第1巻 迷宮&冒険者の宿「英傑の止まり木」
登場PC
クニー・クルス (以下「クニー」) PL:みやび
育ての親である『お母さん』を探す記憶喪失のタビットグラップラー
自称 鏡の国から来た幸せを呼ぶ黒いメイド三月兎
ちなみにこの世界だとタビットは二足歩行の兎ではなくうさ耳少女らしい。
ラピス・ペリステライト(以下「ラピス」) PL:なごやん
平和を愛し、争いを好まないハイエルフウィザード。
過去に天才と謳われた、月光色の髪と黄昏色の瞳を持つまだ幼気な少女。
いつもの眠そうで、しばしば冒険者の宿のカウンターで転寝している。
クラウリー (以下「ウリ」) PL:亀吉
真の男になることを目指すグラスランナーグラップラー。
女顔で華奢なため、よく、女性に見間違えられるのがコンプレックス。
男らしくなりたいと思っているが、本質的に臆病で、逃げ出してしまうこともしばしば。
ルチル・アメリー (以下「ルチル」) PL:リクウ
自由気ままに旅空の下を行く楽天家のヒューマンソーサラー。
大きな帽子がトレードマークの面倒見の良いお姉さん。
普段はしっかり者だが、リンゴ狂であり、リンゴにかかわることになると途端に豹変する。
ガリナ・バラーク (以下「ガリナ」) PL:葛湯
ティダンと農業を愛するヴァルキリープリースト
白銀の髪に白い肌、白い羽とその消えてしまいそうな外見から天使の様と評される。
その儚げな外見に反して、非常にアクティブであり、いつも太陽の下農作業に励んでいる。
クニー「ということで突発的に始まりましたリプレイ、セッションの舞台となる古代迷宮都市ディメンストを案内しちゃおう、とかいうそんなリプレイです!
今回案内役を務めるのは、月下のスリーピングビューティー、ラピス・ペリステライトになります!どうぞよろしくね!」
ラピス「よろしく~♪」
ルチル「はぁ、なにが『ということ』だかわからないし、本当に突発的だね・・・・・・」
ウリ 「我は登録する冒険者の宿を探しに来ただけなのだが・・・・・・」
クニー「同行しますのは、私、幸せを運ぶ黒い三月兎のクニーと、紅いフォビトンフルーツ、ルチル・アメリー。そして今日この都市についたばかりのウリちゃんの3人になります」
ウリ 「ウリ!? なぜクラウリーからそこをとったのだ!」
ラピス「ウリちゃんかわいい~♪」
クニー「かわいいよね♪」
ウリ 「か、かわいいっていうなーー!ぼ、我はおとこだぞ!」
ルチル「いま言い直したね」
ウリ 「はっ!?我は・・・・・・ 男だもん」
クニー「ということでラピスちゃん、まずは都市の概略から説明して~」
ラピス「わかったよ」
ルチル「ここまでいじっておきながら急にスルーするとかさすがウサギさん」
ウリ 「ぐすっ、ウサギなんかに負けない・・・・・・」
都市概略
ラピス「えっと~ ここ『古代迷宮都市ディメンスト』っていう街はテラスティア大陸のザルツ地方の西の辺境に位置してるよ」
クニー「へー、ここってザルツ地方なんだぁ ここ」
ルチル「さすがに自分の現在地すら知らないって駄目すぎない?」
クニー「私は鏡の国から来た記憶喪失の兎さんだからね!」
ルチル「痴呆症の間違いじゃないの?」
クニー「手厳しい!?」
ラピス「ディメンストの街は中央に位置する迷宮を中心に広がった町で、人の行き来がとっても盛んなんだよ♪」
ウリ 「うむ、我も行商の馬車に便乗させてもらってここに来たな」
ルチル「そういえば領主とかみたことがないけど、ここって王様とかは居るの?」
ラピス「王様とかはいなくて、街の決まりごとは大聖堂、迷宮ギルド、商会の3つの組織が話し合いで決めてるよ」
