【ヒーローランク】十天ヒーローオススメ戦記『AKATEN ――赫天――』
――2月21日・金曜日 ~~会社~~
終業時間が近づく中、『小説家になろう』というサイトで山賊ジャンルの小説をメインに投稿している青年:赤城てんぷは、自身の逸る想いを懸命に抑え込んでいた。
現在、彼の胸中を占めるもの――それは、この二日後に『小説家になろう』上で開催される”ヒーローランク”という企画についてであった。
この”ヒーローランク”というのは、去年に開催された”ヒロインランキング”というスケベな男性なろうユーザー達が集結する恐れがあった企画と違い、全国津々浦々から漢気にあふれる硬派な男達と、彼らをお目当てにするカワイイ♡戦線真っ盛りの女性達がわんさか大集合!すること確実と言われている健全な企画として、なろう界隈で持ち切りの話題となっていた。
赤城てんぷはその”ヒーローランク”において、自身の名を盛大に売り込もうと野心の焔を激しく燃やしていたのである――!!
(見てろよ~~~ッ!! なろうの”ヒーローランク”を通じて、天下万民にこの”赤城てんぷ”様の覇武と生き様を堂々と見せつけてやるんだズェ~~~!!)
そのような激情を胸に秘めながら、意気揚々と迅速に仕事を終えていく赤城てんぷ。
手伝いや飲み会の誘いといった他を寄せつけぬ彼の鬼気迫る姿を前に周囲が圧倒される中、ふと、彼は一枚の書類を手に取ったかと思うと、何を思ったのか動きを止めていた。
(ん?……これは、”鳴和”っていう地名の場所に届ける書類なのかな?ちょっと、僕だけで判断するのは難しいかもしれない)
そう判断した赤城てんぷは、同僚の田所に質問する事にした。
「すいません、田所さん。……今、ちょっと良いですか?」
「うん、別に良いけどどうしたんだい?」
赤城てんぷの質問に、眼鏡をかけた小太り体型の男性が答える。
赤城てんぷが内心で”メガネコブトリ”と呼んでいるこの田所という男性社員は冴えない見かけに反して、カジュアルな音楽を好み、クラブのママとも知り合いな夜の街が似合う粋な男である。(普通に彼女持ち)
赤城てんぷとはそんなに親しくない――というか、彼は赤城てんぷの事を『アイドルアニメが好きな冴えないオタク』と誤認している節があるようだが、赤城てんぷはそういった私心を殺して、冷徹かつ事務的に会話を切り出す。
「はい、このなろう……鳴和宛ての書類なんですが……」
……やってしまった。
まさに、渾身のミスである。
まさかこんなくだらない言い間違いをしてしまうだなんて……!?
赤城てんぷの身に、凄まじいまでの羞恥と絶望が襲いかかる――!!
――だが、まだ慌てる時ではない。
彼は瞬時に思考を切り替える。
(落ち着け……サブカルとは無縁そうなメガネコブトリさんが、”なろう”の事を知っている訳がないだろう! 今はそれよりも、すぐに平然とした面持ちで質問の続きをしないと……!!)
そう思いながら、チラリと田所の顔に視線を向ける。
――何やら、苦笑のようなものを浮かべていた。
……何だ、その表情は。
全てを察したような顔をするのをやめろ。まるで、ある学生さんが居間でレンタルしたスケベなDVDを見ていた時に両親が帰ってきたので、慌ててDVDを持って二階の自室に戻ったら、それからすぐに自分を呼ぶ声が聞こえたので不機嫌な表情をして居間に戻ってみたら、無言で微笑みながらテーブルの上に置いたレンタルスケベDVDのレシートを指さしていた学生さんの母親のような表情をするのをやめろ。――人の気持ちを考えろッ!!
