7年後
最終話です!
最後に1つだけ番外編を入れて本当に終わります!
……あれから7年。
俺とレイチェルちゃんは原田拓実の墓前にいる。
「……原田。あれから7年経って大学も卒業して2年経つけど……俺とレイチェルちゃんは今も付き合っているよ、結婚はしてないがまだまだお互い愛し合っているから安心していてくれ」
俺はそう言った後、2人で手を合わせる。
佐村義人の裁判は、第1審は死刑相当ということだったが、犯行時17歳だったので死刑にはできず、無期懲役ということになった。
その後佐村は控訴、上告までしたがすべて棄却。無期懲役が確定となった。
上告棄却で無期懲役が確定したのが、俺が大学を卒業する今から2年前のことだった。
5年にもわたる長い裁判であった。
裁判は傍聴希望者が多数駆けつけ、抽選にまでなるほどだった。
裁判中も相当いかれたことを言っていたようだから、傍聴した人々、裁判官の怒りを買ったことは想像に難くない。
これで無罪になると思ってるんだから救えないよな……
ニュースでは連日このことが報道された。かの有名なフィアンクス・ホールディングス社の社長令嬢と恋人だということで自分が名前を出したかったというのもあるが、これで「水川青天」の名は全国区になってしまった。
おかげで、卒業前に記念で俺とレイチェルちゃんで旅行に行ってみたら、店や通りがかる人が「水川さん!?」みたいな反応をしてきた。
レイチェルちゃんはフィアンクス・ホールディングスの社長令嬢ということで元々有名だったようだが……
今ではたまにテレビでこの事件のことが取り上げられ、事件の当事者としてレイチェルちゃんとともに話を聞かれるようになり、夏草高校では俺とレイチェルちゃんが大学を卒業後、年に1度俺とレイチェルちゃんを呼んで講演会を開くようになった。まだ2回しかやっていない。
俺とレイチェルちゃんは、皮肉にもこの事件で更に2人の絆が深まったので、佐村にとっては全くの逆効果となった。
だが、佐村がもっと考えていれば、悔しいがルックスで勝る佐村の方にレイチェルちゃんがなびいていた可能性もあった。
そう考えると、なんとも恐ろしい存在ではないかと、俺は少し戦慄した。
……でも、ヤンデレお嬢様とも言われたほどのレイチェルちゃんなら、その心配はなかったかもしれない。
佐村義人という殺人鬼により突然命を絶たれてしまった11人の高校生。
そして、命を奪われかけた俺。
殺されてしまった11人のためにも、俺は、レイチェルちゃんと共に歩み続けなければならないと思っている。
ここで俺がレイチェルちゃんと別れてしまったら、それは殺されてしまった11人を裏切ることになってしまうと思っている。
俺はレイチェルちゃんとともに生き続ける。
それを、夏草の屍に誓う。