ルチル「合議制か。自由都市同盟と似たような政治体系だね」
クニー「つまり、その三つの組織を潰せば私がここで一番えらく・・・・・・」シャドーボクシングを始める。
ラピス「迷宮ギルドのトップは熟練の冒険者だし、大聖堂のトップの大司教様はコールゴッドもできるレベルのプリーストだよ。クニーちゃんが挑んだら一瞬で兎鍋にされちゃうんじゃないかな」
クニー「今日は調子が悪いから、また今度にしよう」
ラピス「都市の大きな配置としては、東西南北に門があって、中央に迷宮、迷宮の上に建てられた塔に迷宮ギルドがあるんだよ」
ルチル「大まかな街の区割りはどうなっているの?」
ラピス「北東はギルド関係やお店が多くて、北西は工業とか生産業かな。南側は開発地区っていって、冒険者たちが何かしたい時や功績をあげたときに土地がもらえるんだよ」
クニー「なるほど~
ラピス「都市全体、についてはこんなところだね。次はどこのことを知りたい?」
ウリ 「我は迷宮について知りたいのだが」
ラピス「ん、迷宮だね。じゃああそこに見える高い塔へ行ってから説明するよ」
迷宮と迷宮ギルド
ラピス「とうちゃく~!」
ウリ 「ここが迷宮か! すごい人の量だな!」
クニー「高い塔だねぇ」
ラピス「昔はここには迷宮の入り口である下に続く階段しかなかったんだよ。でも迷宮に潜った人が、塔を建てられるほどのお金を手に入れたっていうことを示すために建てたらしいよ」
ルチル「剛毅なことで」
クニー「迷宮って儲かるんだね」
ウリ 「下に続く階段、ということは迷宮は地下なのか。とするとこの塔には何があるんだ?」
ラピス「迷宮の資料や都市の歴史が記されたレポートがおいてあるらしいよ」
ウリ 「ちなみに下はどれくらい深いんだ?」
ラピス「100層まであるという噂だけど、記録上冒険者がたどり着いたことのあるのは91層目までだね
10層ごとに敵のレベルがぐーんとあがるみたいで、91層に乗り込んだ冒険者達は現れたモンスターに瞬殺されちゃったとか言う話だよ」
クニー「ほえー、どれだけ強いんだろう。もしかして魔王とか居るのかな」
ウリ 「ま、魔王!? そんなの出てくるの・・・・・・?」
クニー「そんなに強い冒険者がやられちゃうぐらいだもの。きっと魔王の一人や二人いるんじゃないかなー」
ラピス「魔王は聞いたことないけれども、ドラゴンや魔人とか強いゴーレムがでるらしいよ」
ウリ 「ドラゴン!?ま、魔人!?あわわわわ、でも男なら・・・・・・」といいながらルチルの後ろに
ルチル「あははっ、ウリは怖がりなのか」
ウリ 「怖くなんかないやい、男だもん」
ルチル「まあ、こう見えてもクニーもあたしも強いから安心しなよ!」
ウリ 「い、いや、でも男のボ、我が皆をまもるんだ」
クニー「おお― 頼もしい!」
ルチル「じゃあ期待してるね」
ウリ 「頼ってくれたまえ」 足ブルブル
ラピス「じゃあ、迷宮に入る為の方法とかを説明するために塔の中に入るよ♪」
クニー「はーい」
ウリ 「え!? 今入るの!? ま、まだ覚悟が……」 ルチルの後ろに戻る
ルチル「ほら、男は度胸だよ。いくよ」 ウリを引きずりながら塔に入る
迷宮ギルド:入口ホール
ラピス「塔の一階は一般向けに解放されているよ。まず、中央には冒険者たちがパーティーを募ったり、清算を行うためのテーブルが置かれたスペースがあるよ」
ウリ 「……やっぱり、いないか……」きょろきょろ
ルチル「探し人?」
ウリ 「あぁ。師匠を探してるんだ。この都市に来た目的の一つはそれだだ」
ルチル「名前はなんていうんだい?」