そういった過去のトラウマと同時に、何故か「結納を済ませたのか?……麿以外の俗物と……!!」というお茶の間ブリザードなCMなどの様々な映像が脳裏によぎったが、それらはこの危機を脱するための手がかりを己の脳が過去の情報から必死に探そうとしている”走馬燈”という現象である事を、赤城てんぷは瞬時に悟っていた。
……だが、そのような状態に陥っても、最早既に間に合わなかったらしい。
極限の悲憤が、赤城てんぷの気高き精神を覆い尽くす。
灼け付くような熱さを脳裏に感じながら――。
――こうして、山賊なろう作家の青年:赤城てんぷは憤死した。
――2月23日・日曜日 ~~???~~
そこは、完全に”静”が支配する空間であった。
何もないはずの場所に発生した異物――そのような存在として、命を落としたはずの赤城てんぷは再び目を覚ました。
「ん……ここは、一体どこなんだ……?」
そう口にした赤城てんぷの視界に広がるのは、どこまでも透き通るような空間が広がる景色と、それとは真逆ともいえる捻じれた”気”のようなものが見える幻想的な場所であった。
そんな光景を目の当たりにしながら、赤城てんぷは生前に起きた悲劇とその結果として自身が命を落とした、という事実を思い出す。
――ならば、自分がこれから先に向かうのは、地獄か異世界か。
そのようななろうユーザー特有ともいえる自身の死亡時における謎の順応力を見せ始めた赤城てんぷ。
だが、そんな彼をもってしても予想だにしなかった存在が、突如眼前に姿を現す――!!
――それは、虹色の翼をなびかせる巨大な鳥であった。
その羽は研ぎ澄まされた刃を思わせるほどの光沢と鋭さを放ち、翼の周囲には絶え間なく鮮烈なる火花がいくつも飛び交っていた。
厳粛さと全てを深く見通すような眼光を持つ、神々しき存在――。
まさに、”神鳥”と形容するに相応しい姿を前に、思わず赤城てんぷが圧倒されかける――!!
「クッ……まさかコイツは、日本が誇る手塚御大が生みだしたとされる、火のと」
『――我が名は、神鳥:”アキヤラボパ”。……人の子から”新時代を切り開く翼”、”闇を打ち払う閃光”、――そして、”希望とともに到来する者”と呼ばれる存在である……!!』
赤城てんぷが何かを言い終わるよりも早く、"アキヤラボパ"という存在が高らかに己の名を告げる――!!
全身から放たれる絶対的ともいえる神々しさと、矢継ぎ早にもたらされる自意識過剰ともいえる通り名の数々を受けて、赤城てんぷの膝がガクン!と崩れかかる。
あらゆる不浄さや矮小さがつけいる隙など微塵もないと言わんばかりの、完成された"個"である上位存在の出現。
並の人間ならばこの神鳥の威容を目にしただけで、己の不出来さに打ちひしがれ心の底から屈服していたかもしれないが――それでも、この男が諦めるはずなどなかった。
それどころか、彼は何とか持ち堪えたかと思うと、アキヤラボパに向けて不敵な笑みを返す――!!
「へっ……神鳥だか何だか知らないが、上等だぜ!! お前が全ての頂点に君臨する光だというのなら! 僕の"BE-POP"な意思を持って!……その身に叛逆の星を刻みつけてやるッ!!!!」
衣食住には困らない形だけの快適な生活環境を与える代わりに、人々から意志の力を奪い取りシステムの歯車程度に扱う魂の牢獄:"現代社会"。
そんな暗黒の只中にありながら、例え"悪"を背負うことになろうとも、己の"BE-POP"な意思の力を持ち続ける事が出来た稀有なる存在――それこそが"山賊"。
そんなこの地上で唯一の"山賊"であるからこそ、例え相手が神の如き存在であろうと、赤城てんぷという男の意志が屈するはずなどなかった。
――"山賊"赤城てんぷと、"神鳥"アキヤラボパ。
両者の間に、一瞬とも永遠ともつかぬ重苦しい沈黙が横たわる。
互いに全く退かない睨み合いが続く中、先に言葉を発したのはアキヤラボパの方であった。
『――見事な胆力だ。それでこそ、この時代最後の"山賊"といえる。……そして、どこまでもその矜持を忘れなかったお前だからこそ、例え命を落としていようとも、私はお前に最後の希望を託す事を決めたのだ……!!』
「……最後の希望、だって?そりゃ一体どういう事なんだ?」
怪訝な表情を浮かべながら、アキヤラボパに尋ねる。
対するアキヤラボパは、無言のまま赤城てんぷに頷きを返したかと思うと、勢いよく翼を羽ばたかせる――!!
