(おまけ)座談会ミニ
紫苑が異世界に消えて、しばらくして。
チャット欄が動き始めた。
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ひまぽ:
『行ったねー』
すみれ:
『そうね。行っちゃったわね……』
腹黒小学生:
『いやあ……、マジで驚いた……』
ひまぽ:
『わたしもだよー』
『嘘だとは思ってなかったけど、実際見るとすごいもんだねー』
『超ファンタジー』
すみれ:
『こんなに驚いたの、私、初めてかも』
『ファンタジーって、すごい』
柚子胡椒:
『 (*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪ 』
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半ば呆け気味に、「すごいすごい」と、語り合う4人。
すごすぎて、何が起きたかよく分かっていない気すらする。
そして、腹黒小学生が言った。
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腹黒小学生:
『実は俺。今、もっとファンタジーなことに気が付いてしまった』
ひまぽ:
『え、なになにー?』
腹黒小学生:
『異世界召喚の様子を録画してたんですけど、なんと、何も撮れてない』
柚子胡椒:
『 ( ゜Д゜)! 』
ひまぽ:
『え!』
『…………うわー、マジだー! わたしのも撮れてない!』
柚子胡椒:
『僕のもです! 黒いサーっていうのが映ってるだけ!』
すみれ:
『……本当にファンタジーだったのね。すごいもの見ちゃったわ……』
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再び呆ける4人。
そして、柚子胡椒が心配そうに書き込んだ
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柚子胡椒:
『シオン……、大丈夫かな?』
すみれ:
『心配よね……』
『でも、私は大丈夫だと思うわ。今日初めて本人を見たけど、いい面構えしてたじゃない』
ひまぽ:
『それは思ったー。覚悟できてるーって感じだった。洗脳がなければ完璧だったね』
腹黒小学生:
『まあ、洗脳のことは心配だけど、あれだけがんばってたんだ。大丈夫だろ』
柚子胡椒:
『うんうん。そうだよね。きっと大丈夫だよね!』
すみれ:
『そうよ。筋肉は裏切らないわ』
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『筋肉は裏切らない』
すみれのこの言葉に、とあることを思い出して、黙り込む3人。
映像が残っていないから定かではないが、紫苑が消える直前に、聞いちゃいけないものを聞いてしまった気がする。
最後のあの声の意味するところって、つまり、黒髪セクシー美女すみれさんは、ネカ……。
チャット欄を流れる不思議な沈黙。
そして、しばらくして。。
ひまぽがいつもの調子で口を開いた。
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ひまぽ:
『まあ、あれですなー』
『これはいわゆる、夢は夢のままがいいってやつですなー』
柚子胡椒:
『(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪』
『夢は永遠に、だよね!』
腹黒小学生:
『そうですね』
『俺もまだまだ夢を見ていたいお年頃なんで』
すみれ:
『????』
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我々は、何も聞かなかったし、見なかった。
と、心の奥底に、先ほどの記憶をしまい込む3人。
そして、その後。
一頻り、異世界の話で盛り上がった後。
4人は、「またね!」と、別れを告げ、そっとパソコンを閉じたのであった。
紫苑が召喚された後のおまけ話です。
あと、タイトルちょっと変えた&副題取りました。
ループ2回目じゃなくて、ループ1回目なじゃないか、というご指摘を受け。
この話自体が謎解き要素的なものが入っているため、ネタバレしない分かりやすいタイトルが思いつけず。
とりあえず、回数を揃えて、副題を取った、みたいな感じです。
コロコロ変えてすみません。m(_ _)m
作者はまるでセンスがないので、なにか良い案があれば大歓迎です!