ウリ 「それが、名前は聞いてないんだ…… グラップラーの冒険者としか…… しかし、あの男の中の男といった感じは近くにいればすぐわかるはず」
ルチル「ふーん、見つかるといいね」
クニー「あ、ガリナさん発見。やっほー。なにしてるの?」
ガリナ「今日も元気だ太陽光と野菜がうまい! 私はティタン様の恩恵を一身に受けながら日向ぼっこしていたところです。皆様おそろいでどうされましたか?」
ラピス「クエストで観光案内を作ってるの。その調査中だよ」
ガリナ「なるほどなるほど! 私も街を見回りたいと考えておりました! ぜひ同行させてください」
ウリ 「太陽光がうまい????」口をパクパクする
ルチル「何をしてるの」
ウリ 「太陽光がうまいと言っていたから食べてみようかと思ったんだが、味はしないな……」
クニー「太陽光を食べるにはティタン教の厳しい修業が必要だってガリナさんが言ってたよ」
ウリ 「そうなのか、そなたは、凄いんだな。そういえば名乗ってなかったが、我はクラウリーと申すものだ」
ガリナ「はじめまして! ティダン様の使者、農家神官のガリナと申します。以後お見知りおきを!」握手のために手を差し出す
ウリ 「よろしく」背伸びしながら手を取る
ガリナ「ふむ、クラウリーさんはなかなか鍛えているようですね。手が戦う男の手です」
ウリ 「褒めていただいて光栄だ。ただ、クラウリーは呼びにくいだろう。好きなように呼ぶといい」照れ
クニー「通称ウリちゃんだよ」
ラピス「ウリちゃんだね~♪」
ガリナ「わかりました! よろしくお願いしますね、ウリちゃんさん!」
ウリ 「!? 好きにって言ったが…… できたら『ちゃん』は抜いてほしいかなぁって……」
クニー「さて、自己紹介も終わったし次に行こう! 次!」
ラピス「じゃあ次は登録受付カウンターに行くよ」
ウリ 「しくしく」
ルチル「強く生きなよ」
迷宮ギルド:登録受付
ラピス「ここが冒険者登録受付だよ。迷宮に入るときはここで登録しないといけないんだ」
リィ 「ようこそ、迷宮ディメンストへ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
ラピス「こんにちはリィさん。今この街の観光案内を作っているところなの。迷宮の説明をお願いしてもいいかな?」
リィ 「かしこまりました。ご存知かもしれませんが、この迷宮は100層で構成されていると言われており、その入り口には大きな扉が設置されております。」
リィ 「地下にはその扉を開くためのカードキー精製装置があります。必要な情報を打ち込むことで、装置からカードキーが精製されます。今日はどなたか登録しますか?」
ルチル「ウリも登録すれば? 今日来たばかりなら登録してないでしょう?」
ウリ 「そうだな、登録をお願いしたい」
リィ 「かしこまりました、ではこちらにお名前と年齢、技能をお書きいただけますか?」 用紙を渡す
ウリ 「ウリあっ、クラウ…… 2…… グラ…… っと。よし、書けました!」どやぁ
リィ 「ありがとうございます。 ……不備はございませんね、承りました。ではこちらで登録させていただきます。カード発行までは少々お時間をいただくことになりますが、それまで何かご質問等はございませんか?」
ルチル「一つ質問させて。この前、あたし達1階を制覇したんだけど、その時作ったマップっていつまでも使えるの?」
リィ 「いえ、迷宮内の構造は完全ランダムとなっており、全部踏破していただいても迷宮の階層は時間が経過すれば全く別の物に変わります。しかし階層を踏破されることで、迷宮の恩恵(経験値500点)を授かれるようです。」