羽の動きに合わせたかのように、いくつもの火花が飛び散っていく。
やがてそれらが空中に集い始めたかと思うと、巨大なスクリーンとして鮮明な映像を写しだしていく。
「ッ!?は、はぅあ!?……こ、これは一体どういう事なんだッ!!」
赤城てんぷが、盛大に驚愕の声を上げる。
――そこには、赤城てんぷを持ってしても、到底信じられないような衝撃的な光景が広がっていた……。
アキヤラボパによって映し出されたのは、どうやら地上の様子であった。
現在日本では、海岸付近を中心に目を疑う光景が繰り広げられていた。
「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!四の五の言わずに、俺にブルマを履かせろッ!!」
「フフフッ……私が魅惑の足テクで、貴方達から根こそぎ絞りとってア・ゲ・ル♡」
「ブヒヒン♪俺様が誇る馬並みなサイズと魚の如きしなやかなテクニックを前に、激しくベッドの中で酔いしれろ!!……お望みなら、水中でも良いんだぜ?」
海からゾロゾロと姿を表したのは、膨大な数の"既にブルマを履いている半魚人"や、上半身が人間の女性で下半身が蛸の足で出来たような怪物:"たこわさお姉さん"、馬と魚の混成獣である"ヒッポカムポス"といった海を根城とする魔物達であった。
陸に上がった彼らは、スケベな動機をもとに人々に襲いかかっていく――!!
「オエェッ!?……クソッ!JKならいざ知らず、ムキムキな半魚人のブルマ姿とか変なモン見せられちまった!!……しゃーねぇ。今度からスケベDVDはスパッツ派の奴を借りる事にすっか……」
「ウワ~~~ッ!?メチャクチャ、気持ち良い~~~♡」
「嘘ッ!?……こ、この馬、カレシのよりも凄いかも……!!」
そのような人々の悲鳴が辺り一面に響き渡る。
地上が阿鼻叫喚の地獄と化す中、それでも海から来たりし災厄に立ち向かい続ける者達がいた。
「……皆様方、例えフグしゃぶにしろ戦闘にしろ時間をかけ過ぎない事が肝心なんでさぁ。――つまり、何事も迅速さが大事って訳でしてね……!」
「なるほど……これが職人魂に見る"漢"の生き様って奴か。なら、この企画に名乗りを上げた私達も負けていられないな!」
『応ッ!!』
現在地上では、海から来た侵略者の軍勢に対して、この道38年のベテランふぐ刺し職人:左部間 倫蔵と、『ヒーローランク』企画参加者のなろうユーザー達を中心に、現代人による抵抗勢力を築き上げながら瀬戸際で侵攻を食い止めていた。
理屈だけではない職人としての確かな技術と経験則、条理に囚われない力を発揮するなろうユーザー達の活躍によって、一時的に魔物達は撃退されていくが、このまま物量で攻められていけば全滅は不可避である。
人々は突如もたらされた災厄を前に、あまりにも絶望的で過酷な戦いを強いられる事になっていた……。
「……オイ、何だこれは!?どうして、僕達の故郷がこんな事になっているんだ!!……アキヤラボパ、お前は何を知っている!?」
悲惨な光景を目にして、激高する赤城てんぷ。
そんな彼に対して、アキヤラボパが重々しい口調で彼へと答える。
『この魔物達の軍勢は、地上の人間達のよこしまな感情から発生する瘴気に惹かれて、この地へとやってきたのだ。――そして、その原因となったのは去年にお前達"なろうユーザー"という存在が開催したある企画に起因する……』
「去年に"小説家になろう"で開催されていた企画?……ッ!?ま、まさか、"ヒロインランキング"の事なのか!?」
――"ヒロインランキング"。
それは、自分の好きな漫画・ライトノベル・アニメ・ゲームといった作品の中でも、特に人にオススメしたくなるほどの魅力を兼ね備えたヒロインを十名、順位付けて紹介するという企画である――!!
