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森の中で  作者: 蘇芳 誉
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さて、今日から森の家で暮らします。


食材や調味料も買ってきたので、料理をする。

孤児院では、1日2食朝と夜しか食べれなかったからか、あまり成長していない。

まだ、成長する可能性があるから、3食しっかり食べなきゃね!

森で見つけたハーブなどを使ってスープを作る。

あとは、パン。

採取だけじゃ、生活がギリギリだね。

何か考えないと。

あと、お肉とかほしいけど、動物を殺すのも、仮に殺したとしても解体できないし無理だな。

でもお肉買う余裕はないし・・・

あっ、フェンリルに聞いてみよーっと。

「フェンリルー!」

呼ぶと、どこからともなく現れた。

『なんだ?』

「あのね、お肉欲しいんだけど、私動物殺せないし、解体できないの。どうしたらいいかな?」

『狩るのは、我ができるが、解体はできんぞ?』

「うん、わかってる。狩りはお願いしていい?

ギルドで解体お願いできるかな?あまり大きくないのでお願い。」

少しして戻ってきて、

『これでいいか?』

と、

ウサギと鶏のような鳥を2羽狩ってきてくれた。

「ありがとう。ギルド行って解体教えてもらってくるね!」

フェンリルが森の入り口まで送ってくれた。


ギルドのロンドさんのところに行って、解体を教えて欲しいとお願いする。

すると、解体場に案内してくれて、解体を教えてくれる人を紹介してくれた。

中々上手くできなかったけど、何とかできて、

お肉は1羽ずつもらって残りは買い取ってもらう。

慣れるまでは、解体大変だよ。なんか臭いもするし。洗濯して、臭いとれるかなぁ。

帰ろうと思ったら、ロンドさんがお願いがあるって言ってきた。

「臭いが気になるんですけど、このまま話して大丈夫ですか?」

「うん。クレアちゃんが気にするほど、臭ってないから大丈夫だよ。」

「それならいいですけど・・・お願いってなんですか?」

「あー、えっとー、あのさ、僕にハンカチくれたよね。その、ハンカチを欲しいって言う人がいてね。気にいってるし、僕の名前が入ってるからあげる気はないんだ。でも、しつこくてね。顔見るたびに言われるから、いい加減鬱陶しくてさ。

だから、クレアちゃんに刺繍してもらえたらと思って。もちろん報酬は払うけど、無理ならいいんだよ。時間かかるだろうし。無茶は言えないからね。」

「あの、欲しがってる人って、ロンドさんのお友達とかですか?」

「いや、ここのギルドマスターだよ。」

「えっ?」

「そうだよねー。無理しなくていいよ。ギルマスには、言っとくし、ハンカチは渡さないから安心して。」

「あの、私ギルドマスターさん知らないんですけど・・・ご迷惑をかけてるみたいで、ごめんなさい。でも、聞いていいですか?ロンドさんに、ハンカチを渡した私が言うのもなんですが、あの、恋人とか奥様とかに刺繍してもらったほうがいいんじゃないですか?」

「うっ、どちらもいないから・・・」

「そうなんですか?んー、わかりました。ギルドマークでいいんですよね?」

「いいの?助かるけど、無理しなくていいんだよ?」

「大丈夫です。手芸は好きなんで。できたら、持ってきますね。」

「ありがとう。助かるよ。報酬は、ギルマスにふっかけるから安心してね。」

「じゃあ、帰りますね。」

「うん。ありがとう。気をつけて帰るんだよ。」


お肉は手に入ったので、臭いは我慢して、刺繍糸などを見にお店に行きます。布や糸など、必要な物を選んでカウンターに持っていくと、カウンターにいるおばさんの後ろに、ハギレが沢山あるのがみえます。

