番外編:"if"
番外編です!
if、もしもの話なので本来の話とは関係ないです!
せいちゃんの命日から7年が過ぎた。
せいちゃんの墓前で、私は手を合わせる。
「せいちゃん……どうしてあの時目を覚まさなかったの?」
あの時、佐村義人に刺され、意識を失いそのまま目を覚ますことはなかったせいちゃん。
私は今でも佐村義人を許すことはできない。
17歳だったことで、死刑にできなかったのは本当に腹が立っている。
何故人を1人どころか12人も殺して、死刑にならずにのうのうと生きていけるの?
しかも、その犠牲者にはせいちゃんも含まれている。
その他の11人の犠牲者には本当に申し訳ないが、せいちゃんが殺されただけでも私は佐村義人を死刑にすることを訴えただろう。
……それでも、「死刑相当」という判決が出たことは不幸中の幸いというべきだろうか。
せいちゃんが死んだと知らされたとき、今でこそ克服したがしばらくの間何もやる気が起きなくなり、周りから「廃人のようだ」とか言われていたような気がする。
そして……私はせいちゃんが死んでから、誰とも付き合っていない。
せいちゃんが死んだことで、パパとママがお見合い話を持ってくるんじゃないかと不安で仕方がなかったが、私の気持ちを察してくれたのかそのような話が飛んでくることはなかった。
この時、本当に下衆な考えかもしれないがフォーレくんにすごく感謝した。
フォーレくんとフォーレくんのお嫁さんの間に世継ぎが生まれれば、私は結婚する必要がないからだ。
フィアンクス・ホールディングスは創業当時からずっと世襲で社長と総帥が決まってきたから、私もフォーレくんも結婚しなかったら一大事だっただろう。
……フォーレくんが結婚できるかどうかはわからないけど。
いつか測ってみたら110cmにまで膨らんでいた胸も、58cmという細い腰も、全部せいちゃんに捧げるつもりでいた。
だから、私はこれからも誰とも付き合わないつもりだ。
……雨が降ってきた。
予報ではずっと曇りのはずだったが、それでも降水確率40%ぐらいって言ってたっけ……
私はせいちゃんの墓前に立っているうち、徐々に悲しくなってきた。
「せいちゃん……どうして……どうして死んじゃったの? どうして殺されなきゃいけなかったの?」
こんなところで泣いていてもせいちゃんは帰ってこない。
それでも、こうして墓前で待っていればいつかせいちゃんは戻ってきてくれるのではないかと、淡い期待を抱いてしまう。
「せいちゃん……せいちゃん……」
私は立ったままずっと泣いていた。
いつかはこの場を去らなければならない。
しかし少しでも長くこの場にいたくて、雨に濡れるのも構わず私は泣いていた。
私はせいちゃんのことが大好きだ。
せいちゃんのために、全てを捧げる覚悟はできている。
長い間お付き合いいただきありがとうございました!




