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ケルト突入BC486 1月4日

いやあ、書いてて戦争のルールって大事だなって思いました。

でも、なければ不正規戦だらけで大規模会戦は起きようがないことを考えると、民間人を巻き込まないって決めた今の戦時法はすごいエポックメーキングなんだと気づかされました。


=BC486 1月4日 アレントウム北方 アーシア=


進撃を始めてすぐに、この群れが女子供を含んだ部族での移動だということが分かった。

ボクも敵と同じように女子供も殺させられるはめになる。

敵が子供でも投槍を投げてきて、それが体に突き刺さればこちらは死ぬのだ。

結局手当たり次第に蹴散らして、飛び道具が使えない混戦に巻き込む。

その時に戦士だけを狙うというような贅沢ができるはずもない。


ボクの周りは護衛が排除してくれるので、直接、子供を突き殺すということは起きなかったが、

前衛が倒し、地面に倒れたままの女子供を蹄にかけるということは、数限りなく起こった。


一つ目の群れを抜ける頃には、なぜヘレネスが自分たち以外をバルバロイと呼ぶのか理解できてしまった。


同じ人間と思えば精神が壊れる。言語が通じない相手はヘレネス内の捕虜の扱いや戦争の取り決めも全く尊重してくれない。だからそいつらは人間として扱わない。そうしないと獣はルールなく襲い掛かってくる。


これから考えると間断なき同族相手の戦争は、戦争というもののルールを決め、一族の存続という意味ではいい方向に働いたのではないかとすら思える。


そういう意味では世界大戦を行うには世界規模の戦争のルール(ジュネーブ条約)が必要だったのではないか?それがなければ世界大戦は起きなかったのではないか?

いかん、かなり混乱してきた。


1つの群れを抜けるのにだいたい30分程度、あといくつ抜けるのにかかるかはポセイドニクス次第ではあるが、後ろを振り返れば昨日の村の数十倍の惨劇が広がっているに違いない。


そういっている間に先鋒の方で歓声と悲鳴が聞こえてきた。どうやら二つ目の群れに突っ込んだらしい。


=BC486 1月4日 カンピーア北方 デマラトス=


我々が進軍しているカンパーニュ地方は冬の農閑期にあたっていた。

そのためローマ侵攻軍に対し、農民が防衛隊で反抗するということも、しばしば起こった。

ただし、我々がほしいのは領土ではなく兵士としての人や補給源としての食料生産地でもある。

ほとんどが包囲して降伏を促し兵士を補充し、時々戦闘で防衛隊のみを打ち破ることに徹していた。

農村部についてはほぼそれですんでいた。

カンパーニュ地方とカラブリア地方の境ノーチェ川に近づくにつれて、敵の装備が良くなってきた。

エトルリアの都市国家カンピーアの影響だろう。

エトルリア人の最南端の都市、大きさではウエイの半分程度だろうが、南部ギリシア都市群と抗争を行うことも多く、城塞都市はノーチェ川沿いに立っている。

力押しで抜くには5000人は必要だろう。

逆に、ここを拠点にできれば南のギリシア都市群に対し強い圧力をかけることができる。

何とか交渉で落とせればいいのだが・・・・


=BC486 1月4日 スピカ南方 アーシア=


地面から跳ね上がった血混じりの泥で馬の腹からボクの足まで異様な臭いがしている。

しかも、その泥に肉片が混じっていてもなんともないほど、意識が麻痺している。

すでに何回、敵の群れを抜いたか、馬を降りて歩いた記憶がほぼないので、連戦につぐ連戦であるのは間違いない。

馬が相当にへばっている。あと30分も乗れば限界が来ると思う。

太陽は大分傾いて、もうすぐ夕方だと思う。


前方で歓声が轟いた・・・その後に悲鳴が続かない?

何が起きた・・・まだスピカには届かないはずだが?

先頭集団が大きく右に曲がり始める。レーノ川にぶつかったようだ。・・・

やがて浅瀬を見つけたらしく向こう岸に渡った。

こちらにはケルトは来ていない。

浅瀬の近辺にはスピカの衛兵だろうか。2縦隊エノモイア100人程度の兵士がいた。


「何をしに来た?」

誰何の声がギリシア語だ。

「スピカで船が待っているはずだ。我々はアリキポス商会所属サルピズマ隊、私はクラブ隊隊長ポセイドニクスだ。」

その言葉を聞くと敵の兵士の気が緩んだのが見えた。

「イオニア2世号が到着しています。乗船の海兵隊の皆さんは都市防衛で協力いただきました。都市を代表してお礼申し上げます。」

「どうせ目の前の戦闘に我慢できなくなって参加しただけでしょうから、気になさらず、では入国させてもらえますかな?」

「もちろんです。皆さんのことは丁重に迎えろと命令を受けています。」

「だそうです、アーシア隊長。」

そこまで交渉を行っていたポセイドニクスが安全を確信したらしく、こちらに声をかけてきた。

「アーシア・オレステス・アリキポス・アルクメオンです。対応感謝します。」

ボクがそう言って軽く礼をすると、スピカの兵士たちが一気に緊張した。

「お噂はかねがね、急ぎスピカにお向かいください。」

・・・なんで急かすかね?

「美しい婚約者がスピカでお待ちになっています。キモン家の方とか?」

・・・エルピニケ・・・なんで、ここにいるの?

それを聞いた腕の中のレイチェルが、小さく縮こまって申し訳なさそうにしてるし・・・以前なら張り飛ばされそうな雰囲気になるはずだっただけど・・・絶対もとに戻してあげるからね。

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