おばさんに、

「あの、そのハギレも売り物ですか?」

と聞くと、

「ん?これかい?これは小さかったり、長細かったりで売り物にならないんだよ。なんだい?欲しいのかい?」

「ええ、まぁ。何か使えないかなぁと思って。」

って、本当は、パッチワークができるなぁと思ってるのですが。

「使いようがないと思うけど、いるならやるよ。

袋あるかい?」

エコバッグがわりに作ってカバンにいれてた吾妻袋をわたします。

「へぇー。こんな袋あるんだねー。あんたが作ったのかい?」

言いながら、袋にハギレをいれてくれます。

1つじゃ入りきらないので、もう1つ出していれてもらい、必要な布などを買います。

「ありがとうございます。何かできたら、もってきますね。」

「何ができるか、楽しみにしてるよ。また、買いにきておくれ。」

必要なものも買ったし、帰りますか。

森に入ると、フェンリルが迎えにきてくれます。

家に帰って、歌います。

覚えてる歌を歌ってるけど、今のところ大地讃頌が1番いいみたいです。

飽きるけど、森が元気になるならと、歌ってます。

臭いが気になるので、お風呂に入り、服も洗います。髪を乾かして、洗った服をほしたら、

お肉を一口大に切って、塩とハーブを揉み込んで少しおきます。

あとは、フライパンで焼いて出来上がり。

醤油や味噌を見つけられてないので、味付けも変わりばえしません。仕方ない事だけど・・・

まぁ、あまりレシピも知らないんだよねー。

お菓子作りはしてたけど、料理は家庭科で習ったくらい。お母さんに教わってればよかったなあ。たまに作ってたのは、カレーにシチューにハンバーグとか、唐揚げとか他にもあるけど、そんななんでも作れない。レシピ本は見たことあるけど、調味料の比率とかは試行錯誤しながら、作るしかないかな。

それでは、刺繍をしますかねー。ささっと終わらせて、パッチワークをやりたいよねー。

あっ、ギルマスの名前聞いてなかった。まぁ、名前なくてもいいよね。

パッチワークは、お店のおばさんに持っていくから、小さいものだよねー。お財布がわりの小さな巾着を作って持っていこう。ハギレの量からして、ランチョンマットとかかなー。

あと、この家にあった本も読みたいんだよねー。

森で採れる薬草や木の実や、キノコの見分け方とかの本かなぁと思ってる。

手仕事なのに、ミシンで縫ったように綺麗に早く縫える。嬉しくって、色々作りたくなるよ。洋服も作らないとね。

やっぱり採取より、解体したお肉や毛皮などのほうが、報酬は良かったなぁ。希少な薬草も高かったけど、毎回持っていくわけにはいかないものね。頑張って解体して、買い取ってもらうしかないのかな。でも、たくさん持っていけないし・・・やっぱり地道にコツコツと頑張るしかないかなぁ。

フェンリルに、お願いしよう。

「フェンリルー!」

『なんだ?』

「明日から解体の練習するから、また狩りお願いしてもいい?あと、今日の鳥?は卵産むの?産むなら、家の近くで飼いたいんだけど。」

『フン、狩りはまかせろ。あの鳥は、卵はうむぞ。住処を作れば、何羽か連れてこよう。』

「住処・・・無理だわ。あと、砂糖とかないよね?ミツバチから、蜂蜜分けてもらえないかな?」

『お前は、何をする気だ?』

「んー?ちょっとお菓子食べたくなって。だから、作ろうかなぁと。フェンリルも食べる?」

『お菓子?食べていいのか?なら聞いてみよう。期待はするなよ。』

「うん、無理ならいいよ。一応、瓶渡しておくね。」

袋に入れて、フェンリルの首にさげます。

フェンリルが言えば、ウルスが開けたり閉めたりしてくれるでしょう。

ウルスは、森にいる熊のこと。

フェンリルと森の中を見てまわってたら、いたんだよねー。

フェンリルみたいに、会話できないし熊って呼ぶのもなんか違う気がして、勝手にウルスとつけたんだよね。フェンリルとは話せるみたいだから、

まぁ、フェンリルに任せよう。


翌日、フェンリルが狩ってきたウサギと鳥を、ギルドで教えてもらった通りに、血抜きして解体していく。フェンリルに送ってもらう途中で採取して、また送ってもらう。

ギルドで買い取りしてもらって、食材を買って帰る。

食事の用意をしてから、刺繍をしていく。手の進みが早いので今日中にはできそうだ。

あまり早く持っていってもなぁ。でも、渡すまでロンドさん言われるのかなぁ。おばさんに持っていく巾着と一緒でいいかな。

模様が入ってない無地の布ばかりだから、色の組み合わせが難しい。パターンは、アイリッシュチェーンでいいかな。

フェンリルが、蜂蜜を持ってきた。渡した瓶に

思ったよりはいってた。

「ありがとう。早速作るね。」

小麦粉やバター、蜂蜜などをまとめて丸い棒状にしたら、10分程冷やし、5ミリ幅に切っていく。

あとは、オーブンで焼いて粗熱をとれば出来上がり。

こちらでは、初めて作ったけど、こんなもんでしょう。明日、ロンドさんに持っていく分を少し取り分けて、

「フェンリルも食べてー。クッキーだよ。」

『フム、そこまで甘くはないな。』

いいながらも、食べてるね。

「気にいってくれた?また、作るね。」

『フン、まぁ、作ったなら、また食べてやる。』

「うん、美味しいっていってもらえるように頑張るよ!」

お風呂に入って、食事をしたら、少し早いけど寝ます。

おやすみなさい。


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