連鎖する死
25話になるまでには完結させたいと思いますが果たして……
あれからというもの、ニュースを見ると3日に1度ぐらい、夏草高校の男子生徒が行方不明になったり死んでいたりという事実を淡々とアナウンサーが伝えるようになった。
しかも、自分で話すのもおぞましいほど、かなりえぐい方法で殺害して回っているようだ。
こうして行方不明になったり死んだりした男子生徒の数は、ついに10を数えた。
殺された男子生徒の学年は、最初は2年生が中心だったが次第に1年生、3年生も狙われるようになっていった。
"犯人"の狙いが明確になりつつあり、高校でも徐々に"犯人"の恐怖におびえる人々が増えた。
「次は自分かもしれない」という、明らかな恐怖が目の前に迫っていた。
当然、俺も"犯人"は狙っているのかもしれない。
「おいおい……また1人殺されたぞ、次は俺かもしれないな……」
「怖いこと言うなよ! 俺もまだ死にたくねえ!」
ホームルームの前、男子生徒たちは"犯人"の恐怖を話している。
女子生徒はそんな男子生徒たちをよそに、今日も佐村の追っかけみたいなことをする。
本当にアイドルか何かじゃないかよ……
「せいちゃん……本当に大丈夫なの? "犯人"が捕まるまで1人でいないでね?」
「わかってはいる……だが今までを見る限り"犯人"は夜に狙っているみたいだぞ」
俺も1人でゲームセンターに行きたい時もある。だが、本格的に"犯人"の狙いが定まっていく今、18時までには帰るようになった。
だが、レイチェルちゃんにも言えることではあるが昼の時間帯も佐村の行動を見ると1人でいるのは危険だ。
佐村には"お仲間"がいる可能性もあり、そうだった場合隙あらば俺をリンチする危険がある。
また、レイチェルちゃんを浚ってしまう危険も拭えない。
更に言うと、殺害された男子生徒の半分ぐらいは彼女がいた。
加えて、殺された男子生徒の彼女は例外なく佐村に靡いて行っている。
彼氏を喪った悲しみにつけ込んで心までも奪ってしまったのかもしれないが、ここまで来ると"犯人"と佐村には何らかの関係があることを疑わざるを得ない。
1年生、3年生の女子生徒をも巻き込み"佐村義人ファンクラブ"を形成していくその様は、一時期ごり押しも疑われたとある外国のスターを彷彿とさせた。
放課後になり、久々に緋音ちゃんが俺たちのところにやってくる。
「水川先輩……また私のクラスメイトが"佐村義人ファンクラブ"に加入したそうだよ、遠距離恋愛してる彼氏をほっぽり出して……、いや前に聞いたけど別れたみたいだ」
「そうなのか……レイチェルちゃんを疑いたくはないが俺もレイチェルちゃんが"佐村義人ファンクラブ"に入ったりしないか不安になってきた」
「私は大丈夫だよ、私は世界で唯一の"せいちゃんファンクラブ"の会員だもの!」
「うまいこと言うな……っていうか"俺のファンクラブ"だったら俺がその"ファンクラブ"のメンバーと恋愛してたらいろいろとまずいことにならないか?」
ファンと恋愛して大変なことになったアイドルは朝の情報番組を見ているといくらでも目にする。
っていうか、"世界で唯一のせいちゃんファンクラブ"って……"俺のファン"なのはレイチェルちゃんしかいないのか?
"犯人"が自分を殺しに来るのではないかという恐怖と、レイチェルちゃんが俺と別れて"佐村義人ファンクラブ"に入ってしまうのではないかという恐怖。
レイチェルちゃんや緋音ちゃんに対しては平静を装っているが、正直なところ恐怖で頭がおかしくなってしまいそうだった。
発狂しそうになるのは、レイチェルちゃんがいてくれるおかげで何とか抑えられてはいるが、もしレイチェルちゃんがいなかったら、いなくなってしまったらと思うと、背筋が凍る思いだ。
そして次の日、"犯人"はあろうことか"ある人物"を手にかけた。




