表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森の中で  作者: 蘇芳 誉
8/24

8

マリウスさんのおじい様は、

「マリウスの婚約者なら、身内も同然。クレアと呼ぶからな。私のことは、おじい様と呼んでくれ。クレアとの婚約を報告しないとな。瞳の事は伏せて伝えるから大丈夫だろう。あと、護衛も考えないとな。何かあったら、遠慮なく言うんだぞ?」

「でも、マリウスさんのおじい「ジョバンニでもいいぞ!」・・・」

はぁ。呼ぶまでゴネそうな感じがするので仕方ない。

「ジョバンニさん、でいいですか?」

「あぁ、可愛いなぁ。今度、一緒に出かけような。楽しみだなぁ。連れて帰りたいなぁ。やる事があるから帰るが、また会いにくるからな!クレア、マリウスを頼むな。」

ルークさんを連れて帰っていきました。

ロンドさんも、

「僕は、ギルドに戻るね。急ぎの用事があれば、持ってくるよ。」

と、戻って行きました。

2人になると、ふぅーとため息をついてしまいます。

「すまないな。いきなり婚約なんて話になって。驚いただろう。嫌なら結婚しなくていいんだぞ?クレアが成人するまで、仮の婚約者でも構わないんだ。心配しなくても、ちゃんと守るから安心しろ!」

「んー、嫌じゃないから大丈夫よ?マリウスさんこそ、好きな人できたら、他の人からじゃなくマリウスさんの口から直接教えて下さいね?約束よ?」

「わかった。ところでクレアは、今どこに住んでるんだ?」

「森の中だよー。」

「森の中って、野宿か?」

「違うよ。ちゃんと家に住んでる。」

「森の中じゃ、守れないな。ここで、一緒に住まないか?俺か、ロンドがいるから、安全だぞ?」

「うーん、嫌とかじゃないんだけど・・・ちょっと急すぎて・・・」

(フェンリルの事とか言えないし、どうしよう)

「そうか、じゃあ、準備ができたら引っ越してくればいい。」

「んー。ねぇ、マリウスさん。マリ・・ジョバンニさんから、もらった布で何か作ってほしいものある?」

話題をかえます。

「そうだなぁ。特に思いつかないなぁ。思いついたらでいいか?」

「ん。わかったー。」

(2人で出かければいいと言っていたけど、デートするって事だよね?前世でも、高校に入学したばかりだったしね、彼氏なんていたことないからなー。好きな男の子もいなかったから、どうしたらいいのかわかんないんだよねー。でも、私と出かけて婚約者に見えるかな?)

「マリウスさん、はたからみたら、私達って婚約者に見えないと思うの。どうしたらいいのかもわかんないし。ただ、これからお互いの事を知っていけたらと思うの。だから、いろんな事を話そう?好きな色とか、食べ物とか何でも・・・ダメかな?」

「ダメじゃないぞ!俺達は、知り合ったばかりだからな。お互いを知る事は大切だし、周りにもわからせないといけないから、一緒に出かけよう。困った事とかあったら、言ってくれ。」

「そうですね。頼りにしてます!」

「あぁ。」

いつもは、無愛想な顔だけど、フッと笑ったときは優しい顔になります。

なんで婚約者がいなかったんだろう?

お昼をすぎていたので、2人で食べに行きます。

本当は、作ろうと思ったけど、何も無かったんだよねー。

ロンドさんと2人、食事は食べに行くだけで、家で作らないって・・・

婚約者だから、手を繋ごうと言われて、

なるほど、それもそうだねと、繋いで歩いたけれど、仲の良い兄妹にしか見られない。

とほほ・・・

マリウスさんが、よく行くお店でランチして、野菜や、パン、お肉、調味料、フライパンにお鍋、包丁を買って戻ります。食器はあるそうです。

なぜ、食器だけあるのかなぁ?

男の人って不思議ねー。

戻ったら、スープを多目に作ります。

男の人だから、お肉はステーキとかのほうがいいだろうけど、自分で焼けるかなぁ?

「マリウスさん、お肉は自分で、焼けますか?

食べる時に、焼いた方が温かいお肉が食べられるし、冷めてたら美味しくないでしょ?」

「あぁ、肉を焼くくらいはできる。冒険者をしていた時は、肉を焼いて食べてたからな。」

「じゃあ、肉は食べる時に焼いてね?パンと、スープは温めればいいし、サラダは食べる時に、コレかけて食べてね。」

「これは?」

「ドレッシング?んーサラダを美味しく食べるタレ?みたいなものかな。味がないと、食べにくいでしょ?好みじゃなかったら、無理しなくていいからね!」

「わかった。食べるのが楽しみだ。」

「ロンドさんと仲良く食べてね!じゃあ、帰るね。」

「送って行こう。」

「森の入り口まででいーよ。森の中は、安全だから。」

「いや、家まで送る。」

「ありがとう。でも、入り口までだよ。私は、大丈夫だから、マリウスさんも気をつけてね?」

森の入り口まで、話しながら歩きます。

入り口についたら、

「ありがとう、マリウスさん。気をつけて帰ってね!」

「本当にここでいいのか?」

「うん、大丈夫だから。ありがとう。また、明日ね!」

「あぁ、気をつけてな。」

手を振って別れます。


婚約したこと、これからどうしたらいいのか、

フェンリルと話さなきゃ。

森から離れても大丈夫なのかなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