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はぐれエルフちゃんと剣姫さん~生活魔法も使いよう~  作者: トルク
五章 結成!カルナザルガード
56/72

アウラ、葛藤する③

短いです。済みません。


次話ですが少しお時間をいただきまして更新日は5月21日 12時とします。


ヒーちゃんが攫われたですって?!

あり得ませんよ、だってキャロルさんも一緒に居るんですもの。

それに、それに‥‥


「アーちゃん、アーちゃん!」

エリー、大変です。

ソフィー姉さまが私にイジワル言うんですよ?

よりにもよってヒーちゃんが攫われるとか‥‥


「アーちゃん、しっかりしなさい!」

パン!

え‥‥痛い。

エリーに頬を張られました。


「まずは状況確認よ。姉上、キャロルさんは?」

「ヒーちゃんがお世話になっていた店主ね。その方なら命に別状はないわ。」

え‥‥キャロルさんが‥‥


「目撃者はいたのですか?」

「今のところは。けどお父さまが暗部を使って調べてくれているはずよ。」

キャロルさんが‥‥

許せない‥‥


「あ、アーちゃん?」

「姉上、アーちゃんは私にお任せ下さい。引き続き情報収集をお願いします。」

「わかったわ。」



「アーちゃん、大丈夫?」

「なんで?」

「え?」

「なんでエリーはそんなに冷静なんですか!ヒーちゃんが攫われたのですよ?キャロルさんが死ぬところだったのですよ?なのに、なのに!」


「いつでも冷静に。思考を止めない事。」


あ。


‥‥

‥‥‥‥


「落ち着いた?」

「はい‥‥」


そうでした。

私がエリーに常々言っていた事なのに。


「だけどどうすればいいのか分からないわ。姉上からの情報を待つのがベスト‥‥」

「いいえ。すぐに迎えに行きましょう。」


「でも何の手掛かりも無いのに?」

「聞けばいいのです。」

「聞く?誰に?」

「ヒーちゃんの契約精霊にです。」


そう。ヒーちゃんに始めて会った日。

ヒーちゃんの契約精霊の声が私には聞こえました。

だからきっと、私の声にも応えてくれるはず!

いつでも冷静に。思考を止めない事。

今は思いついた事、可能性のあることはどんどん試すべき状況です!


(精霊さん、精霊さん!お願い、応えて!!)

‥‥

ダメ、なの?


(どうしたの?愛し子のねぇね。)

やった!やりました!


(お願いです!ヒーちゃんの所に導いて下さい!)

(それは構わないけど‥‥何故?)

(だって!ヒーちゃんは攫われたのですよ?危険が危ないのですよ!)

(ふぅん。でも愛し子に危険な感じは無いみたいよ?今は眠っているし。)

危険がない?眠ってる?


きっとヒーちゃんがあまりに可愛いので攫ったのですね!

そして眠り薬で眠らせていると。


(お願いします。案内して下さい!)

(わかったわ。手を出して?)


私は言われるがまま右手を差し出します。

何も見えませんが何かに触れられたような‥‥


っ!

頭の中に突然景色が‥‥

ここは‥‥西の森!見覚えがあります!

どんどん景色は流れて‥‥池?湖?

とにかくそこにヒーちゃんが居るのですね?


(‥‥お願い。愛し子を悲しませないでね。)

(もちろんです!私がヒーちゃんを守ってみせます!)

(そう‥‥)


それっきり精霊さんの声は聞こえなくなりました。


「エリー!ヒーちゃんは西の森に居ます!」

「本当?」

「はい!精霊さんが力を貸してくれました!」

「なら早速迎えに行こう、アーちゃん!」

「はい!」


エリーは騎士さんのひとりに次第を伝え、この場を任せます。

騎士さんたちはこの状況をよく分かっていません。

でも流石です。

『マスター・アウラの妹君が拐かされた!我々も西の森へ向かうぞ!』

『馬の準備を!』

『我等は後詰めだ!マスター・アウラが先行する!我等は包囲網を形成、森の入り口からジワジワ詰めるぞ!』

『猫の子一匹通すなよ!』

『よし!支度が出来た者から向かえ!』

『おお!』


皆さん、ありがとう!

必ずヒーちゃんを取り戻してみせます!

そして、キャロルさんの仇をとっちゃいますよ!


身体強化(改)発動!!



「エリー、行きますよ!」

「ええ、アーちゃん!」


私とエリーは二筋の光となって西の森を目指すのでした。

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