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アポロンの神託

ここでまさかの神託です!


あとアポロネゴーニはアポロンの孫娘という意味・・・ストレートすぎるって言わないように、この名前で出てくる予定ないからw

「古きトラキアの支配者?」

耳慣れない言葉にアーシアは虚をつかれた。

現トラキア王家は身近では養子のキモンが血を引いているが・・・それほど古いわけではない。

これまでの婚姻の結果、もしヘレネスと名乗っても受け入れられる程度には、血が混ざりあっている。


ヘレネスとはヘラクレスの子孫という意味だ。

古き・・・そうなるとヘラクレスの子孫ではないトラキアの支配者・・・

頭の中で膨大なギリシャ神話の中から一人が頭をよぎった。


(イピクレス)


半神半人のヘラクレスの、双子の弟で人間、そしてヘラクレスが死んだときのトラキアの支配者。


(エウリュステスに仕え、ヘラクレスの子供であるヒュロスと対立し迫害した・・・スパルタ王ヒッポコオーンに討たれた。ただ子供のイオラウスはヘラクレスの愛人兼従者で妻のメガラを譲られたのはず・・・たしかイオラーオスの孫娘がアポロン神との間にカイローンを・・・って、え?)


「誰かはわかったようだな?」

「ありえない、イピクレスの家系はすべてヘレネスに組み込まれているはずだ。」


「気の狂ったヘラクレスに殺されたイピクレスの二人の子供を知っているか?」

「ヘラの送った狂気だろ・・・」

「その時に一緒に殺したメガラを12の試練の最後、冥府のケルベロスと一緒に連れ帰ったことは知っているか?」


(たしかに、メガラはイオラウスの妻ではあるが、その時、ヘラクレスに殺されたともある・・・)


「その時に二人の子供も連れてきたのは知るまい。そのあとはイオラウスを憚り、トラキアに隠れ住んでいたからな。」


(・・・ないことはないか・・・祖父が支配する土地だしな。)



「その血脈は現代までつながり・・・アストラバゴスとして結実する。・・・私の父だ。」

「だいぶ大きな妄想に憑かれているようだが、デマラトス。悪いが興味はない!」

アーシアは叫ぶなりコリーダの真下に駆け寄った。


=ドグゥ=


だが数歩、進んだ時点で胃袋がへしゃげるような衝撃を受けた。

視認する間もなく3段跳びの要領で、距離を縮めたデマラトスが飛び膝蹴りをめり込ませたのだ。


衝撃と激痛でアーシアは砦の屋上を転げまわった。


「悪いが、聞いてきたのはそちらだぞ、ちゃんと最後まで聞け。」


=ボフッ=


つま先を鳩尾に打ち込まれた。アーシアは激痛に呻きながら転げまわる。


「続けよう。私がこの地の総督になったときにカイロネイアから一人の女性がやってきた。」

(カイロネイアか、カイローンが開いたポリス。デルフォイの東30kmだったな・・・コリーダ・・・今すぐ)


=ボフ=


再びつま先が鳩尾に打ち込まれる。


「余計な奴隷ものを考えるな。彼女はアポロネゴーニと名乗った。神託を伝えに来たのだ。」

「し・ん・た・く・・」


「ああ、アポロの本当の神託だ。彼女はカイローンの娘、アポロンの孫だったよ。」


不老不死イモータル!)


「彼女の神託をそのまま伝えてやろう。」


=古きものが旧きものによって奪われていく。

旧きものはまだ至らぬ者を招き、古き定めを変えていく。

止めよ、正しくあるものよ。

我が偽の名を持つものより、旧きものを奪い、古き流れをもどせ。=


「意味がわかるかぁ、アポロン教皇アーシア!」


デマラトスの叫びがアーシアの全身を恐怖が走らせた。


(マズイ・マズイ・マズイ・・・)


神々が存在してるなんて有りえない。

・・・しかし魔術がある以上は・・・ないとは言えないのか。


=ボフゥ=


今度は胃のあたりを蹴られた。

胃液かと思ったら血反吐が噴き出してくる。

のたうち回りみっともなく転げまわる。


「さて、本題だ。お前に巣食っている、旧きものとやらをよこせ。」


旧きもの・・・イースの偉大なる種族のことだろうか・・・?

しらんわ。



空間をつかみ引き寄せる感じで、コリーダの横に転移する。


「ナッ」


剣を一閃させロープを斬ると、彼女コリーダをデルフォイの神殿に送り出す。


(あとは頼んだ!)


「デマラトス!」

「おう」

剣を抜きざまデマラトスが答える。



「わかった。だが従う気はない!」


そのまま一瞬で飛び込んで斬りつける。

魔術のリミッターがぶっ飛んでいた。

惚れた女をボロボロにされて、キレなきゃ男じゃないだろ!


魔術を併用し音速でソニックブームこみで切り付けたが、ソニックブームはエイボンの印に防がれたらしい。

それでも剣はデマラトスの脇腹を切る。


「クッ」

致命傷は免れたものの深手を負わせることには成功した。

たまらず間合いを取ろうとバックステップするデマラトス、それを空間把握で追尾しながら間合いを詰める。

次は首!

アーシアの目線で狙いを悟ったデマラトスはにやりと笑うと下を指さす。


?・!!


「レイチェル!」


たしかに感じた。砦の部屋の中にレイチェルがいる。


「は・は・は・・・アーシア、正義は我に有りだな!」


仁王立ちに高笑いするデマトリスがそこにいた。

プトレマイオス朝エジプトってマケドニア人が初代なんだよね・・・


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