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はぐれエルフちゃんと剣姫さん~生活魔法も使いよう~  作者: トルク
五章 結成!カルナザルガード
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アウラ、芋をふかす

「キャロルさーん!」

私たちは先ほど掘り起こしたお芋さんを鑑定してもらう為に『乙女の嗜』へ来ました。


「あら?アーちゃん。もうデザート出来たの?」

せっかちですねぇ。まだですよ。


「今戻ってきたばかりです。それよりも!」

私はバックからお芋さんを取り出します。


「これを鑑定して欲しいのです!」

ズイッとキャロルさんの目の前に差し出します。


「アーちゃん、これ何の根っこ?」

んー。やっぱり皆さん初見なのですね。

つまり鑑定結果がサツマイモなら本当に大発見です!


「私はお芋さんだと思っています。」

「これが?うーん、太い根っこにしか見えないけどねぇ。とりあえず見てみましょう。『アナライズ』!」


キャロルさんの鑑定が始まります。

わくわく。


「んー。名前は赤芋。食べられるわね。」

やった!やりました!!


「やったよ、ヒーちゃん!お手柄です!」

「わたち、えらい?」

「うん、えらいえらい。」

私はヒーちゃんの頭をいつもより多めに撫でました。


「ねえアーちゃん。これが本当に甘くてホクホクなの?」

「あまあまホクホク-!」

この2人はぶれません!


「間違いないでしょう。食べてみますか?」

「「たべるー!」」

息ピッタリです。またまたジェラシー。


「このまま食べるの?」

キャロルさんワイルド過ぎます。


「まさか。そうですね、キャロルさん台所をお借りしてもいいですか?」

「それは構わないけど‥‥」

それではオーソドックスにふかし芋を作りましょう。



~乙女の嗜 キャロルの台所~


‥‥私、人族の一般家庭の台所は始めてみますけど。

凄いです!

お城の厨房と同じくらいの調理器具があります!

でも‥‥こんなに調理器具がそろっているのに食べられる食材の調理方法が確立してないんですかね?

それはさておき!


さっそく調理に取りかかりましょう。


まずはお芋さんを水できれいに洗います。

使うのは2本でいいかな?


きれいに洗ったら一本を4等分に切ります。


ボウルに水を張り、お塩を少々。

切ったお芋さんの断面をぬめりが無くなるまで塩水で洗いましょう。


鍋に水を入れ、蒸し器を乗せます。

その上にお芋さんを並べていきます。


「キャロルさん、ふきんはありますか?」

「あるわよぉ!」

キャロルさんが取り出したのはピンクの花柄模様のふきんです。

乙女です。


お鍋の蓋をふきんで包み、お鍋に乗せます。


お城の厨房もそうですが一般家庭にも魔石コンロは普及しているみたいですね。


魔石コンロは魔道具で魔石を燃料に火を付けるものです。

魔石には打ち込まれた魔法を内包する魔力が切れるまで保持する特性があるのです。

使用を止める時や火力を調節したい時は適度に魔力を流してやれば無属性と認識して魔法の発動をコントロールできます。

便利ですね!


魔石は精霊魔法の触媒としても有用なのですがそれはまた今度お話ししましょう。


魔石コンロに火の生活魔法を打ち込みます。

火力は中火。


暫くするとシュンシュンと音がし始めます。

今度は弱火に。


後は待つのみ。


「ねぇね、できた?」

「もうちょっとかかります。ゆっくり、じっくりふかすと滑らかであまあまホクホクになるのです!」

「なめらかー!」


ヒーちゃんは本当にかわいいですねぇ。

待ちきれないのはわかりますけどもう少し待ってね。



‥‥そろそろかな?

お鍋の蓋をちょっとずらして鉄串を刺してみます。

スッ。

出来上がりです!


火を止め、お鍋の中のお芋さんをザルに上げます。

余熱で断面を乾かすのです。


ごきゅり。

誰ですか?あ、キャロルさんですね。


「アーちゃん、とっても良い匂いだけど‥‥それ、本当にさっきの根っこ?」

「キャロルさん、赤芋ですよ。荒熱が取れました。」


私はお皿にお芋さんを乗せていきます。


「完成です!シンプルですが美味しいはずです。どうぞ召し上がれ!」

「「「いただきます!」」」


3人はそれぞれにお芋さんを手に取ります。


「皮も食べられますが剥いたほうがいいかな。」

3人は頷くと皮を剥いて一口。


「あまーい!」

「ホクホクって言うよりねっとり滑らかね。」

ヒーちゃんとキャロルさんの感想です。


あれ?エリーのお口には合いませんでしたか?


「‥‥」

あ、違いますね。

一心不乱に食べてます。


それでは私もいただきましょう!


あむ!


‥‥おいちー!

知識だけはありますが実際に食すと感動もひとしおです!


「凄いわぁ。これ、素材の味なのよね?まるでお菓子みたいじゃない。」

「そうなのです。キャロルさん、このお芋さんはデザートにもなるしお料理にも使えます。さらにこれでお酒も作れるのですよ!」

「へぇ。万能の根っこなのね。」

だからお芋さんですってば。


「ねぇね、おいちーね。」

「はい、とっても。」

「‥‥」

エリー、それ何個目ですか?



あ、閃いた!


この赤芋をカルナザルで栽培しましょう。

私たちのような孤児たちにお仕事として栽培してもらえば自立の道も出来るはず。

ダカン父さまの力になれるかも!


サツマイモの植えつけは初夏らしいです。

乾燥させて暗所に保管すれば春まで持つみたい。

春先に苗を作って‥‥となると実行は来年ですね。


それまでに赤芋の利用方法を確立しておきましょう。

デザート、お料理、お酒など。


明日もう一度西の森へ行きましょう。

赤芋狩りです!


あ、騎士さんたちにお手伝いさせちゃお。


「エリー‥‥このお芋さんは食べ過ぎるとおならプープーになりますよ?」

「えっ!そうなの?食べ過ぎたかなぁ‥‥」


ぷう。


「‥‥」

「‥‥」

「あらヤダ、アーちゃんそう言う事は早く言ってよね。」


犯人はキャロルさんでした。

ヒーちゃんは大爆笑です。


キャロルさんのおならは見かけによらないキュートなおならでした。

乙女ですね。

よければ評価・ブクマお願いします。

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