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青空の下で  作者: 青山 てん
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メンバー発表

本格的に部活が始まってから早くも一ヶ月が経過した。この一ヶ月、一年生達はとにかく走り続けた。

その甲斐あってか、体育で行われた1500メートル走では学年トップ10にサッカー部員が六人も名を連ねた。

もちろん、一位であったのは遼太であった。

というように、一年生は着々と体力を付けていった。

そんな六月の初めの週末。桂木が一年から三年まで全部員を集めミーティングをするということだった。

一年も誰かがそう皆に伝えぞろぞろと大きな欅の木陰に腰を下ろした。

「えー、皆も知っていると思うが来週から学総が始まる」

学総…中学部活での最大の大会。だいたいの中学生達はここで引退を余儀なくされる。

「そこで、明日の日曜日からは登録メンバーを中心とした練習を行っていく。ということで、ここでメンバーを発表する。選ばれたものは代表として精一杯頑張ってもらいたい、選ばれなかったものもチームのためにサポートをよろしく頼む」

二、三年生は緊張の面持ちで顧問である桂木を見つめる。

「登録メンバー18人を発表する、キーパー。三年稲葉、二年横沢」

「「はい!」」

こうして同じようにディフェンスからフォワードまで、三年生一三名全員と二年生が四名呼ばれた…一人足らない。この場にいた桂木を除く全員がそう思っていた。

「最後の1名」

二年生の誰だろう。全員がまたそう思っていた。

しかし、桂木から発せられた名前は全員の予想を裏切るものだった。

「一年蒼井!」

一瞬の沈黙、何が起こったかわからずにいる蒼井は「はい」という返事が遅れた。その時間が蒼井にとって、いや全員にとってとても長く感じられた。

「はい」と答えた俺に対し桂木はさらにこう続けた。

「一年はお前だけだが、チームのために頑張ってもらいたい」

二年生はどこか蔑むような目で遼太を見ていた。

「では、ユニフォームを配る」

呼ばれた順に貰いに行き、遼太がもらった番号は「14」。

このメンバー入りもまた遼太を複雑な気持ちへと誘った。自分が選ばれ、二年生が選ばれなかったという事実に遼太は強い責任感と「やらなくてはいけない」という強い覚悟が芽生えた。

遼太はこの14番という番号でチームに貢献したいと強く願った。

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