この企画から、ヒロイン目当てのスケベな男性なろうユーザーが集結するかもしれない……という危険性を感じた赤城てんぷは、自らこの企画に参加し、『安易な性的欲求を満たす女の子に満足させるのではなく、本物のヒロイン力を見せつける』作品を紹介する事で、彼らを改心させる事に成功した――はずであった。
「……だけど、それじゃあの企画に集った奴等のよこしまな感情を充分に晴らす事が出来ていなかったんだな。――クソッ!僕にもっと力があれば……!!」
己の不甲斐なさにギリッ……!!と、歯をくいしばる赤城てんぷ。
だが、アキヤラボパからもたらされたのは、意外な一言であった。
『否、そうではない。あの企画に参加した者達のよこしまな感情は、あの時点でとうに晴れている。――真の原因は、お前が紹介したヒロイン達なのだ。……赤城てんぷ』
「……僕が、紹介したヒロイン達が原因?それは、一体どういう事なんだ!?」
困惑を隠そうともせずに、詰め寄る赤城てんぷ。
対するアキヤラボパは、何ら動じる事なくその疑問に答えを返していた。
『そのままの意味である。――お前が紹介した作品のヒロイン達の力は、確かに企画に集った者達のよこしまな感情を打ち払うだけのモノを秘めていた。……だが、そのヒロイン達の過半数は彼らの性的欲求を上回るほどの"淫気"を放つ存在であり、それが同じような性質を好む海の魔物達を遠く離れている地上に招き寄せるほどの原動力になってしまったのだ……!!』
「ッ!?そ、そんな事って……!!」
赤城てんぷの身に、凄まじい衝撃が走る――!!
確かにアキヤラボパの言う通り、今思い返してみると、赤城てんぷが紹介したヒロインのほとんどがムチプリ♡とした身体つきと男の心をくすぐる言動をしており、見ようによってはドスケベクオリティ最前線!と、言えなくもないかもしれない。
……だがそれが、まさか"淫気"を催した魔物達を惹き付けるほどだったとは――!!
ショックに打ちひしがれる赤城てんぷに、さらなる追い打ちがかけられる――!!
『私はこの一年間、"淫気"に引き寄せられて地上に乗り込もうとしていた魔物達を食い止めるために、力のほとんどを使い果たしてしまった……残り僅かな力では現在のあの軍勢を押し留める事は出来ず、復活するためには長い年月を要する事になるだろう……』
「何てこった……じゃあ、これで完全に手詰まりだってのかよ!!」
良かれと思って参加した自分の"オススメヒロイン"作品が、自分が生きるこの世界を滅びに向かわせる原因となっていただけでなく、それに対抗する力を持ったアキヤラボパという存在ですら、最早限界を迎えようとしている……。
どこにも救いと呼べるものは見当たらず、心も折れかかっているはずだが――それでも、赤城てんぷは諦めずに闘志を燃やした瞳で地上の光景を見つめていた。
そんな彼に、なおもアキヤラボパが語りかける。
『この状況にあってもなお、諦めを知らぬ強靭な意志。それでこそ、私が選んだこの人界最後の砦たる存在:"山賊"である。――ゆえに、私に残っている最後の神力を、お前に託すとしよう……!!』
「最後の神力?……って、な、なんだ!?」
突如、アキヤラボパの全身が盛大に虹色に輝き始めたかと思うと、それは徐々に球体へと変化していく――。
……やがて、虹色に光る球体は小さく萎んでいったかと思うと、鶏の卵くらいの大きさで縮小を停止する。
小さな球体からフワリ……と、赤城てんぷの前に舞い込んできたのは、刃物のように鋭く尖った一枚の羽であった。
それを手にした赤城てんぷに、卵の方からアキヤラボパのものと思われる声が語りかけられる。
『これより我は、復活する時に備えて永き眠りにつく。だから、この先の地上の未来という"縄張り"は、お前自身で守り抜くのだ。――赤城てんぷ』
そう告げるのと同時に、一際眩い輝きを放ち姿を消失させていくアキヤラボパ。
その姿を目にしながら、赤城てんぷは強い決意とともに託された羽を握りしめていた。
「良いだろう……僕が紹介した"ヒロインランキング"によってこの惨状が引き起こされたというのなら!その"淫気"すらをも上回るようなとっておきの格好良いヒーロー達を紹介しまくって、絶望的な現実すら切り開いてみせるッ!!」
――今、終わりかけた世界を舞台に、人界最後の砦たる山賊なろう作家:赤城てんぷの熱き死闘が幕を開くッ!!!!
