11.座談会3:『その発想がヤバイ』
持ち物リストを完成させた夜。
お礼を言いながら紫苑が落ちた後、残った4人は引き続き会話をしていた。
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すみれ:
『シオンちゃん、本当によくがんばっているわよね。偉いわ』
柚子胡椒:
『すごいよね! 成績もすっごく上がってるみたいだし』
ひまぽ:
『だねー。最近しっかりしてきたなー、と思う。無理もしなくなったし』
すみれ:
『そうね。一時は頑張りすぎてたけど、今はちゃんと見極めてる感じだわ」
腹黒小学生:
『……なんか、俺らって、子供の成長を見守る親みたいな感じになってますよねw』
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一斉に笑い出す4人。
そして、話は自然と異世界の話に。
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ひまぽ:
『彼、最近、異世界の話しなくなったよねー』
柚子胡椒:
『言われてみれば、そうかも! ここ最近聞いてない』
腹黒小学生:
『それ、俺も思いました。もしかして、洗脳解けてきてるんじゃないですか』
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3人は思った。
シオンが日本に帰ってきて半年。
彼は本当にがんばっている。
異世界がおかしいと気が付かせるような本もたくさん読んでいる。
そろそろ洗脳が解けてきたのだろう、と。
しかし、すみれが言いにくそうに言った。
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すみれ:
『……残念だけど、それはないと思うわ』
柚子胡椒:
『え! なんでですか?』
すみれ:
『少し前に聞かれたのよ。お世話になる異世界の皆さんにお土産とか持って行くとしたら、何が良いと思いますか、って』
腹黒小学生:
『……』
柚子胡椒:
『 ( ゜Д゜) マジか! 』
ひまぽ:
『wwww それ受けるw 引っ越し先で洗剤配るみたいな感じーw なんて答えたのー?』
すみれ:
『そりゃあもう、全力で止めたわよ。お世話どころか、洗脳して利用しようとしている人間に、お土産渡してどうするのって話じゃない』
ひまぽ:
『確かにねーw それに、こっちのものなんて渡したらロクなことが起こらなそうw』
腹黒小学生:
『確かに。変に利用されそうな気がする』
柚子胡椒:
『 orz 』
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皆思った。
あのきな臭い異世界に手土産持ってくとか、発想が自体がヤバ過ぎる。
どんなに日本で頑張っても、洗脳状態のまま異世界に行ったら、絶対にロクなことにならない、と。
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腹黒小学生:
『……これは本格的に何とかしないとダメですね』
すみれ:
『そうね……。今までは本を薦めて見守る方向ではいたけど、少し方向転換した方が良いかもしれないわ」
腹黒小学生:
『俺もそれは思います。もう少しはっきり言った方が良いのかもしれません』
ひまぽ:
『そだねー。矛盾を指摘するくらいはした方がいいのかもー』
柚子胡椒:
『賛成!( `ー´)ノ このままだとシオンが大変なことになりそうな気がする(一一") 』
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その後、4人は相談。
今までは異世界の話を黙って聞いていたけれども、これからはもう少し突っ込んでみたり、やんわりと矛盾を指摘してみよう、という話になった。




