アウラ、おねがいする
「まったく…あの方らしい。」
私はもらったお手紙をみなさんに読んでもらいました。
たった1行のお手紙ですけどじいじの人柄がすごく伝わってきます。
「それでアーちゃん、王都に行くの?」
「エリー、そうですねぇ。」
じいじには会いたいし人族の王都も気になります。
正直……めちゃくちゃ行きたいです!
「行ってみたい…かな?」
「えー?ジジイなんてほっときなさいよ!」
ソフィー姉さま、じいじには厳しいですね。
「ふむ、カルナザルガードもそこそこに仕上がってきたところだ。いいのではないか?」
ダカン父さま!
「でも今すぐって訳にはいきませんね。」
「孤児院の件だな。」
「はい。」
今、カルナザルにある孤児院は三軒。
人族と獣人、エルフの孤児院です。
あ、誤解しないで下さいね?
みんな仲良くない訳じゃないのです。
人族はともかく、獣人やエルフはそれぞれに習慣などが違いますからコミュニティとしては分けた方が良いとダカン父さまがおっしゃったからです。
三軒の孤児院合同で赤芋の植え付けもする予定ですし。
孤児院には住まなかった子供たちもコミュニティがはっきり分かれたおかげで寝床を得ました。
それがこの冬に悲しい出来事が無かったカルナザル最大の進歩だとダカン父さまは呟いていましたね。
「そうです。赤芋の植え付けやお勉強、職業訓練もさせてあげたいですから。」
ダカン父さまと私が目指すのは子供が笑って暮らして行ける領地運営なのです!
「うむ!それについてだがな、ハウエルはカルナザルガード全員投入と張り切っていたぞ?」
「ええ?」
ハウエルさんは騎士団長を辞めてカルナザルガードの隊長に就任しました。
近衛や騎士団のみなさんには泣き縋られたみたい。
それでもハウエルさんは
『ロマンが俺を呼んでいる、行かせてくれ!』
と、熱く説き伏せたそうです。
「赤芋についてはカルナザルガードのみなさんにお手伝いして頂けるのは助かりますけど…」
にやり。
ダカン父さまが珍しくドヤ顔です。
「学問の方も問題ない。引退した文官の爺さんたちが手を挙げてくれたのだ。」
なんと!
カルナザルの政務を行ってきた歴々のおじいちゃんたちが子供たちにお勉強を教えてくれるのですね!
「アーちゃん、凄いね!何だか私、とっても嬉しい!」
エリーがお日様の様な笑顔で私の手をとります。
「あー!エリーおねーしゃんじゅるいー!」
「そうよエリー!みんなのアーちゃんなんだからね!」
ヒーちゃんとソフィー姉さまに抱きつかれます。
今、私の中はなんだかとってもポカポカしてます。
春が来たのかな?