10位:伊黒 小芭内 『鬼滅の刃』 漫画
『鬼滅の刃』に登場する"鬼殺隊"に所属する剣士。
鬼殺隊には"柱"と呼ばれる9人の凄腕の剣士がおり、伊黒 小芭内は"蛇柱"を担当している。
私は、もしも、ファンアートとかで自分の自画像を書いてもらえるとしたら、
・男性の場合……『鬼滅の刃』の蛇柱:伊黒 小芭内さんみたいなネチネチした感じで。
・女性の場合……工藤 マコト先生の『不器用な先輩』の先輩みたいに、目がパッチリしていて厳しめに見えるけど、実は結構抜けていて割とすぐに照れたりするお姉さん。
みたいに描かれたい!と思うくらいに、最近は伊黒さんにハマっている。
後輩や嫌いな同僚には、ネチネチヘビみたいにいびるぞ〜!!
でも、恋愛に関しては蛇らしからぬ感じで一途にまっすぐ突き進むッ!!
でも、基本はやっぱりネチネチしたい。……ネチネチッ!
9位:遊佐 童心 『装甲悪鬼 村正』 ゲーム
戦後間もない"大和"の地で、暴政を繰り広げる"六波羅幕府"の最高幹部:"四公方"の一人である豪快な入道殿。
教養人・芸術人なだけでなく、優れた武人かつ政治手腕に長けた人物であり、優秀な能力と豪快な性格も相まって、老年に差し掛かっているにも関わらずメチャクチャ元気でやりたい放題しまくる。
女の子に「鬼畜!外道!!」と罵られているにも関わらず、「如何にもッ!」と笑顔で答えながらパンパン!昂ぶるとか本当に酷いよね。
でも大抵の男性は学生時代に童心様の豪快な言動や、もう一人の"四公方"である大鳥 獅子吼みたいに片目を閉じた状態でふんぞり返ったり凶悪な笑みを浮かべるのを真似したがる習性があるから、みんな多目に見てほしい。
あと、最終章における"四公方":今川 雷蝶様の存在はマジで『車輪の国』ばりの叙述トリック。
私もあまり気が合わない人とかに「この、陪臣上がりがッ!!」って、怒鳴ったりしてみたい。
そして、こんな濃すぎる面子をまとめ上げていた足利 護氏さんは、本当に優秀。(作中では部下達に比べると、あまりにも地味だが)
……って、肝心の童心様の話題はどうした!?
私はやっぱり、NTRな事する奴は潜在意識下では嫌いで、あまり認めていないという事なのか!?(爆)
8位:キクチヨ 『SAMURAI7』 アニメ
"野伏せり"と呼ばれる機械の身体を持った略奪部隊から、農民達の窮状を救うために立ち上がった最後のサムライ。
生身の身体を全て機械に取り替えており強靭な力を誇る。
お調子者だけど、農民達の弱さだけではく辛さやズルさも分かるし、決める時はキメる格好良いナイスガイ☆
……それだけに、巫女姉妹の幼い妹:コマチとのやり取りからの最終回までは、本当に必見ですッ!!
7位:ポップ 『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』 漫画
最初は格好つけのヘタレながらも、主人公のダイや仲間達と共に死線をくぐり抜けていった末に、精神面・実力ともに驚異的な成長を遂げた大魔導師!
本作におけるもう一人の主人公といえる存在であり、彼なくしてこの作品は語れないと言っても過言ではないですね!
でも、大人になったらポップもだけど、やられ役に見えて周囲の動きに細かく注意を配り、全体のために己の身で損な役回りも引き受けられるクロコダインの格好良さに惹かれるようになるかもしれない。
6位:坂田金時 『Fate/Grand Order』 ゲーム
イカした金髪とサングラス、そして、ハイパーマッスルが特徴的な子供達のヒーロー、それが坂田 金時様だ!!
