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【1】*first point

暗く狭い部屋なら

一筋の糸が見えるだろう

僕らはそれが希望と信じ


グレゴリィ・デバラ------------


目覚めよ…我らが運命の自軸よ……


世界(ワールド)人物(キャラクター)物語(シナリオ)苦痛(シリアス)衝突(コンフリクト)


全てが構成され、定められた運命へと…


全てはこれから始まるぞ…


運命の自軸よ…我らは期待している…


--------------------


ピピピッ…ピピピッ…


「んあ…?」

目覚まし時計の音で目を覚ます


「はぁ…」

小さくため息をつき、眼鏡をかける


今度は、はっきりと嫌な世界を映し出す


身支度を整え、宿屋から出る


「面倒だな……」


小声でそう呟く


ガチャッ


扉を開けると、日光が目に刺さる


「…」


自らの溜息を抑えながら歩いて行くと、ふと掲示板が目に留まる


『淀みでの感染者増加、死者多数』


"淀み"…

この世界に突如として現れ、活性化を始めた病のようなもの、人に感染するだけでなく

淀魔と呼ばれる化け物を生み出し

"魔淀の穴"と呼ばれる洞窟を作り出す事もある


ここ、"ガルガンターム"では

地着大陸と呼ばれる、大陸同士が繋がり

海に浮かんでいる巨大な大陸と

その周辺に浮遊する浮遊大陸とあるが

特に"淀み"は地着大陸で特に活性化していると聞く


感染経路は不明、感染後どうなるのかさえ

謎に秘匿されている


「気味が悪いな…」

ボソッと呟いた言葉は人々の喧騒に消えていった


その後は何も無く真っ直ぐに目的地に進んだ

そのまま、人通りの多い道を歩んでいくと…

巨大な白い門の前に出た

自分が所属する【血の報復】というギルドの拠点、『大聖堂=ユグニバス』


何故こんな物騒な名前なのかは知らないが

このギルドは主に周辺地域への奉仕が殆どで

目的としては『神が遺した楽園』の発見だ


ギルドにも様々な目的や組織形態が存在し

確固たる理念のあるギルド…

武力を追い求めるギルド…

犯罪を生業としたギルド…

このように様々なギルドが存在する

【血の報復】は名前はまだしも、目的としては大健全だ


そんな事を考えながら、大聖堂の門を開き

中に入ると…少し離れた場所に人影が見える


「あなたは…」


「ん?よう!グレゴリィ!」


この人は『トルテ・ア・キリスティ』さん

【血の報復】の団長

自分がかなりお世話になった人だ


「おはようございます…」

「ああ、おはよう!」

「今日は少し忙しくなりそうだからなぁ、しっかりと準備しとけよ!」

「はい、ところで…団長はこんな所で何してるんですか?」

「んあ?いやぁ…まあ、休憩だ休憩」

「そうですか…それじゃ僕は行きますね」

「おっと、そういやぁココ最近なんでも淀魔が活性化してるらしいから気をつけろよ」

「あ、はい」

「それと」

そう言うと空気が変わった

「"炎の魔神"が何やら不審な動きを始めたらしい…そいつを見つけたら迷わず逃げろ」

「?分かりました…」


炎の魔神…?


「それじゃ」

「あ、はい」


団長と別れ、聖堂内の待機部屋へと向かい

黙々と準備を続けていると…

「ちょっとぉ、眼鏡くーん」

「!?」

意識外から声をかけられた為、咄嗟に後ろを向くと

そこには…


「リリィさん…」

「そう!かわいいかわいい、リリィちゃんがいるのに無視は酷いんじゃなぁい?」

彼女は"リリィ・アスナ"さん

【血の報復】に所属している女性だが

あまり、自分から気にしていないので詳しくは無い

「え、あぁ、すみません……」

口ごもって言うと

「…まぁ、いいけど!ぷーんだ」

「じゃあ、私は先に出てるね!」

「あ、はい…」


嵐のような人だったな…

そう思いながら、自らの準備を進めていく

今日の奉仕活動内容は…

居住地帯の清掃と…近辺の調査か

まずは、距離の近い清掃からだな…


目的地に向かい始める

その間にも、団長が言っていた"炎の魔神"の事が

頭から離れない

その事を考えていると、いつの間にか住居地帯に

着いていたが…

「あれ…?綺麗だ…」

やけに綺麗になっている…

その事態に首を傾げていると

タッタッタッと足音が聞こえてくる

「あ!グレゴリィさん!」

「貴女は…」

"マリー・セレスティア"さん

【血の報復】のシスターの人だ

「すみません…この辺での奉仕活動があったのですが…早めに終わってしまい、ついでに清掃もやってしまって…」

「いえいえ、僕が遅かったのが悪いですから…」

「それじゃ、僕はここで…」

「あっ…はい、お気をつけて!」

愛想も無く足早にその場を去る


はあ、今日は人と話すことが多く精神的に疲れる…

クソッ…全部自分が悪いのに…そう頭を抱えていると


カチンッ

世界が灰色に変わり

地面も人も空さえも動いていない

突然の出来事で身が固まる

なん…だ…これ…


カツン、カツン

足音?誰の?そもそもこれは…

「やあ、"運命の自軸"さん」

子供?いや違う…感じで分かる…ヤバい奴だ…

その瞬間、焦りや困惑…様々な感情が濁ってゆく

必死に口を動かし"ソレ"に問う

「君は…」

「ん?あれ、知らないんだ」

「聞いた事ない?"炎の魔神"ってさ」

炎の…魔神…この少年が…団長の言っていた…

更に動きを拒む口を動かし問いかける

「何が…目的なんだ…」

「そうだね、視察って感じかなぁ?」

「視察…」

「本当に君が運命の自軸なのかを見に来たんだ」

さっきからなんなんだ運命の自軸って…

「とにかく、何も知らないままお人形遊びするのは嫌でしょ?」

「今は分かんないかもしんないけど、いずれわかるよ」

「舞台裏を知った者が預言者となるか…はたまた、愚者となるかなんてね」

パチンッ

そう奴が指を鳴らすと世界に色が戻り何もかもが元通りになった

「何だったんだ…あいつは」

―――――――――――――――――――――――

崖の上に立ち風に揺られ黒い髪が靡く

「…」

その時、背後から声が聞こえる

「おーい"ZERO"何してんだ?」

見知った顔…

「ん?"A"か、ちょっとね」

「かっこよく黄昏てたところだよ」


「…大体、用事とやらは済んだのか?」

「なんだっけ、視察?とか言ってたな」


「ああ、それなら済んだよ…あれならまだ心配は要らないし介入も無いんじゃない」


「ふーん…まあいいや、腹減ったから帰るぞ」


「はーい」



「それにまだ…始まったばかりでしょ」

「ねぇ?」

傍観者(きみたち)?」

グレゴリィ・デバラ

性別:男性

年齢:19歳

身長:180cm

趣味:眼鏡収集、パン作り

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