自己紹介
リヴィアにいる連中でヘレネスほぼ全域に影響力が出るって、作者も書いてて驚きました。
有名どこで残ってるのはオリンピアぐらいだもんなー。
他は関係者が必ずいるとか
俺たちはデマラトス(仮)が河に消えた地点から、ほど近い場所に
「ヘレネス捜索本部兼デマラトス対策本部兼ナイル連合本部」を作り始めた。
長ったらしいし、みんな本部としか呼んでないが・・・
本部そのものは泥煉瓦と木材でできている船着き場を内包した陣地といえばいいだろうか?
50m四方の城壁で囲まれた地域の周辺にトーチカとして配置された兵舎。
それだけである。作るのに二日もかからなかった。
レイチェル達の方も無事に捜索隊により発見され、本部が完成する頃に合流してきた。
「それで、義父上いや義母上?」
「面倒だからとりあえず司令官で。」
主要なメンバーを集めての顔合わせ、さっそくキモンが混乱していた。
「わかりました司令官。こちらの方は?」
そう言ってレオスとワジを見ている。
「その女性はトラキア王女、エーゲ姫だ。キモンお前の縁戚で、今のファラオだ。男性は・・・」
「司令官!簡単に言わないでくださいよ。なんでトラキア人がエジプトでファラオしてるんですか?」
「・・・いわれて見れば不思議な運命だな?」
「でもパトラ、あなたの方がファラオとしては上席とみられているのよ」
その一言でざわつく皆さん。
「アーシア、アタシ以外は、状況飲み込めてないから、自己紹介から始めない?」
レイチェルの一言で自己紹介から始めることになった。
「まずは俺」
「俺はイヤ。ガサツで見た目にあわない。」
「はぁ~、じゃあボク?」
「ぎりOKかな。」
レイチェルからOKが出たところでボクから自己紹介が始まる。
「ボクはアーシア・オレステス・アリキポス・アルクメオン、アポロ教皇兼アリキポス商会首座。ここではクレオパトラ1世の名前でファラオやってます。」
「すでにその段階でいろいろ破綻しているとは思うが・・・トラキッコ プリンピキッサ アイゲイオ 、
トラキア王家の最後の生き残りエーゲだ。こちらではパトラに次いで次席のファラオをやっている。」
「ワジです。コリントス市民です。ヘレネス名はアノイキシ・アノジトン・エンペグノモナスですが長いのでワジとお呼びください。」
「同じくコリントス市民のアルカイオス・バッキスです。商人ですが何故ここにいるかはバッキス家の一族にまつわる話になるので、長くなるので割愛します。」
「妾が簡単に説明しておこう。バッキス家はコリントスの僭主に追放された一族になるのよ。最近、といってもここ50年だが、統制が緩くなりコリントスに戻れるようになったらしいわ。
ついでに妾の紹介。アポロ教皇アーシアの正妻にして側近、アポロの巫女のレイチェル。スパルタ、エウリュポン王家出身」
「じゃあ次は僕ですね。キモン・アリキポス・アルクメオンです。実父はアテナイのミルティアデスですが、司令官の養子に入りアルクメオン家の当主になっています。」
「続いて私が、もともとはペルシア王のヘタイラでしたが、現在はアーシア様のヘタイラを務めさせてもらっていますタルゲリアです。」
「では殿。わたしは殿に奴隷から解放されてサンチョの名前とサルピズマ隊長の地位をいただいています。中華の呉出身。」
「では、私ですね。アーシア様の所有奴隷ピュロスと申します。事務、経理を受け持っています。」
「最後が私か、コリーダ、アーシア様の戦闘奴隷だ。」
あと、この場にいないのは師匠とパンドラ、各艦の船長ぐらいか・・・主要メンバーメンバーが紹介を終わったのちにお互いを眺めあっている。
「パトラ・・・本当に大物だったのね。」
レオスが呟いた。
「大物って?」
「ここに、アルゴスの関係者がいたら、有力ポリス総なめになるわよ。」
ボクの質問にレオスが答えるが・・・苦笑しかでない。
「その笑い方、まさかアルゴスも押さえてるの?」
「いや、マケドニア王国経由で利権で縛ったというかなんというか・・・」
知ってるはずのメンバーからもあきれ顔のため息が出る。
とりあえずこちらに現れて以来のことを全員に話す。
知ってるはずのメンバーからため息が出る。
「よく生きてたね、ワジ。」
アルカイオスがワジを労わっている・・・なんか納得いかない・・・
「ともあれ、問題点はあと2点、デマラトスをどうするのかとペルシア軍をどう迎撃するか。この2点だ。」
そうボクが宣言するとサンチョが珍しく意見を述べた。
「殿、デマラトスに対しては正々堂々と戦闘を挑ませていただけませんか?」
「サンチョ・・・危険だぞ。」
「ええ、それは理解してますが、同じ武人として、そのような立場になってしまったデマラトス廃王に関しては同情せざるを得ません。おそらく全力を奮って戦いの中で死にたいと思っているはずです。」
ズルをして戦いに勝っても勝利の実感は得られないということか・・・
「だが、そのためにお前を失う危険を冒すことはできない。いっては悪いがデマラトスに関しては自業自得という面も大きいからな。」
「確かにそれはそうですが・・・」
「サンチョ殿を私、コリーダの二人が盾持ちで援護します。それではいかがでしょうか?」
タルゲリアが声をあげた。
コリーダを見ると同意見のようだ。
「セベク神の似姿をファラオの遺品で倒すということはリヴィア国内の治世にも安定をもたらすことになるな。」
レオスが言葉を繋げた。
「ようは、決闘であいつの止めをさしてやれということだろ・・・みんな、優しいな。」
ボクのセリフに、皆少し顔を赤らめる。
「わかった、サンチョ、充分に注意してくれ。ファラオの遺品を貸し出す。手になじませておけ。」
「はい、殿。」
「さっきの3人以外は対ペルシアの作戦立案だ。知恵を出してもらうぞ。」
一気にリヴィア戦役が終盤にさしかかったのを感じる。
デマラトスもペルシアも、どちらも勝たねばならない。
そしてヘレネス本土にもどり、いまだ途中の事業を完遂させないと。
さて、ようやくリヴィア編も終わりが見えてきました。
あと5話以内だと思います・・・たぶん




