無駄慰
壊れてしまえばいい。
羽螺羽螺に薔薇薔薇にバラバラに。
求めるのは、要求するのは懇願するのは―‐‐…。
自我の破壊 ぁあ、簡単な事なのに。
なんでもいい。
どうでもいい。
終わりたい。
終わりたい。
終わりたい。
苦しいんだよ、痛いんだよ、止まらないんだ。
留まれないんだ……。
誰かに救いを求めてしまいそうになってしまう。
駄目なのに駄目なのに………。
自分で終わらせなきゃ、他人を頼ってなんかいけない。
それだけはいけない事―。
汚いもの。腐っているもの。醜いもの。それなのにそれなのに…………僕は好きになってしまったのです。恋い焦がれて想って想って。この気持ちに何と名前を付ければよかったのですか?これが『恋』これが人を愛するという事。躯がキツい君が誰かのモノになってしまうのでは無いか。―という焦燥感。ぢりぢり喉を焼く――だから。だからだからだからだから僕は君を破壊しました。髪を引き抜いて安っぽいナイフで皮膚を幾度も抉り時折君に口付けを与えながら。何回も何回も叩きつけ君の甘い狂おしい程の蜜を舐めとり。右手はちぎれて何処かにいってしまったから左手で君の右目をくり貫いたよ硝子の破片は僕の左手も染めあげてしまったけど。同じように君の右手も染めあげられているから―。あぁ君が見えにくいよ。暗闇が僕に圧しかかってくるよ。僕は困ったように君に微笑んだ。君は僕と全く同じに微笑んだ。それだけそれだけ。人を愛せなかった僕にはピッタリの終わり形。残ったのは割れた鏡と僕だけ全てが燃えつくような夏のある日に僕はやっと壊れて終われたのです。