やっとお前らしくなってきたな!」
「いつもの俺って何だよ」
そんなこんなでまた周りと打ち解けたが疑問に思うところがあった。自分を付けて盗み聞いた人はだれか…あれだけ敷き詰められた文章を書いた人は誰か…疑問がのこった。
ただ転校生の黒狐さんは周りと談笑していたが時々宗一の方をみていたきがした。
幼稚な文ですがよろしくお願いします。