第四章の時は、出番の仕方が唐突過ぎる気がしましたが、最終決戦では彼らしい漢気あふれる啖呵とそこに込められた激情に、思い出すと何度も目頭が熱くなる事不可避です……!!
ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!
ワイも、ゴールデン・八幡・ドライブに乗り込んで、迫りくる破滅に向かって豪快に駆け抜けていきたい!!
滅ボス、魔神柱、滅ボスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!(←みんなのヒーローどころか、締め切りに間に合わない怒りから狂戦士:カリギュラに変貌する赤城てんぷ)
5位:川村 ヒデオ 『戦闘城塞マスラヲ』 ライトノベル
顔が怖い事と感情が表情に出にくい以外にこれといった特徴のないネガティブ思考な青年。
就職面接も数十件続けて"不採用"という現実に打ちひしがれる中、『優勝すれば、どんな願いでも叶えられる』という"聖魔杯"という何でもありの大会に、即席でパートナーを組んだ"最新の精霊":ウィル子とともに挑んでいきます。(この大会は地球で最も繁栄した種族である人間と、それ以外の人ならざる者達が手を取り合う、という理念があるため、参加資格は人間とそれ以外の種族で組まなければならないから)
ヒデオは怖い顔つきとポーカーフェイスを活かしてのハッタリや相手の誤解もあり、なんと、無名の大穴から優勝候補にまで踊り出るまでになります。
そういう『周囲が勝手に主人公を最強と誤解していく』というのは、現在のなろうテンプレでも通用するところがありますが、それだけに、それらが全て通用しなくなってからの展開が本当にアツい!!
全てを擲ってでも全力を尽くすヒデオの姿は、本当に鮮烈で格好良いのです!!
学校や職場とかで行き詰まりを感じている人ほど、この燃焼感を味わって欲しい……!!
これは、そんな一作でありますッ!!(迫真)
4位:シェルビー・M・ペンウッド 『HELLSING』 漫画
英国無双、まさに漢の中の漢と形容する他ない、最高の臆病者。
自身を家柄くらいしか持たない"無能"と判じながら――いや、だからこそか、与えられた職務を命の危機が迫ろうとも、最後までやり遂げようという気高い意思の持ち主です。
部下達も皆それを理解しているからこそ、敵の吸血鬼舞台が迫り、ペンウッド卿が機械のコンソール一つ動かせない無能と知っていながらも、軽口を叩いて彼と命運を最期までともにします。
ペンウッド卿と部下達の信頼関係が眩しく映る名場面です。
3位:ボンドルド 『メイドインアビス』 アニメ
"アビス"と呼ばれる人類未踏の深淵に到達するために、子供達を実験台にするマッド・サイエンティストな人物。
この作品は、当初主人公の少女とロボットの少年が、困難に遭いながらも色々な人達との出会いを通じて"アビス"の先を進んでいく王道のジュブナイル・アドベンチャーだったのに、このボンドルド卿が関わる話になってから、他のものとは一線を画す"狂気"を帯びていく事になる。
"黎明卿"、"新しきボンドルド"という呼び名の通り、それまで人類が進めなかった場所を踏破した先駆者ではあるのだが、ボンドルドは現地の生態系を破壊する事もお構い無しで毒を散布・一帯を焼き払ったり、外国の身寄りのない孤児達を引き取り、彼らを対象に人体実験をするなど、目的のためには手段を選ばない危険な側面を持っている。
そんなボンドルドを突き動かすのは、"名誉"や"報酬"などではなく、『誰も知らないアビスの先を見たい』という純粋なまでの"好奇心"である。
そのため、彼は結果を出す事以外は度外視する傾向にあるのだが、彼の特筆すべき部分は人体実験の材料にする子供達ですら見下すことなく真摯に愛し、自身に敵対する相手ですら丁寧な物腰を崩さずに向き合うという、どこまでも(彼なりの)"人間愛"を忘れずに持ち続けた点である。
行き過ぎた"好奇心"と、それでも失くさなかった"他者への情愛"を持つボンドルドというキャラクターの存在感は凄まじく、自分を慕う子供達の想いを背負いながら死闘を繰り広げた先に、主人公達へと向けた発言は『あぁ……本当にコイツ人間辞めすぎていて、何を言っても分かり合う事は出来ないんだろうな』と、変な笑い声が出てくるほどでした。(苦笑)
ボンドルドとの決着のつけ方も含めて、この作品は一筋縄ではいかない魅力に満ちています。
2位:ラインハルト・ハイドリヒ 『Dies irae 〜Acta est Fabula〜』 ゲーム
"黄金の獣"と称された圧倒的な存在。
一つの国家すら壊しかねない力を持った異能の魔人集団:"聖槍十三騎士団"を率いる首領にして序列第一位、『"愛すべからざる光"』という魔名を持つ。
ある壮大な計画のため錬金術師にして副首領であるカール・クラフトとともに、日本の地方都市を舞台に"聖槍十三騎士団"の団員達による殺戮の恐怖劇を引き起こさせている。
傲慢とも捉えかねられない発言・振る舞いの中にも、謙虚さと相手を敬う姿勢を見せており、その在り方はまごうことなき王の風格を感じさせるほど。
――この世界で生きる全ての愛する者達のために、部下達の力を合わせてあまりにも強大な存在へと恐れずに立ち向かっていく。
……主人公に見えるだろ?
