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ポエム・二行の展開

作者: 笹峰霧子

ぶらりと大型スーパーまでドライブし、お気に入りの小物のコーナーでさまざま物色……、この妙味は私にとってたまりません。

袋、バッグも好みだけど、他なんでもあれこれ観るのは大好き。


で、この間はやがて来るお花見もあることだし、と、お弁当箱を置いてある場所で結構な時間を費やしました。


色とりどりでどれにしようか迷ったあげく、おにぎりが二つ入る三角の入れ物があったんです。

そして和の食器の所に行ったら、これまた細長い竹を編んだような模様のこげ茶の弁当箱が目に入り気に入りました。


結局二つのお弁当箱を買いました。


夕方になって、詩ブログの更新もしなけりゃな、と思い、お弁当箱のことを思い出しました。

そうだ!そのことを詩にできないかな?


そして……、ありのままに書きました。


お弁当箱を買ったこと。

二つのお弁当箱の形。


これじゃあ、詩になりません。


そこで、最後を詩として仕上げるにはどうすればいいか、を考えました。

マイナーの方向で行きましょう、と思いついたわけです。


三角のおにぎりの弁当袋は、たしかに独りでちょっと撮影とかでドライブに行く時便利だなって思ったのはたしかですが、そこで「独り」という言葉がクローズアップされました。


最後に付け加えたのは、「大きい弁当箱を持って誰と行くの?」

そして一番最後に、「お花見に行ったひとが亡くなっている」という風に方向づけしたのですね。


そしたら、やっぱりセンチメンタルな詩の雰囲気が感じられたのでしょうか。

或る詩のサイトに投稿したところ、皆さんのコメントにはほとんどの人が、「切ない、寂しい」などの感情を持たれている感想がかかれていました。



詩をどういう方向に持っていくかは、最後の一二行で決まります。


私は音楽でも短調の寂しい、切ない音階が好きです。


だから詩もいつも最後にはその方向付けをしてしまいます。


あかるく飛ばすこともできるし、切ない感情は具体的な言葉を出さず匂わせる……、


恋しいという言葉を使わなくても、そういう雰囲気を醸し出せば、読者は自分の心と重ねてくれます。

そして涙したり目に見えない作者を恋したり、そういうふうにうまく描くことが詩を作る者の醍醐味と言えるでしょう。



**

詩の原文



おにぎりが二つ入る

三角のお弁当箱を買ってきた

初めてみたとき

すっかり気に入ったの


ひとりでドライブするときに

白いおにぎりと

海苔でくるんだ黒いおにぎり

ふたつ持って行こう



もう一つ買ったお弁当箱

網目模様の大きめの

楕円形の…


それを持って

誰とお花見するつもりなの


ふたりで花見したことを

思い出して買ったの?




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