クニー「不思議だねぇ」
リィ 「迷宮そのものが生きてるとも、魔剣の仕業とも言われますが、未だ詳しいことはわかっておりません」
ガリル「この前迷宮に入ったときは、空に浮かぶ浮島を渡っていく階層でしたが、他にどのような階層があるのですか?」
リィ 「洞窟のようないかにも迷宮らしい場所もあれば、火山や雪原といった過酷な場所もあります。特に火山は移動のたびに体力を奪われるので、気を付けてください」
ガリル「気を引き締めないといけないな」
ラピス「それじゃあ迷宮の扉の前まで行こうか。カードキーの受け取りは扉の前だからね」
迷宮ギルド:迷宮入口大扉
ラピス「ここが迷宮の入り口だよ」
ウリ 「こんな大きな扉が地下に・・・・・・」
リィ 「さて、扉の脇にあるこの装置がカードキー精製装置になります。先ほど上にある端末に、情報を打ち込んだのでそろそろ出てくる頃ですが・・・・・・」ピーッという音とともにカードキーが出てくる。
リィ 「この通り、カードキーが出てきます。こちらがクラウリーさんのカードキーになります。ご確認ください」
ウリ 「名前も・・・・・・ 間違いないな。ありがとう。ついでにカードキーの使い方を教えてくれないか」
リィ 「カードキーの機能は主に3つあります。一つは、この扉を開ける、というものです」
ラピス「扉のここに、横に細長い穴があるの見える?。ここにカードを差し込めば扉が開いて、迷宮の中に入れる、という寸法だよ」
リィ 「もう一つは、特定階層へのショートカットです。迷宮の各階層にはボスモンスターが居ます。そのボスモンスターを倒すと、赤い石が発生します。その赤い石にカードキーをかざすと、その次の階層にショートカットができるようになります」
ルチル「私はまだ2階層目までだね。最近潜りはじめたばかりだし」
クニー「私も2階層目までだよ」
ガリナ「私もです」
リィ 「最後に迷宮からの帰還機能です。迷宮の各所に青い石が設置されています。その石にカードキーをかざすと、それ以降はその階層からならいつでも帰還ができる、という機能です。これらの機能のおかげで、深い階層でも短い期間で探索することができます」
ウリ 「なるほど。このカードをこの穴に入れると、迷宮には入れるわけだな」
クニー「試しにウリちゃんカードさしてみなよ」
ウリ 「わかった。・・・・・・ ん、ん~・・・・・・ 届かない・・・・・・」
ルチル「差し込んであげようか?」
ラピス「本人が差し込まないと認証されないんだよね、これ。不思議だよねぇ」
ルチル「へぇ、よくできてるもんだ」
クニー「じゃあはい」ウリの脇の下に両手を突っ込んで持ち上げる
ウリ 「わっ!? おぉぉ!! でっかくなったぞ! これをこの穴にこうだな!!」カードキーを穴に差し込む
ルチル「ウリ・・・・・・ ぷっ・・・・・・ よかったな・・・・・・」笑いをこらえながら
ラピス「ちなみにパーティーで行くときは差し込む人に触れていれば一緒に入れるよ。差し込んだ瞬間、自動的に迷宮内にワープするから、準備は万全にね」
ルチル「ん? じゃあこの場合クニーとウリは・・・・・・?」
クニー「きゃー!?」開いた迷宮の扉の中に吸い込まれる
ウリ 「わー!?」開いた迷宮の扉の中に吸い込まれる
ルチル「あっ」
ガリナ「あっ」
ラピス「あー。大丈夫かな?」
ルチル「クニーがこの前第1層の青い石は登録してたし、すぐ帰ってくるだろう」
ラピス「じゃあちょっと待ってようか」
15分後、二人が扉の前に戻ってくる。
クニー「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・・・」謎の粘液濡れ
