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はぐれエルフちゃんと剣姫さん~生活魔法も使いよう~  作者: トルク
五章 結成!カルナザルガード
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アウラ、開き直る

身体強化(絶)。


エリーにも内緒で編み出した技です。

と言ってもそんなに難しいものじゃありませんよ?


魔力と一緒に『気』を巡らせるだけです。


身体強化(改)との違いは光らない事。

見た目には普通の身体強化と変わらない事ですね。


それではイメルダさんにお話しを聞いて貰える様に頑張りましょう!

精霊さん、お願いしますね?


(心得たわ。)



「殺った!」

イメルダさんの斬撃が私の首を刎ねました。


残像ですけど。


「な、なんだと!?」

私は高速で回避すると元の位置に戻ります。

手応えこそ無いものの、視覚では私の首を刎ねたのに健在な私。

そりゃびっくりもしますよね。


「ではいきますよ?」

いつも通り震脚からの活歩。

イメルダさんの視線は未だ私がさっきまで居た場所を捉えています。


「フッ!」

イメルダさんの左股関節に外門頂肘を打ち込みます。


「ぐあ!」


恐らくですが股関節が粉砕骨折しましたね。

たっぷり気を乗せた肘打ちでしたから。


それでもイメルダさんは倒れませんでした。


「くっ‥‥何をした!」


「ただの肘打ちですよ。」


イメルダさんの顔色がみるみる悪くなっていきます。

大変な痛みでしょう。

汗も尋常じゃありません。


「辛そうですね。降参しますか?」

「笑止!」


イメルダさんはそれでも退いてくれません。

ここは意識を刈り取るしかありませんか。


「はぁー‥‥」

私は細く、長く息を吐きます。

私は構えを解き、歩く様な速度でイメルダさんに近づきます。


イメルダさんは双剣を構え、迎撃の態勢です。

予定通りー


「受けきって下さいね?」

そう告げると私は2本のナイフでイメルダさんの剣目掛けて攻撃を始めます。


一撃、二撃。

三撃、四撃‥‥

段々と速度を上げていきます。


「くっ!なんと!‥‥うぐっ!!」

今の速度は身体強化(改)くらいでしょうか。

さすがイメルダさん、よく受けています。


そろそろでしょうか。


段々とイメルダさんは私の攻撃について来れなくなってきました。


その時ー


一瞬の隙。

と言っても私が作った隙なのですけど。


「はあああ!!」


ゴスン-。


イメルダさんが作ってしまった一瞬の隙に私はイメルダさんの膝を駆け上がり、左肩に肘を叩き込みました。


八極拳、奥義『猛虎硬爬山』。


かの李書文が得意とした李家八極拳の奥義です。

連続攻撃により相手に攻撃をわざと受けさせ、出来た隙に最強の一撃を叩き込む。

うん。綺麗に入りましたね。


一点に集中した衝撃は点で作用します。

イメルダさんはその場でクルクルと回転すると


「‥‥こんな、チビすけに‥‥」

ドサリ。


意識を失った様です。


(む、無茶苦茶よ!治癒が間に合わない所よ!)

だから言ったじゃないですか!手加減できないって。


(むう。でも命に別状はないわ。後は‥‥)

はい。任せて下さい。


(愛し子を悲しませないで。)

もちろんです!


私は残心を解きエリーを呼びます。


「エリー、終わりました。イメルダさんをお願いできますか?」

あれ?エリーが放心状態です。


「エリー?」

「ハッ!あ、あまりにも凄すぎて何が何だか‥‥よ。」

ま、まあエリーにも見せてない技がてんこ盛りでしたからね。


「えっと。この騒動が収まったら教えてあげますから、ね?」

「はい!師匠!!」

久々の弟子モードのエリーです。


「とりあえずお城に戻りましょう。エリーはイメルダさんをお願いします。私はヒーちゃんを。」

「分かったわ。けどこの人、大丈夫なの?」


「一応念のため、縄をうちますか。」

「そうね。」


エリーは剣帯を解くと私のナイフで縦に裂き、紐にします。


「よっと。これでいいかな?」

「じゃ急ぎましょう。イメルダさんの治療もしなくては。」

「そうね。急ぎましょう。」


私とエリーは身体強化(改)を発動しカルナザルへ。


途中、騎士さんたちに出会い解決した旨伝えると歓声が上がったのは驚きました。

だって地響きみたいなんだもの。


キャロルさんのケガも気になりますしイメルダさんも相当なダメージのはず。

エリーには治癒魔法でもうひと頑張りしてもらわなくっちゃ。


私の背中には心地よい重み。

スヤスヤと眠るヒーちゃんの寝顔にニッコリ。


ヒーちゃんの、そしてイメルダさんの幸せのため。

ついでに私の幸せのため。


イメルダさんを説得‥‥出来るかなぁ。


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