事情聴取
午後10時。
こんな時間だというのに、通報して10分ぐらいで警察の人が俺の家に来てくれた。
何者かが俺の家に死体を切断したものを送りつけてきた。
そして今、俺は事情聴取を受けている。
……しかし俺のことは警察の間でも「名士の息子」として有名だったようだ。一応言っておくと俺は何もしてないぞ!
「……つまり、何者かがこの生首を送りつけてきたってわけですね」
「そうです、これは嫌がらせを超えた何かです……語彙力がなくて申し訳ありませんが」
「あはは……でも私どもとしても今までにこんなことをしてきたっていう通報は初めてで……」
「そうですか……でもまるで僕が永田さんを殺した犯人と関係があると仕立て上げるためにこんなことをしたのか、それとも犯人が僕に何かしら恨みを持ってるのか……」
「わかりませんね……そろそろテレビと新聞で発表されると思いますが私どもは納谷さんが焼き殺された事件と関連がないか調べてるんです、どちらも夏草高校の生徒だったという点から関連はあると思うのですが……」
その後、俺は警察の人(事前に手帳を見せてもらった。棚橋さんと言うらしい)とやり取りを続けた。
送り付けられた生首だが、死体の一部ということで棚橋さんが持って行ってくれることになった。というか俺が持っていていいものではない。
「それではまた何かあったら言ってくださいね、水川さんも夏草高校の生徒ですから犯人に狙われる危険があります、用心してください」
「わかりました……棚橋さんと言えば私のことはわかりますか?」
「いやー……でも他の人でも水川さんは知ってると思いますよ? ではお気をつけて」
そう言うと棚橋さんは帰っていった。
もしこの事件と納谷が殺された放火事件に関係性があるとすれば、夏草高校の男子生徒、それも2年生を特に狙っている。
そうだとするなら、もしかしたら俺を狙っている可能性も無きにしも非ずだ。
犯人は夏草高校に恨みを持っているのか?
だとして、生首を送りつけてきたのが犯人(送り主は恐らく全く架空の情報にしたのだろう)なら、俺に生首を送りつけたのは不可解だ。
「次はお前だ」みたいなサインなのだろうか? 犯人は一体何を考えているのだろうか……
「青天くん、ショッキングだったのはわかるけどこれで事件解明に一歩進むのならそれでいいじゃないの!」
「だってさ……生首だぞ? 俺に生首を送りつけるなんて相当犯人の頭は逝ってるぞ」
「まあいいから……今日のところは寝たら? 明日も休みなんだし私は起こさないから寝ればすっきりするよ!」
「そうする……」
俺はその言葉通り、寝間着に着替えそのまま眠ろうとした。
しかし、あの生首のショッキングさが脳裏をよぎり続け、2時間ほど眠りにつくことはできなかった。




