プロローグ
気が付いたら俺は、砂浜の波打ち際で倒れていた。
起き上がって周囲を見渡す。
「なんで・・・?」
俺は残業を終えて、家に帰る途中だったはずだ。
こんな、南国風のビーチサイドで寝転がってるはずが無い。
だが、現実に目の前に広がっているのは広大な砂浜にエメラルドグリーンの海。
人はまったくいない・・・
太陽がまぶしいぜ・・・
「いやまて! さっきまで夜だったろ! 町の中だったろう! どうなってるんだ・・・」
誘拐? 拉致? ワープとか? まさか・・・異世界転移とか?
まてまておちつけ俺! 短絡過ぎるだろう落ち着くんだ!
よし、自分は誰だ? 俺は大庭士朗。
何の変哲もない、ごく普通の、26歳の会社員だ。
では、ここは? ここは・・・ココは・・・
まずは周囲をよく観察しようじゃないか。
何か手がかりが掴めるかも知れない・・・おや?
抜けるような青空の中、何か銀色の板のようなものが飛んでいるのが見える。
形はスイミングボードみたいな・・風に飛ばされているのか?
・・・違う! 明らかに飛んでいるぞ!
こちらに向かって飛んで来ている!
そいつは俺の近くまで来ると空中で停止! してなにやら話し出した。
「××××××××! ××××?」
何言ってるのかわかんねぇ・・英語? じゃないよな・・
フランス語でもないっぽい。
まぁ英会話もフランス語会話もできないんですけど!
いやそれよりもこいつどうやって飛んでいるんだ?
しかも空中で止まっているぞ・・?
「えっと・・俺も自分がどうしてここにいるのかわからないんですけど・・・」
とりあえず話しかけてみるとそいつはまた何か言ってきたがまるでわからない。
しばらくたつと、そいつは静かになってしまった。
話しかけても反応しない。どうすりゃいいんだコレ。
ところで・・この謎物体だけで判断するのは早計過ぎるかもだが、
何となく、異世界っぽくないか?
こいつ、何か不思議な力で飛んでる気がするし?
こいつの事はもちろん気になるが、なんか、空中で止まったまま動かなくなったし・・・
ここが、もし異世界ならば・・・とりあえず、例のアレを試してみたい。
「よし! ここはひとつ、試してみるか!」
そう異世界ときたらアレ! ステータスだ! 異世界ときたらまずコレだろう!
「ステータスオープン!」
大庭 士朗
スキル シフト タイムコントロール フォーチュナテリィ
「キタ! やはり異世界なのか! そうなのか! これはもしやチート・・・うん?」
何か、おかしくないかコレ?
二話続けて投稿します。