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出来損ないと呼ばれ追放された魔王の子供は国を創造し王となる  作者: 蒼崎しんのすけ


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19/19

未来

上位存在の本体が退いた後。


都市は静かだった。


だがノアだけが落ち着かない。


未来の流れに、

“引っかかり”がある。


一本の未来が、

何度見ても同じ場所で途切れる。


「……ここ、だれかいる」


イリスが観測を重ねる。


「空白ではない……隠蔽」


アークが低く言う。


「意図的に隠してる?」


ゼルが笑う。


「趣味悪ぃな」


空間が――裏返る。


四人は観測層のさらに外へ引き込まれる。


そこは世界ではない。


舞台裏。


光の線が無数に伸び、

未来が糸のように管理されている。


その中心に――


一人の存在が座っている。


人の形。


顔は曖昧。


「よく来たね」


声は穏やかだった。


だが全員が理解する。


こいつが――


設計者。


ノアが震える。


「あなた……なに?」


存在は微笑む。


「私は観測の設計者。

君たちの世界の“枠”を作った」


イリスの瞳が揺れる。


「……創造主?」


「近いね。

正確には“編集者”だ」


光の糸が動く。


虚無の発生。

上位存在の侵入。


全てが“調整”として表示される。


ゼルが怒鳴る。


「全部テメェの都合か!?」


「均衡だよ。

世界は刺激がないと停滞する」


ノアが前に出る。


「それ……えらんでない」


設計者が首を傾げる。


「でも世界は続いた」


ノアの瞳が燃える。


「わたしたちが、えらぶ」


イリスが並ぶ。


「外部編集、拒否」


観測が展開する。


だが設計者は触れられない。


未来そのものを書き換える。


世界が巻き戻り始める。


アークが叫ぶ。


「このままじゃ最初に戻る!」


ノアが叫ぶ。


「みんな、えらんで!」


都市と同期。


市民の意志が流れ込む。


笑い。

悲しみ。

希望。


イリスが支える。


「集合観測――成立」


設計者の編集権限が揺らぐ。


光の糸が絡まる。


ゼルが吠える。


「今だ!!」


アークが枠組みを書き換える。


「この世界の所有者は――住人だ!」


設計者が初めて驚く。


「……想定外だ」


ノアが手を伸ばす。


「さよなら」


観測が確定する。


設計者の権限が剥離。


存在が薄れる。


「興味深い結末だ……

君たちに任せよう」


光が消える。


舞台裏が閉じる。


四人は都市に戻る。


未来が静かに流れている。


誰にも編集されていない。


ゼルが息を吐く。


「やっと自由か」


アークが笑う。


「最初から欲しかったものだ」


イリスが空を見る。


「未確定……完全許容」


ノアが微笑む。


「これから、えらぶ」


空は広い。


世界は誰のものでもない。


住む者のものだ。


物語は終わる。


未来が続く限り。

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