今日も明日も明後日も
ポトの街から王都へと戻り、気づけば数日の時が流れ、いつも通りの時間が流れ始めていた。
朝起きて、仕度をして、ギルドに行ってギルドで依頼を受けてこなして。夕食をギルドで食べる事もあればボルスの酒場で食べる事もある。
こうして一日の殆どを過ごすと、後は自身の部屋に戻ってベッドへ一直線。次の日の備えて英気を養う。
そして、夢の世界から現実の世界へと意識を覚醒させると同時に、今日も新たな一日が幕を開ける。
「おはようございます、ショウイチさん」
身支度を整え部屋を出ると、丁度同じく部屋から出てきたレナさんと顔を合わせる。
そしてそのまま二人並んで一階へと降りていく。
昨晩の賑わいが嘘のように朝は静かな一階へと降りると、マスターに挨拶を交わして朝食を頼む。
「おはようっす」
「ショウイチ、レナお姉ちゃん、おはよう!」
頼んだ朝食が出てくるのを待つ間、レオーネやカルル等次々とパーティーの面々が降りてくる。
こうして賑やかさが増すと同時に朝食が目の前に置かれ、賑やかな朝食が幕を開けた。
「レオーネ、パンとチーズって一緒に食べると美味しいのか?」
「何言ってるんっすかカルル! パンとチーズの組み合わせはジャスティスっすよ!」
「レナさん、フェルだけでなく私にも『あーん』をお願い……」
「ならレナさんの代わりに自分がやってあげよう。なに、リッチ4世さんなら皿一杯分ぐらい平気だよね」
「おほほ、どうしたんでしょう。急に一人で食べたくなってきました」
楽しい雑談ややり取りを経て、賑やかな朝食はその幕を閉じる。
朝食を終え少し休憩を挟むと、ボルスの酒場を後に一路本日の仕事を探しにギルドへと赴く。
同業者から商人、旅人から住民までいつもの様に賑わう通りを歩きギルドへと足を運ぶ。
ギルドの門を潜ると、様々な格好をした同業者達の姿が目につく。しかし、その中に知り合いの同業者の姿は無かった。
ま、朝でも昼でも、あまり聞かないが夜でも仕事始めの時間は各々の判断だ。前日にでも約束していれば別だが、偶然に出会う確率はそれ程高くはない。
あ、知り合いの数が増えればその確率も自然と上がるか。
等と考えつつも、依頼掲示板の前までやって来ると、本日の仕事を選び始める。
「あ、これなんてどうですか?」
程なくしてレナさんが目に留めた依頼を確かめ、全員が納得したので本日はこの依頼を引き受ける事に。
「少しお待ちください」
カウンターでオルファーさんに今回引き受ける事にした依頼の手続きを行ってもらい、手続きが終わるのを待つ。
「では、お気を付けて」
「ありがとうございます」
程なくして手際よく手続きを終えると、必要な書類等を受け取り、オルファーさんの声に見送られながらギルドを後にする。
ギルドを出ると、今日も燦々と輝く太陽の光が襲い掛かり、一瞬目を細める。
しかしそれもほんの一瞬の事、直ぐに目が慣れると、今回の依頼を遂行する場所へと向けて足を進める。
「さ、今日も頑張るか」
「そうですね」
「張り切って行きましょうっす!」
「オイラも頑張るぞ!」
「ワンッ! ワンッ!!」
「ほほほ、そうですな。皆様、頑張って下さい。私はちょっと一眠りしながら皆さんの頑張りを応援しております」
今日も新たな仕事の幕が上がった。それは新たな出会いや発見、もしくは予期せぬ遭遇が訪れるかも知れない。
しかし、期待も不安もすべて含めて、それはこのエルガルドで始まった第二の人生のほんの一部。
これからどんな事が待ち受けているのかは分からない、が。人生とはそんなものだ。
レナさんやカルル、レオーネにリッチ4世さんにフェルがいれば、どんな事でも乗り越えられる。そう信じていれば案外乗り越えられたりするものだ。
焦っても仕方がない、自分は自分のペースで進もう。
と言う訳で、今日も一日頑張るか。
読んでいただき、ありがとうございます。
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