イメルダ、戸惑う
お久しぶりです。
再開しました。
久しぶりにログインしてみると待ってくださっている方からのコメントが……
更新は激遅になると思いますが少しづつでも書いて行こうと思います。
ありがとうございます。
エリザベート殿からの治癒が終わり幾何か痛みは残るものの、私は思考する。
傍らには愛しき娘。
「おかーしゃん…むにゅ…」
私はヒルダの髪を撫でる。
この子の髪はこんなに美しかったのか。
手に流れる愛しき娘の銀髪を見て私は思う。
この子は大事にされていた。
その事がよく判る。
私以上にこの子を愛している者はいない。
が、それは本当にこの子の為?
私の独りよがりではなかったのか?
仕事の為と家を空け、あのクズにヒルダを任せた。
この子は相当の仕打ちを受けていたはずだ。
仕事を言い訳にクズとこの子の変化に気付きもしなかった。
そしてこの始末。
真にこの子の為を思うなら私はヒルダから離れるべきではなかった。
しかしそれでは暮らしがままならない。
あのクズは私より稼ぎが悪かったからなぁ。
思えば思うほどあの白いはぐれの言葉が蘇る。
私は…
如何すればヒルダを幸せにしてやれるのか?
「おかーしゃん…ねぇね…」
ふふ。
良いな。この感じ。
「だいしゅきよ…」
私もだよ、ヒルダ。
良い夢をー
そっと額にくちづけをして私も瞼を降ろした。
~翌朝~
「ねぇね!おあよーごじゃいましゅ!」
「ヒーちゃん、おはよう。今朝はご機嫌ですね!」
「あい!おかーしゃんがいるから!」
ふむ、イメルダさんのケガは大丈夫そうですね。
よかった、よかった。
って私がケガさせたんですけどね。
「イメルダさんも、おはようございます。」
「う、うむ。お、おはよう…」
あ、やっぱり気まずいですよね?
「と、とりあえず朝ご飯です。皆さん待ってますよ!」
「きゃー!ごはんー!おかーしゃん、はやくいこ?」
ヒーちゃんは通常運転です。なんかほんわり。
「あ、ああ。こ、こら!そんなに引っ張るな…」
ヒーちゃんはグイグイとイメルダさんを引っ張って『家族の間』へ。
私も後から着いていきます。
「あら、ヒーちゃんおはよう。」
「ソフィーおねーしゃん、おあよーごじゃいましゅ!」
皆さんお揃いです。
「あら?そちらの方がヒーちゃんの?」
「はい、姉上。ヒーちゃんの母上、ヒルダ殿です。」
さらっとエリーによるヒルダさんの紹介。
まあギュスターヴ家では割と普通です。
「おかーしゃん!ここ!ここにすわって!」
ヒーちゃんは自分をイメルダさんと私に挟ませるポジショニングをとります。
ソフィー姉さまのお席が…
でもソフィー姉さまはとってもいい笑顔。
ヒーちゃんが嬉しそうなのが嬉しいみたい。
「あらあらまあまあ。綺麗な女性ねぇ。でも…」
マリア母さま?
「いいえ、今ではないわね。さあ、朝食にしましょう。」
「うむ。ハインツ、頼む。」
「畏まりました。」
ハインツさんとメイドさんたちの手で食卓にお料理が並びます。
あれれ?
今日は少し豪華ですか?
「やった!ねぇね!おむれちゅだよ!!」
「うん。ハインツさんのオムレツは最高なのですよ!」
私のテンションも上がってきました!
「…白いの。」
「アウラです。」
……
「あ、アウラ殿…」
「なんでしょう?」
「いつもこんな豪勢な飯なのか?」
「いいえ、いつもはもっと質素ですよ。」
イメルダさん、配膳されたメニューに驚いていますね。
「あー、今日は特別だ。ヒルダの御母堂が参られたのだ。それなりのもてなしはせねばなるまい?」
ダカン父さま、男前です。
「ほらほら、冷めないうちに頂きましょう。ねぇ、ヒーちゃん?」
ヒーちゃん、オムレツをガン見です!
「それじゃヒーちゃん、お願いします!」
私はヒーちゃんへ合図を送ります。
「しょれではみなしゃん、てをあわしぇて!」
『いただきます!』
いつの間にか恒例となった食事前のご挨拶。
ヒーちゃんが主人公です!
「い、いただきます…」
ヒルダさん、なんかちっちゃくなってません?
「しゅぷーん!」
シャキーン!
出ました、ヒーちゃんのスプーンの舞!
「おかーしゃん、あーん!」
「あ、あーん…」
「おいちー?」
「ああ、美味しいよ。」
「えへへ、よかったねぇ。わたちも!ぱくっ。おいちー!」
そんな親子の食事風景を微笑ましく眺めながら朝食の時間は過ぎて行くのでした。
そして食後ー
「さあ、ヒーちゃん。今日は算数をやりますよ。」
「さんすー!けいさんできておかねもちウハウハ!」
…誰ですか?
ヒーちゃんに変なこと教えたの…
「さ、さあ!行きますよ、ヒーちゃん。」
「あい!」
犯人はソフィー姉さまですね?
後でしっかりお話ししないとですね。
お話しと言えば。
ダカン父さまとイメルダさんー
いえ。
マリア母さまとイメルダさんとの対話が始まります。
昨晩のうちに私はみなさんにこれからの事についてお話ししています。
イメルダさんを雇い、弟子とする事。
ダカン父さまは快諾してくれました。
でも。
いつもニコニコなマリア母さまは何か思うところがある様子。
お話しはマリア母さまがする運びとなりました。
母と母との対話が始まります。




