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08.座談会2:『やっぱり情報統制されてたんじゃ』


高校生コンビがログオフした後。

すみれ、ひまぽ、腹黒小学生の3人は、引き続き会話を続けていた。



====

すみれ:

『……やっぱり、どう考えても、情報統制されてたわよね、シオンちゃん』


ひまぽ:

『だねー。学校の授業を受けさせないとか、怪し過ぎるでしょ』


腹黒小学生:

『あの感じだと、都合の悪い情報は隠されてたんでしょうね』

====



シオンから異世界の話を聞いた当初。

彼等は今一つ信じ切れなかった。

確かに未来を言い当ててはいるけど、普通に考えて異世界とかあり得ないだろ、と。


しかし、3週間経った今、

彼等は異世界の話を完全に信じていた。

単純なシオンに、こんな完璧な作り話ができるはずがない、と、思ったからだ。


そして、同時に心配になった。

単純な紫苑が、こんなきな臭い世界に勇者として呼ばれて大丈夫なのか、と。



腹黒小学生が、溜息が混じっていそうな口調で言った。



====

腹黒小学生:

『……問題は、シオン本人が、情報統制されてたかもしれないという可能性に、全く気が付いてないことかと』


ひまぽ:

『だねー……。すごく良い国だったとか、みんないい人だったとか言っちゃってるし』


すみれ:

『きっと良い人もいただろうから、間違ってはいないんだろうけど……、難しい所ね』

====



シオンは、真面目で素直ないい奴だ。

悪いヤツが見たら騙し放題だろうし、実際に騙されていたに違いない。

彼のためにも、今のうちに、異世界が怪しいことを教えるべきだ。


――とは思うものの、3人は迷っていた。



====

すみれ:

『今のシオンちゃんって、異世界の人達を救うことをモチベーションに頑張ってるから、変に教えたら、折れちゃいそうな気がするのよね』


腹黒小学生:

『そこなんですよね。いきなり教えたら、人間不信に陥りそうな気もしますし』


ひまぽ:

『そだねー。それに、そもそも信じなそうだよね』


すみれ:

『相手のことを信じ切ってる感じがすごくするわ。仲間に命を救われたって言ってたから、信じ切るのも無理はないとは思うんだけど』

====



そうだよね、と、考え込む3人。


そして、しばらくして。


ひまぽが言った。



====

ひまぽ:

『まだ時間はあるし、シオンくん自身が気が付くのを待ってみよーか』


すみれ:

『そうね。シオンちゃんが頑張って気付けたら、それが一番よね』


腹黒小学生:

『人に教えられるよりはずっとショックは少なそうですね』

『じゃあ、気付くように誘導できそうな本を薦める感じでいきますか』

=====



その後、3人は相談。


『中国の歴史もの漫画とかどうかな? 陰謀とか策略がぎっしり詰まってるから、色々考えるようになるんじゃないかなー』


という、ひまぽの提案を採用し、紫苑の課題図書に、有名な中国歴史漫画が加わった。





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― 新着の感想 ―
これは孔明の罠!
[良い点] 普通こういう話は主人公視点で動いていくものだと思いますが、まさかの『転生前』『外野』視点。そこが新鮮でとても面白いです。 [一言] 明日の更新も楽しみにしています。
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