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毒吐く女の恋愛事情  作者: 黒猫
合コンが地獄に変わる時
1/2

7月7日(火)22時ジャスト。

今日は記念すべき、私、片宮栄子(32歳)の30回目の合コンだった。


結果?

えぇ。そりゃもぉ・・・


「片宮さんって、1人でも生きていけそうな空気醸し出してるよねぇ!」

「俺、上司にいたら絶対声かけらんないわぁ」

「強そう。生きる力っつーの?」


何なの?生きる力って。

髪型ばっか気にしているあんたらに、生きる力があるわけ?


こういうのを「惨敗」というのだろうか。いや「地獄」?

とにかく、この空間に私のことを女の子として扱ってくれる男はいなかった。


それもそうか。

20代前半の後輩たちに無理やり連れてこられた合コンだ。

30代の私の立場なんて、あるはずがないのだ。


「30代の男性もいますからぁ!!」

という甘い罠にかかった自分が悪い。

苦笑いと曖昧な返事を駆使し、私は今、何とかこの地獄から脱出してきた。



本当に、世の中は残酷だ。

少し前までなら、合コンに行けば「若い」だの「可愛い」だのと、ちやほやされてきた。

私は男側を選び、誘いに乗ったり、時には邪見にも扱っていた。


それがどうだ?

30という巨大な壁ができた途端、選ぶ側から選ばれる側へと転換する。

あっという間に・・・

あの頃の輝いていた自分が蜃気楼のように消え、気が付けばそこは砂漠一色。


誰か、水を・・

喉が・・乾く・・・


誰もくれない。

もう、誰も与えてくれない。


30過ぎたら女は、自分からオアシスを探しに行かねばならぬのだ。


20代の頃、先輩たちが話していた意味をやっと理解する。

「早いとこ彼氏作っておいた方がいいよ!」

「あっという間なんだからねぇ」


やっと理解した頃には、私は



「1人で生きていけそうな女」カテゴリに入れられていた。

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