2.第8章 双子の王子3
ある時、ゴ族の族長は、二人を自分の部屋に呼んだ。
「私は、そろそろ引退の時期を考えている。
おまえ達は、シバルバ族の人間だが、おまえ達に、このゴ族の未来を託したいと考えている。」
真剣な面持ちで、族長は言った。
「フンアフプよ。 この種族の族長になってはくれまいか。
私は、おまえを高く評価している。
この事に関して、反対する者も多くいる。
ゴ族の族長は、ゴ族から出すべきだと。
だが私は、ゴ族の未来を考えた場合、あえて、手塩にかけたシバルバ族のフンアフプ、おまえにお願いしたいのだ。」
「我々ゴ族は、他の種族から恐れられている。
それは、我々ゴ族が他の種族を襲うからだ。
キチェ族が増えて、草原を食べ尽くそうとした時、暗黒神が我々に啓示を与え、我々はそれに従って、キチェ族の村を襲い、キチェを殺すのだ。
増えすぎたキチェ族の数を整えるために。
我々は好きで、襲っている訳では無い。
この星の均衡を考えた、暗黒神が、我々に啓示を与え、行動を促しているのだ。」
「二神に仕えるシバルバ族の人間が、ゴ族の族長になれば、ゴ族の行動も、また二神の意志であると、理解して貰えるのではないかと思っているのだ。
どうだ、フンアフプ!!!。」
フンアフプは、しばらく考え、答えた。
「族長がお望みとあれば、つつしんで、お受けいたします。」
「そうか、良かった。シュバランケも、兄の手伝いをして、盛り立ててやってくれ。」
ゴ族の族長は、上機嫌になった。
シュバランケは、思った。
俺の考えは、聞かないのか?。
俺はいつも、兄の二番手か?。
そして、俺達を川に流したシバルバ族に、復讐はしないのか?。
何と、ゴ族の族長は、能天気なのだ!………と。
このゴ族の族長の決定は、反対派の勢力と、シュバランケを結びつける事になった。
シバルバ族の人間を、族長にしたくない一派と、兄と比較され、いつも下に見られていたシュバランケの利害が一致した。
それは現族長と、フンアフプを失脚させる事だった。
シュバランケと反対派の一派は、秘密の内に計画を練った。
それは、ゴ族がキチェの村を襲う日に実行された。
戦いの混乱の中、ゴ族の族長の背中に、剣が突き刺さり、族長が死んだのだ。
背中に刺さった、その剣の主は、なんとフンアフプであった。




