2.第4章 サーベルタイガー3
ガルルルㇽㇽ!!!。
巨体を震わせながらキチェ族は、長い二本の牙の先を持ち上げ、コアトル達に向けて来た。
コアトルの剣先も、ピッタリとキチェ族の眉間に向けられている。
ガルルルㇽㇽ!!!。
キチェ族は吠えながら牙で威嚇してきたが、剣を向けられていて動きが取れない。 が………!!!。
一瞬にして飛び上がり、宙を舞い、草むらの中を走り、草むらの中に身をひそめてしまった。
ガサガサッ ザザザザザザザッ。
「消えた。背の高い草むらの中に、身を隠してしまった。
どこにいるキチェ!。 エカリー、どこに隠れたか分かる?!。」
「御免なさいコアトル。キチェ族の動きが速すぎて、追っかけられなかったわ。
どこにいるか分からない。」
ガウ ガウ ガウ ガウッ。
キチェ族の鳴き声が聞こえた。さっき現れたキチェ族の、左奥の方からだ。
「一匹じゃない。もう一匹いる。いったい何匹いるんだ。」
コアトルは、焦った。
「キチェ族の事は授業で習ったが、まさかこんな所で実習する事になるなんて!。 エカリー、キチェの事、何か覚えているっ?。」
エカリーは眉をひそめ、必死でキチェ族の授業を思い出そうとした。
「よく聞いてコアトル。キチェ族はネコ科の種族で、その走る速さは各種族の中で一番。 最高時速150キロ。
群れを造って獲物の狩りをする。 群れの中は連携が取れていて、集団で獲物に襲い掛かる。 得意技は草むらの中に身を隠し、相手から存在を隠して、不意打ちをかける攻撃。
どお、参考になる!。」
「助かったエカリー。真面目に授業は受けるものだね。今いる二匹だけなら、良いのだけど。」
そう言い放つとコアトルは、自分達の回りの背の高い草を、根元から払い切りはじめた。
バサッ! バサッ! バサッ!
キチェ族が、身を隠す草むらを無くす作戦だ。
コアトルは、キチェ族が現れた方に向かって背の高い草をなぎ倒しながら、自分達の視界を確保した。
と、もう一匹のキチェ族が、草むらの中から現れた。
キチェ族の子供だ。
外敵避けの為の、ギザギザの刃の付いた、仕掛けの罠に足を挟まれている。
ガウ ガウ ガウ ガウッ。
「子供のキチェが、鉄の罠に足を取られているっ!。」
ガルルルㇽㇽ!!!。
さっきの大きなキチェ族が、草むらから飛び出し、二人の頭の上を飛んできた。
ヒュンーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
コアトルの剣が、宙に舞ったキチェ族の胸から腹に掛けて切りつけられた。
ガウウウウウウッッッッ!!!。
キチェ族の鮮血が、宙を飛んだ。




