近づかないで
ここから一気に完結まで持っていきたいです……!
あれから、佐村はしつこくレイチェルちゃんに接触するようになった。
周囲のことを考えているのか決して怒りを爆発させることはなかったが、レイチェルちゃんが今の状況に強く苛立ちを覚えていることは俺の目から見て明らかだった。
レイチェルちゃんはあまり強く怒りを示すタイプではない。長年付き合ってきて、レイチェルちゃんが強く怒りを示したことは今までなかった。
しかし、こういうタイプが怒るとすごく怖いということを、俺はよく知っていた。
ただ、俺自身怒られた経験は17年生きてきて片手で数えるほどしかない。もしかしたら1回もないのではないかとすら思う。
だが、レイチェルちゃんの怒りに触れるようなことを言いたくなくて、レイチェルちゃんには俺からあまり話しかけていない。
それでも、レイチェルちゃんとは一緒に帰っていたり、話を聞いたりはしているので、決して仲が悪くなったなんてことはない。
原田が殺されてから、急に佐村がレイチェルちゃんに急に接触を試みるようになったのは何故だろうか。
……もしかして、原田の存在が邪魔だったが原田が消えたので接触しに行っても問題ないと思った?
……それはないと信じよう。原田を殺したのが佐村なら、これまで全ての連続殺人の犯人が佐村ということになるので、あまりにも話が飛躍しすぎる。
だが、その考えはあまりにも甘すぎた考えだったことを、俺は今日知ることとなった。
『水川、今日の放課後は美術室に来るように! 1人で来るんだぞ? わかったな?』
俺は美術の先生に呼び出され、先生を待っている。
レイチェルちゃんを1人残すことは非常に不安を覚えていたが、北村先生にお願いして教室で待ってもらえることになった。
佐村がレイチェルちゃんにしつこく接触を試みていることは北村先生や上層部も知っていたらしく、教頭先生とも相談してこのような対応を取ってもらえることとなったようだ。
……待てよ? 俺は美術の授業で何かしたのか? 全く身に覚えがないぞ!?
確かに俺が授業中騒いだとかならこのような呼び出しも理解ができる。だが、当然俺はそんなことをした覚えはなく、むしろ静かに授業を受けていた方だ。
いつか描いた絵が何かしらの賞を取ったとかなのか? しかし……俺はこれまでに何かしらの賞に絵を応募した記憶はない。
仮に俺が過去に描いた絵を勝手に応募してたってなったら大問題だぞ! 著作権の扱いとかどうするんだよ!
それに俺は何かしらの賞を取れるほど絵がうまいということもない。
一体俺が何をした!?
そう考えているうち、「俺は美術の授業で何か問題になるようなことも、何かを受賞するといったこともなかった」ことが、この教室に訪れた人物によって明かされることになる。
「よぉー……水川青天……」
佐村義人!? 何故俺がここで1人先生を待っていることを知っている!?




