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シリウスとオリオン

とある人物視点での記述です。

意外に記述しやすい口調なんで驚きました。

セベク神はいろいろ混淆して、もはやよくわからない神様になってますが、本来はナイルの恐怖を表す神だったと思います。それが創造神、太陽神、ホルスの変身話につながっていったようです。

旧き神々は古き者どもとは別種の存在です・・・面倒なのですが・・・ノーデンスを主神としたベテルギウスに住んでるやつらという感じで書いてます。



なぜこんなにうまくいかないのか・・・

地平線近くには、プレアデスやシリウスが光っていた。



既に身体は変り果て、知性も失う時間が長くなっていた。

顔面にへばり付くカバの血をナイルの水で洗い流す。

その水面に映る姿は何度見ても苦しい。

自分の愚かさの代償というのはわかっていても苦しさに変わりはない。


トラキアでアーシアから力を奪った我らは根本知識アカシックレコードに触れることができた。

ただ、その力は曖昧で、それは彼も同じようだった。

お互いを蹴落とすためにファラオの力を求めナイルに渡った。

その時に残っていた親衛隊はともに7体づつ14体だった。


我はメンフィス近郊のギザにて捜索を始めた。

古王国の方が強力な力があるはず、その想いは間違ってはいなかったはずだ。


彼の方はアブ・シンベルに向かった。王家の谷を作ったラムセス2世に賭けたようだった。


我が挑んだギザのピラミッドは魔窟だった。

多くの蠢くもので満たされた部屋を探し続け、天へ飛翔するがごとき空間、それがシリウスとオリオンを観測するものだと知った時、多くの疑問が解けた。


オリオンのベテルギウスには旧き神々がいるという、代表格がノーデンスだ。

時間を計り旧き神々に対抗する、ここは古の旧神達の住まう場所かもしれない。

とすればニャルラトホテプの力も濃厚に残っているかもしれない。


その頃、彼はアブ・シンベル神殿で力をほとんど失った、それゆえ扱いやすい神の眷属を手に入れた・・・ダゴンの眷属、インスマウスだ。

異常なまでの再生能力以外はただの生物といっていいだろう・・・人よりははるかに優れているが・・・


彼はその力を自分の親衛隊に植え付けた・・・そして即座に彼は我に挑んだ。

一年後などという約束を守るつもりは、どちらもなかった故に仕方ない。


ギゼーのピラミッド内での戦闘は熾烈を極めた。

異常な再生速度で殺しても死なない敵に、我々は消耗し一体、また一体と倒れていった。

恐るべきことに、その死体すら敵となり立ち上がった。


気付くと我は一人上昇通路を登り、王の間にたどり着いた。

そして願った!我の敵を討ち果たす力を!

そこに魔女が現れた・・・アポロネゴーニだ。


彼女は取引を持ち掛けた。

「知恵と力どっちを選びますか。」


我は即座に力を欲した。

彼女は正解ですと笑っていた。知恵を選んでいれば敵に八つ裂きされていただろう。

ゆえに後悔しているのだが・・・


我に追いついた彼を、彼女は少年に変えてしまった。

それは、極めてアーシアに似ていて、双子としか思えない姿であった。

その折りに我から何かが抜き取られ、彼に与えられたのを感じた。

同時に彼から我へ何かが移ったのを感じた。

見る見るうちに体の傷は癒え、力が体の奥底から湧いてきた。


「こちらのデマラトスにはローマでの仕事が待っています。」

彼女の紹介に少年は邪悪な笑みを浮かべるとこう言った。

「わが片割れたる片王よ。アーシアに対する復讐、いやヘレネスに対する復讐は我が引き受けた。汝は、この地にて思うがままに幸せに暮らすがよい。」


続いてアポロネゴーニが語った。

「私はデイアネイラ。いつまで覚えてられるかしらデマラトス片王?」


二人は直ぐにかき消えた。

その時にはピラミッドの内部に溜まっていたナニカも消えたのだが・・・理解できなかった。


ピラミッドから外に出る途中で蠢くものには一匹も合わなかった。

不思議ではあったが、深くは考えられなかった。

外に出ると14体の部下が待っていたが・・・なんの命令も出さずに放置した。

ナイル川に戻った時にはセベク神(混沌から最初に生まれた神)そっくりになっていた。

最初姿に気づいたのは昼間だった、夜なら発狂していたかもしれない。


太陽があるうちは記憶が曖昧だ・・・故に不幸を感じない。

シリウスが昇ると知性が戻る。

何度死のうとしたかわからないが超再生能力はこの体にもあって、どうやっても死ぬことができない。


殺せそうな存在は・・・ローマだ。

そういえばなぜ彼はアーシアへの復讐といっていたのだろう?

あれはトラキアで、罠にはめて殺したはずだが・・・


ああ、あとどれくらい待てばこの牢獄から逃げ出せるのだろう。

あてどもなく歩くうちに東の空が白んできた。

ようやく今晩の地獄から解放だ。


一日中昼の場所は無い物だろうか。


あるいはワレヲコロセr・・・・




「パトラ様、水に潜っていきましたね。」

「ああ、こっちには全く気付いてなかったな。」


朝日が昇るころにセベク神そっくりのデマラトスがナイルに潜っていった。

切り付けたかったが、正直、勝てる気が全くしなかった。


何かに悩んでいるようにも見えたが、近づいてきたイボイノシシを無意識のうちに切り殺していた。

あの太刀筋は間違いないデマラトスだ。


何の目的もなく獣のように生きているようだが・・・なぜそうなったのか?

部下の統制のない攻撃もこれでわかった。

姿からいって古きものの力にでも飲み込まれたのだろうか?


そういえば彼のそばには、クトゥグアを召喚したデイアネイラとかアポロネゴーニとかいう奴がいるはずなんだが・・・裏切られたのだろうか。


無害そうだが、見過ごすわけにもいかない。

デマラトスを倒す方法を考えよう。


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