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夏草の屍に誓う  作者: Seiten Minagawa
告白と悪夢
6/24

告白と本性

タイトルを変更させていただきました。


作中説明がありますが「夏草」とは作中(というより水川青天プロジェクト自体の世界観)に登場する地名のことを示します。

 転校生、佐村義人くんが夏草高校にやってきてから1ヶ月が経った。


 入学してきた1年生たちも高校に馴染みはじめた。


 後輩にも仲のいい友達ができた。細野緋音(ほそのあかね)という赤髪の女の子で、口調は男の子みたいだ。


 先輩後輩の交流会みたいな行事でせいちゃんと2人でいるところに緋音ちゃんはやってきて、最初はかなりガチガチで慣れてなさそうな敬語で話していたのだが、


 せいちゃんが「堅苦しいのはナシだ、いつもどおり話すといい」と言った途端、せいちゃんに似た男の子みたいな口調で話してきたので、びっくりしたのを覚えている。


 そんな感じで私は平和に高校生活を送っていたのだが……


 私は、放課後の学校の屋上で佐村くんに告白されている。


「レイチェルさん……初めて見たときからあなたに僕の心を射抜かれました。僕と付き合ってください!」


 こんな告白されたの1年生のしかも最初の方ぶりだよ……


 もちろん全て丁重にお断りしてせいちゃんと付き合っているんだけど。


「……ごめんなさい、私には付き合っている人がいるの。わかるでしょ? いつも私と一緒に登校してる青髪の人」


 1年生の時はこれでみんな私を諦めてくれた。その後私に関わることすらしなくなったけど。


 私はこれで前と同じように、私を諦めるだろうと考えていた。


 しかし佐村くんの次の一言に、私のその考えは打ち砕かれることになる。


「……でだよ」


「えっ?」


「何でだよ……何でだよ!!」


 突然佐村くんが怒り出し、私は一瞬怯んでしまう。


「あの青髪の男だぁ? 知ってるよ! だがアイツのどこがいいんだ? 俺は頭もいい、運動もできる、そしてこのルックスだ! アイツなんかより俺のほうが絶対いい!」


「せいちゃんはいつもクールだけど優しいのよ! あなたは知らないと思うけどせいちゃんのほうがずっと賢いわ! それに、私とせいちゃんには15年以上の切っても切れない絆があるの!」


 最初に佐村くんを見たとき「かっこいいけど毒にも薬にもならない存在」という印象だった。


 だが、せいちゃんを貶すのなら私は佐村くん……いやアイツを絶対に許さない。私にとってせいちゃんは大切な人だ。


 そんな私の怒りも知らないで、アイツは続ける。


「はぁ!? 15年以上とか幼馴染みか? それに"せいちゃん"? キモいんだよ!! どうせ幼稚園とか小学生の頃に結婚の約束とかしてそれを守ろうとしてるのか?」


 どうやらアイツは私の予想をはるかに下回る、犬畜生以下の下衆だったらしい。


 私は次の一言で、そう確信する。


「昔の約束を今でも引きずるようなキモいアイツなんかより俺の方がレイチェルに相応しい!! だから今すぐアイツと別れろ!!」


「別れるものですか! せいちゃんとの仲は両家公認だけど仮にパパに別れろって言われたって別れないわよ!」


 こんな言い合いをして付き合ったとしても、絶対すぐに破局すると思うけど……怒りで押せばそのうち折れて付き合ってくれるとでも思ったのだろうか。


 私もヒートアップしそうになったところに、せいちゃんは来てくれた。


「おーっと、言い合いはそこまでだ」


「お前か!! レイチェルと付き合ってる男ってのは!! 今すぐレイチェルと別れろ!! でないとテメェをぶっ殺す!!」


 そう言ってせいちゃんに決断を迫る。


「できない相談だな。仮に俺がここでレイチェルちゃんと別れたら俺はここから飛び降りる。だから別れてもお前に殺されても同じだ、まあ俺はここで死ぬつもりはないがな」


「口を開けば調子に乗りやがって!!」


 アイツがせいちゃんに突っかかる! ここからじゃ間に合わない……!


「せいちゃん!!」


 私はついせいちゃんの名前を大声で叫ぶ。しかし……


「……何をしているんですか? 佐村義人さん?」


 北村先生だ! まさかの先生の登場にアイツも手を止める。


「何もしてませんよ! 水川さんとレイチェルさんに伝えたいことがあって呼び出したんです!」


「嘘はやめてください。野球部などから屋上からの怒声がうるさいという苦情が来ていました。内容からも佐村さんであることはわかっています。このことは報告させていただきますので……今後このようなことはないように」


「……ちっ! 命拾いしたな! 覚えてろよ!」


 捨て台詞を吐くとアイツは屋上を立ち去る。


 万が一のことを考え、こっそりせいちゃんに屋上の近くで待ってもらっていたのだが、どうも北村先生は苦情を受けて来たようには思えなかった。


「まさかとは思いますが……せいちゃんに頼まれたんですか?」


「……その通りです。絶対ろくな男ではないから一緒に近くで待っていてほしいと。半信半疑で私も行きましたが……無駄ではなかったようですね」


 せいちゃんは運動ができない。戦う力もない。もし北村先生がいなかったら、せいちゃんは本当にアイツに殺されていたかもしれない。


 だが、それを補って余りあるのが、その頭脳と機転だった。


 私も頭はいいほうだと思っているけど、せいちゃんには勝てない。


 アイツの外面はいい。何も言わなければ「イケメンの好青年」だ。


 恐らくアイツがせいちゃんを襲ったなんて言っても、信じてもらえないだろう。


 でもアイツには私じゃなくても、クラスの女子のほぼ全員が言い寄っていたような気がする。


 いわば「引く手あまた」だったというのに、なぜわざわざ私を狙ったのだろうか。


 その理由は、私にもせいちゃんにも、北村先生もわからなかった。

実はここまでの時点で自分が書いたシーンの中で一番胸糞悪いシーンです……


そして2000字を超えていました……

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