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惑星神話シバルバ  作者: 土御門 臥龍
第2部 シバルバ族の国

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2.第6章 中原への旅1

年末の冬至の神事が終わると、惑星シバルバに新しい年がやって来る。


惑星中の各種族が、それぞれの慣習に従って、新年のお祝いをしていた。

コアトルやエカリー、ポポル達も、悲しい沈痛な年末を終え、多少の気分の前向きさが出て来ていた。


高い切り立った山々が連なる高地にあるシバルバ族の冬は、とりわけ厳しいものがあった。

雪に閉ざされた各家庭は、秋に収穫し、保存していた食料で、ひっそりと暮らして居た。

皆、春が来るのを、待ちわびていた。


この時期になると、卜占科の長であるイサムナを中心に、キャラバン隊の準備が進められる。

シバルバ平原の中央、つまり中原に旅をするためだ。

シバルバ族の国からは、種イモやトウモロコシの種を運び、交易をする。

またイサムナを中心に、各種族の動向を知るためでもあった。


惑星シバルバの中で、定住して同じ土地に永続的に暮らしているのはシバルバ族だけだった。

他の九つの種族は一定のサイクルで惑星を移動しながら暮らしていた。

各種族には、定住の土地がなかったのだ。


なので年に二回の中原への旅は、いつも違う種族と出会える貴重な情報源であった。


年が明けて、中原の土地に入り込んでいたのは、ゴ族であった。

ゴ族は、シバルバ族と同じ人間族だ。

見た目はシバルバ族と変わらないが、その体毛が黒いのが特徴的であった。

シバルバ族の体毛は、金色をしていたから。


ゴ族は、ヒツジや馬、牛を飼い遊牧の生活をしていた。

ゲルと呼ばれる、組み立て運搬式の簡単な住居で生活をしていた。

シバルバ族と同じく、文化的な生活をしていたが、一面略奪者としての顔もあり、他の種族を襲う事もあった。

他の八つの種族からは、恐れられている存在の種族であった。


シバルバ族は、明白神を崇拝していたが、ゴ族は暗黒神を崇拝していたのだ。


年が明けて大陸の中央に来ていたのは、このゴ族である。


「今年は、ゴ族が中原に来ている。くれぐれも注意して交易物と神への貢物を交換して来てくれ。」

ヤコック王は、イサムナの旅支度の横で、そう切り出した。

「もう何度もゴ族とは会っています。心配はいりませんよ、ヤコック王。」

「最近、族長が変わったと云う噂は耳にしました。 新しい族長に挨拶をしてきます。」

頭からすっぽりかぶった外套をはおった一行は、馬に乗って雪を踏みしめながら旅立って行った。


それを見送る、ヤコック王、ヴェール女王、コアトル、エカリー、カサス、ポポル達であった。



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



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