ウリ 「ガクガク、ブルブル」謎の粘液濡れ
ルチル「お帰り。すぐ帰ってくるかと思ったけど結構時間がかかったね」
ガリナ「ご無事ですか?」
クニー「入った瞬間キラーオクトパスに襲われて死ぬかと思った・・・・・・ ウリちゃんはすぐ拘束されるし……」
ウリ 「ナゲレナイコワイ」
ラピス「危なかったね。クニーちゃんがすでに攻略してなかったらそこで終わってたかもね」
ガリナ「ご無事で何よりです。一応回復しますね。ライス☆シャワー!」キュア・ウーンズを二人に
ウリ 「ら、ライス!? なんで傷が治った!?」
ガリナ「ティタン様のお導きです。お米は偉大なのです。お米食べろ!!」
ラピス「じゃあ回復もしたみたいだし、換金の方いこっか♪」
ウリ 「体洗いたい・・・・・・」
クニー「うう、気持ち悪い……」
迷宮ギルド:換金所
ラピス「ここが、換金場所だね」
ルゥ 「ようこそ! 迷宮換金所へ! 何を売りに来たのかな?」
ウリ 「さっきタコの化け物に全部取られたから売るものなんてないよ・・・・・・」
クニー「こんにちは! さっき拾ったこれ、換金してください」きらきらした石ころ
ウリ 「いつのまに!?」
ガリナ「・・・・・・さすがですクニーさん、抜け目がない」
ルゥ 「ここのレートとか、ポイントについて説明いるかな?」
クニー「お願いします!」
ルゥ 「任せて! ここは迷宮で手に入ったモノの換金所だよ! ボクのところで換金すると、買い取り価格は商会で買い取ってもらう時より1割低く買い取るよ!」
ウリ 「じゃあ商会で売った方が得なんじゃ……?」
ルゥ 「でもでも! 安い代わりに迷宮ポイントっていう特別なポイントをあげてるんだよ!」
ウリ 「迷宮ポイント? 何に使えるんだ?」
ルゥ 「いい質問だね! 迷宮ポイントを使えば、迷宮ギルドからいろいろサービスを受けられたり、一般市場では出回っていないアイテムと交換できるよ!」
ルチル「へぇ、安いアイテムだと何ポイントから交換できるの?」
ルゥ 「一番安いのだと、このキラキラしたビー玉が1ポイントかな。特に何も効果のないきれいなビー玉だよ」
ウリ 「いまいち価値がわからないな。ほかの冒険者はポイントをどう使っているんだ?」
ルゥ 「一番よく交換されるのは『時間倉庫1年間レンタル権』かなぁ。倉庫の中の時間が止まってるから、普通なら腐っちゃったり劣化しちゃう素材でも、この中に入れておけば大丈夫、っていう倉庫だよ! お代は1000ポイントだね!」
ガリナ「なんと! 野菜が保管し放題じゃないですか!」ガタッ
ルチル「あたしも薬の材料保管に借りたいところだね」
ルゥ 「この倉庫は、自分で使うほかに、薬屋とか料理店とか農家に又貸ししてる人もいるね」
クニー「なるほど…… ちなみに受付さんとデートするなら何ポイント必要ですか?」
ウリ 「クニー、お主女性だろう。女性が女性にデートを誘うのか?」
ルチル「というかそういう私用はポイントで買えないだろう普通」
ルゥ 「ボクとデート? えっと100万ポイントかな」
ルチル「買えるの!? そしてすごく高い!」
クニー「うう、先は長い……」
ガリナ「それで、ポイントは大体どれくらいの割合でもらえるんですか?」身を乗り出しながら
ルゥ 「えっと、例えばこのキラキラ石、商会で売れば100Gだけど、ここで換金すれば90Gと10ポイントが付与されるよ。アイテムによって違うけど最低でも商会の買取価格の一割と同じだけのポイントは付与されることになってるね」若干引きながら
ウリ 「迷宮の中で手に入れたものはここで換金しないといけないのか?」
