表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

第4話:最初の謁見

いよいよ犬飼が異世界へ!!!

クラフター主人公に待ち受けるのは、どんな世界なのか?

俺たちは、すべてを受け入れるために三十分の猶予を与えられた。他のクラスメイトたちは、「どうするか」とか「今後の計画」みたいなことを話し合っていたけど、俺はスキルを使えるか試していた。やり方なんて知らないから、異世界転生の小説で読んだことを適当に真似してみただけ。けど、インターフェースも出てこないし、何も感じなかったし、使うべき言葉も分からない。──要するに、全部無駄だった。


しばらくして、兵士たちが階段の下から現れた。二列に並び、その真ん中を通るようにと示した。中央には、やけに豪華な鎧を着た男が立っていて、彼が俺たちを先導するようだった。皆は緊張した面持ちで、明らかに怖がっていたが、先頭に立ったのはタカハシだった。どうやら自然とリーダーになったらしい。


階段を登ると、まず目に飛び込んできたのは光源だった。もっと素朴な灯りを想像していたが、そこにあったのは強く光る結晶──まるで自然の蛍光灯。俺は触ってみたかったが、観光気分は許されなかったらしく、誰一人として足を止めることなく進み続けた。当然、俺だけが浮いてしまいそうだった。


俺たちは長い廊下を進んでいた。壁は暗い色の木材でできており、床には絨毯が敷かれていた。数メートルごとに装飾や絵画が飾られていた。絵には狩りの場面が描かれており、ドラゴンも存在するらしい。王族と思われる人物の肖像画もあった。途中、大きな窓から見えた庭園は広大で、木々に囲まれた生け垣の迷路まであった。でも、立ち止まることは許されなかった。


数分歩いた後、巨大な扉の前に辿り着いた。三列に整列するように指示され、しばらく待機。やがて司令官が中に入っていった。


あらためて数を確認すると、三十人全員が揃っていた。誰も欠けていないって、すごいな。──いや、たぶん召喚の力で全員が強制的に引き寄せられたんだろう。教室にいなかった連中までいるし、そう考える方が自然だ。


司令官が戻ってきて、扉が開いた。俺たちは中に入るよう促された。


中には強烈な圧力があった。周囲には多数の人々──貴族らしき人物たちが立っており、その服装はどこかヴィクトリア時代を思わせる。彼らは俺たちをじろじろと見つめ、まるで展示物のように扱っていた。緊張した空気の中、俺たちは互いに顔を見合わせながら進んでいった。


その先には、三つの王座があった。そこに座る人物たちは一目で王族だと分かった。


中央の男は三十代前半といったところか。厚手の王衣を身にまとい、鋭い目つきでこちらを睨んでいた。まさに「王」と呼ぶにふさわしい威圧感だ。


その隣には、軽めの衣装を着た女性。長い編み込みの髪と控えめな王冠を付けていた。きっと彼女が女王だろう。


そして最後に、子供。古風な礼服を着ており、年齢は十歳にも満たない。姿勢だけは立派だが、明らかに無理しているのが分かる。真面目な顔でこちらを睨んでくるのが妙にイラッとした。──殴りたくなる。


司令官がひざまずいた。俺たちもそれに倣った。……まあ、この雰囲気じゃ、逆らう気にはなれなかった。

エピソードが気に入ったら、ぜひ評価をお願いします!!

1日2話更新中!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