表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蔵書一万冊を多分超えるであろう元書店員のお勧めマンガ  作者: 草野猫彦


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/39

その十五 スプリンター  小山ゆう 小学館

有名な作家のマイナーな作品を。

 漫画家の大半は一発屋であるが、中には長年ヒット作を飛ばし続ける御大もいる。ヒット作とまでは言わないが、長年活動している多作の作家もいるのである。

 古くは手塚治、現代であれば浦澤直樹、細野不二彦などがぱっと浮かぶが、少年誌でヒット作を出し続ける作者はほとんどいないし、逆に少女マンガでは佳作を連発する作家が多い傾向にある。

 個人的には少年漫画から青年漫画に行く人が一番長生きのような気もする。

 さて、今回取り上げる漫画家は小山ゆうである。


 あずみの人か、と最近の人なら思うであろう。映画化もした長編である。

 しかしこの人も元は少年誌で描いていて、俺は直角やがんばれ元気などでアニメ化もしているのである。


 基本的に主人公は天才のマンガを描く人であるが、その中でも少し異色なのがこのスプリンターであるのだ。

 題材は、100メートル走。いまだに日本人が10秒の壁を突破していない競技である。

 天才であっても人種の壁というか、黒人が圧倒的な優位を誇る競技であり、そんな中で主人公を日本人の少年にしたというところで、普通なら無理がある。

 しかし小山ゆうはその問題を、脳内物質の分泌による肉体の限界突破という手法で乗り越える。


 あ~るを読んだ人なら分かるだろうが、100メートルの間に主人公は光に包まれ、神の領域に触れるのである。

「おお、素晴らしい。神よ」という台詞は見事にパクられている。

 根性や努力ではどうにもならない筋肉の質の差を、脳がかけているリミッターを解除するという手段で突破するのだ。


 この手段は主人公以外の競技者も何人か用いるのだが、あまりの負荷によって再起不能になる者まで出現する。

 人類の限界の突破と、その手法は当時としてはかなり新しいものであったろう。

 人間ドラマも大きな波があり、主題にアクセントをきかしてくれる。

 最後に主人公がどうなるのか、それは見て確認するしかない。


 もっとも今では、amazonぐらいでしか手に入らないだろうけどね!

個人的には「愛がゆく」をすすめたかったのですが、手元にないもので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