この作品のラスボスなんだぜ?……この御方。(至高のアヘ顔)
1位:第六天波旬 『神咒神威神楽』 ゲーム
全宇宙最強最悪の引きこもり。通称ウ○コマン。
行き過ぎた"自己愛"を能力として発現した波旬によってもたらされる宇宙規模の甚大な影響や、あまりにもふざけているとしか言えないチート性能。
そして、そんな自分の事しか興味がなく、他者という存在を塵芥同然にしか認識出来なかったゆえに引き起こされた、数多の悲劇と凄惨な所業の数々。
何か"憎い"とか"悪い"とかじゃなくて、波旬が生まれてきた事そのものが波旬本人とそれ以外の命ある者全てにとっての不幸で悲劇、としか言いようがない存在。
"自己愛"の権化で他者を必要としない存在のはずなのに、他者を煽っている時が一番楽しそうな正真正銘のゲスなんだけど、"自己愛"という行動原理のみで動いているため、一切の迷いや虚偽が入り込む余地がない。
絶対に現実に存在しちゃいけない部類の存在だけど、人間ここまで突き抜けられたらいっそう清々しいというか、『人生楽しいだろうな……』と、感じさせるほどの規格外な力を波旬の煽りは秘めている。
世界を救う英雄とかは割りといろんな作品にいると思うけど、実生活に行き詰まりを感じた時とかに、"善・悪"を超えて強制的に前へと向かせてくれた存在という意味では、5位に紹介した川村 ヒデオと並んでこの波旬が、私にとっての"ヒーロー"と言えるのかもしれませんね。
「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
アキヤラボパから託された羽をペンにして、赤城てんぷが自身のオススメする最強のヒーロー達の名前を書き記していく――!!
――アキヤラボパの羽とは、本来"火打ち石"として使用されていたという伝承がある。
そんな羽は現在赤城てんぷに使用される事によって、これまでにない性能を発揮していた。
鋭利な刃物のように新時代を切り開く力、火打ち石の如く人々の心に希望を灯す光。――そして、この先の未来も軽やかにペンで記していきたいという切なる祈り。
それら羽に付与された機能と、赤城てんぷの『この世界で生きるみんなを救いたい』というひたむきな想いが込められたヒーローキャラクター達の力が結びつき、今、極大の奇跡を起こす――!!
ギリギリの均衡で保たれていた地上の抵抗勢力は、敵の海洋侵攻部隊が誇る最終兵器である巨大な海蛇の魔物:シーサーペントの出現によって、壊滅の危機に瀕していた。
絶体絶命の最中、"ヒーローランク"参加者の一人が力なく呟く。
「クソッ!どれだけ力を振り絞っても、俺達みたいな"現代人"じゃここまでだって言うのかよ!?」
「……今ここに、赤城てんぷさんさえいてくれたら……!!」
それは、誰しもが思っていながら口にしなかった最後の一言。
諦めずにここまで来たものの、望みは完全に絶たれた。
後は敵によって、無残に蹂躙されるのみ……。
皆の脳裏に、そのような諦念が色濃く浮かび始めていた――そのときである!!