ルゥ 「別に商会で売ることを迷宮ギルドは禁止していないよ。ただ、みんな迷宮ポイントをほしがるから、商会に売るという人は聞いたことないね」
ルゥ 「ん、これで説明終わりだよ! それでこのキラキラ石は換金していいのかな?」
クニー「うーん、それはお近づきの印と言うことで受付さんにプレゼントするよ」
ルゥ 「くれるの?! わーありがとっ♪」
クニー「じゃあ今後ともよろしくね♪」あたまなでなで
ルゥ 「くすぐったいよー♪」目を細めて受け入れている
ガリナ「ウフフ…… 倉庫…… ウフフ…… あれもこれも……」
ウリ 「ガリナ殿が怖い……」
ラピス「これで迷宮については終わりだね。次は…… 冒険者の宿に戻ろうか」
ルチル「ウリの冒険者の宿の登録もまだだし、それでいいんじゃないかな」
ルゥ 「それじゃあまたきてね! しっかり換金してあげるからさっ!」手を振る
クニー「またくるねー」ばいばい
冒険者の宿「英傑の止まり木」
ラピス「到着~ ここが冒険者の宿だね。名前は「英傑の止まり木」覚えたかな?」
クニー「リンゴの木?」
ルチル「なにっ!? 林檎!?!?!?」
ガリナ「リンゴの苗木ですね! 植えたくなる名前ですね!」
ウリ 「……大丈夫だろうか、こいつら……」
店主 「こいつらはいつもこんなもんだよ。見かけない顔だが、登録希望者かい?」
ラピス「ただいまフェリアさん。ウリさん、こちらが宿のマスターのフェリアさんだよ」
ウリ 「店主か。我はクラウリーだ。よろしく頼む」
店主 「『英傑の止まり木』亭店主のフェリアだ。よろしく」
ルチル「店主の作るアップルパイは最高においしいし、とってもいい人だし、アップルパイが最高においしいから、お勧めの冒険者の宿だよ」
ウリ 「同じこと二回言った……」
ラピス「あと、ここは迷宮ギルドに登録すれば、最低ランクの部屋と最低ランクの食事は無料になるんだよ」
ウリ 「無料というのは大きいが…… 最低ランクというがどれくらいの部屋なんだ?」
ラピス「本当に寝るだけの部屋だね~ トイレは付いてるけど、お風呂は共同だよ」
クニー「共同風呂は大きいけど一つしかないから、男女は時間で別れてるんだよね。入るときは気を付けないとだめだよ」
ルチル「覗きとかも結構出るしねぇ。何人燃やしたことか……」
ラピス「良いランクの部屋にはお風呂もついてるから、気になる人はお金払って良い部屋泊まってるね」
クニー「あ、店主、さっき迷宮でべとべとになったからお風呂入っていい?」
店主 「ああ、いいよ。今は誰も入ってないし、男どもが入れないように見張っておくから、そのクラウリーっていう子と一緒に入っておいで」
クニー「じゃあウリちゃん一緒にはいるよー」
ウリ 「い、いいえ、え、え、え、んりょします!」
クニー「だめだめ、私の掃除する手間が増えるからね。じゃあいってきまーす」ウリを引きずって風呂場へ
ウリ 「やー!!!」引きずられて風呂場へ消えていく
店主 「あのクラウリーとかいう子、冒険者の割にはずいぶん恥かしがり屋だね」
ルチル「……店主、もしかして勘違いしてるんじゃないかという気が薄々してるんだけど…… ウリは男だよ……」
店主 「……まあ、クニーなら大丈夫だろう……」
ラピス「お部屋に関しては、相部屋している人も結構多いよ。クニーちゃんもルミナさんっていうルーンフォークさんと一緒の部屋だったりするしね」
ルチル「ラピスはぶれないね」
ラピス「お話ししないと観光案内作れないからね」
ガリル「そういえば、よくクニーちゃんが宿の中で掃除してますが、あれは仕事なんですか?」
ラピス「あれは常時クエストっていう宿で常に発注してる短期アルバイトの一つだよ。クニーちゃんがよくやってるのは『清掃』クエストだね」
店主 「部屋の清掃は有料だからね。清掃サービスを利用しないなら自分で掃除してきれいに使ってくれよ」
ルチル「私も石鹸とか風邪薬を作るやつをやったことあるね」
ガリル「なるほどなるほど……」
ラピス「ガリルさんなら農家の手伝いとかもあるから、そういうのもいいかもしれないね」
店主 「ほかにも警らの仕事や、飲食店での給仕、包丁なんかの日常品作成、変わったところだと薬の被験者、なんていうのもあるよ」
ガリル「ちなみにラピスさんは普段どういうことやってるんですか?」
ラピス「私? 寝てるだけだよぉ」
ガリル「……それって仕事?」
ラピス「お金はもらえないね」
店主 「ラピスは時々迷宮に行くだけで基本的に常時クエストはやってないよ。冒険者は派手好きで地味な仕事が嫌いなやつが多いからね。常時クエストをやらないやつも結構いるよ」
ラピス「クニーちゃんみたいにしょっちゅう掃除やら給仕やらやってる冒険者の方が珍しいかもね。ここだと最低限のお部屋と食事はあるからね」
ガリル「……ラピスさんはどうして冒険者になろうと思ったんですか?」
ラピス「ん~ なりゆき?」
ガリル「らしいといえばらしいですね…… ちなみにルチルさんはどうして冒険者に?」
ルチル「あたしは一攫千金を手に入れて、左団扇で生活するのが目標だね」
ガリル「一攫千金ですか! 冒険者なら誰もが一度は憧れますよね!」
ルチル「そういうガリルも一攫千金目当てかい?」
ガリル「よくぞ聞いてくれました! 私は大金持ちになって、世界中に大農園を作り出し、世界から飢えを撲滅するのですよ!」
ルチル「世界規模の野望だった……」
クニー「ただいまー」ほかほか
ウリ 「……」真っ赤
ガリナ「ウリチャンさんリンゴのようですな」ニヤニヤ
ルチル「林檎!? どこどこっ!」キョロキョロ
ウリ 「ひっ!?」
ルチル「なんだ、ウリか……」しょんぼり
ウリ 「なんか、ごめん…… ルチル殿」ショボン
店主 「さて、腹も減っただろう。これが今日の飯だよ」ごはんとみそ汁とサラダが各自の前に置かれ、真ん中には大皿に盛られた大量の鳥のから揚げが置かれる
クニー「わーい」
ウリ 「すまない店主。我はあまり手持ちがないのだが……」
店主 「おまえさんもうちに登録するんだろう。これは最低限の範囲だよ」
ルチル「店主の料理の腕前はピカイチだからね。安くて早くてうまいんだよ」
ウリ 「なんと……」
店主 「ちなみにクラウリーは部屋はどうする? 金があるならいい部屋を用意するが」
ルチル「なんならあたしの部屋に来るかい? 風呂付の部屋にしたのはいいんだけど、広すぎて一人だとちょっと持て余すんだよね」
ウリ 「え、えんりょしましゅっ!?」
ガリナ「ルチルさんあんまりからかったらかわいそうですよ」ニヤニヤ
店主 「……クラウリーには一人部屋をちゃんと用意しておくよ。最低ランクのでいいね」
ウリ 「お願いします!!」
ラピス「ということで今回の観光案内は終わるよ。次回は商会、大聖堂あたりを紹介する予定だからよろしくね♪」
登場NPC
リィ・エターナル
迷宮ギルド登録受付をしている妖精族の少女
杓子定規でまじめ。ルゥとは双子の姉妹
ルゥ・エターナル
迷宮ギルド換金受付をしている妖精族の少女
ボクっ娘で快活。リィとは双子の姉妹
店主
本名はフェリア・テルシア
元冒険者のドワーフ。高レベルグラップラー。
面倒見がよい上姉御肌。褐色の肌と銀色の髪の美人であり、密かに想っている者も多い。