「ッ!?おい、あれを見てみろッ!!」
一人のなろうユーザーが、慌てて空を指差す。
皆が視線を移した先にあったのは、空間の亀裂ともいえるモノであった。
やがて、亀裂が大きな音を立てていったかと思うと盛大に砕け散り、中から鮮烈なまでの虹色の極光が放たれていく――!!
虹色に輝く極光は、人間や魔物の区別なく全てを呑み込んでいく。
だが、その神々しさを宿した光は、誰一人として害する事はなかった。
――それは、大事な家族・友人といった周囲の”縄張り”を守り抜くという誓い。
――それは、凌辱的な純愛劇を繰り広げたい!という理性や理屈では制御出来ない研ぎ澄まされた熱き”衝動”の塊。
――それは、新たな時代を切り開く事を夢見る”BE-POP”な意思の力。
そのような"赤城てんぷ"という人間の性質が深く組み込まれた光に包まれた事により、気づけば皆、種族や立場を超えて滂沱の涙を流していた。
他者を安易に排斥したり誰かの大切な存在を寝盗るのではなく、他者と手を取り合ったり陵辱的な純愛関係を結ぶ事によって繋がる事が出来る確かな"絆"の強さ。
そんなとても簡単な事だけれども、決して忘れたりなんかしてはいけなかった大切な事を思い出し、魔物達は自分達の行為を反省する言葉を口にしていく。
「例え、"淫気"を発生させるくらいにドスケベな作品だったとしても、それをもとに誰かを傷つけるなんて絶対に間違っていたぜ……俺はこんな過ちを繰り返さないという誓いを込めて、これからはブルマだけを履いて生きていくッ!!」
「……今回はムラムラしていたとはいえ、アンタ達陸の者に迷惑かけて悪かったね。……お詫びと言っちゃなんだけど、ウチの店に来てくれたらたぁ〜……っぶり♡と、サービスしてあげるわよ?ついでにその経験をもとに、宣伝になるようなレビューも書いてくれて良いのよ♡」
「ブルヒヒヒンッ!今度からは、海に泳ぎに来た子供達の事なども配慮して、そういうプレイは出来るだけ野外じゃなくて、そういうホテルで適切に愉しむ事にするんだヒ〜ン!!」
そのような熱き想いを口々に述べながら、魔物達が自分の生まれ育った原初の大海原へと還っていく――。
それとともに、一陣の爽やかな風が人々の間を吹き抜けたかと思うと、閉じかけていた次元の狭間から一つの人影が姿を現す。
彼こそが、あの全てを包み込む虹を描き出した稀代の山賊なろう作家――赤城てんぷ。
職場での憤死以降、二度と自分達が会うことなど出来ないと覚悟していただけに、予想だにしていなかった彼の復活を前に皆たまらず絶句する。
だが、細かい理屈は分からずとも、自分達――ひいては、この地上で生きる全ての者の大恩人となった赤城てんぷに向けて、いっせいに歓声が湧き上がっていく――!!
「俺達と、この世界を救ってくれてありがとう!!赤城てんぷ!」
「キャー、素敵!!抱いて〜♡」
「……チャーハン、おかわりィィィィィィィィィィィィィィッ!!」
「フン、随分とまぁ、やって来るのが遅いではないか。……まぁ、良い。それでは、労いの意味を兼ねてとっておきのジンギスカン鍋をお前に振る舞ってやるとしよう。……もちろん、猫マヨネーズをそえてな?」
「お客さん、馬鹿言っちゃいけねぇや。――赤城てんぷさんは、あっしが捌いたふぐ刺しを召し上がってもらうんでさぁ……!!」
調和と陽気さを取り戻した地上が、盛大に賑わいを見せていく。
長い道のりの果てに、ようやくこの光景に到達する事が出来た赤城てんぷは、自身が守り抜いたこの世界の人々を満足そうに見つめる。
そんな彼に向けられた称賛と拍手は、彼らのそんな最大限の想いを伝えるかの如く、いつまでも盛大に鳴り響いていた――。
〜〜Congratulation!!〜〜
――世界を救ってくれて本当にありがとう、赤城てんぷさん……!!