合格者48名(+2名)、試練?に挑む
はあー。
疲れました!
面接ですがこの時点で2名ほど不合格としました。
残念ながらこの2名は近衛騎士さんです。
不合格の理由ですが‥‥かなりの人族至上主義者だったのです。
私の話しもいい加減に聞いてましたし答えもいい加減。
エリーがその場で叩き伏せて治療院送りとなりました。
チーン。
さて、それでは栄えある第一試験合格者さんたちにこれからのこと、つまり第二試験についてお話しすることにしましょう。
「みなさん、お疲れさまでした。それではこれからのことについてお話ししましょう。」
「質問、よろしいですか!」
ん?この人は殺気で気を失わなかった5人目の騎士さんですね。
「どうぞ。」
「ハウエル騎士団長から伺ったのですがギアスロールにサインが必要との事ですが事実でしょうか?」
「事実ですよ。しかしそれは第二試験に合格されてからで構いません。また、合格後にやっぱりサインは嫌だと思えば辞退を受け付けます。」
ざわざわー
ここでハウエルさんが一言挟みます。
「貴様ら!ギアスロールを使ってまで秘密にしたい武術だぞ?門外不出の秘術だぞ?‥‥燃えるだろうがあぁぁぁぁ!!」
『おおおおおおおお!!』
おかしいですよ?みなさんのテンションがアゲアゲです!
「おほん。マスター・アウラ殿。続きをどうぞ。」
「あ、はい。」
いけません、一瞬違う場所に意識が飛んでいたみたいです!
よし。気を取りなおして。
「これより皆さんには一ヶ月の間、街の奉仕活動と治安維持をお願いします。4人一組、計12組で活動して下さい。」
ざわざわー
ざわざわざわー
「あー。アウラ、計算が合わないぞ?」
「ダカン父さまとハウエルさんにはお仕事があるでしょう?」
あ!って顔のダカン父さまとハウエルさん。
困った大きな子供みたいです。
「その代わりおふたりには一月後の訓練のために各署の人員調整をお願いします。」
「うむ、心得た。(‥‥盲点だった!)」
「質問よろしいでしょうか!」
「はいどうぞ。」
「具体的に何をすれば良いのでしょうか。治安維持は警らの強化と思うのですが‥‥」
そうですよねー。でもこれも試験なのですよ。
「こちらからの指示は特にありません。どんな方法でも構いません。」
再びざわざわー
「でもひとつだけお願いがあります。もし、街で孤児をみかけたら優しくしてあげて下さい。あ、でも何かを施したりとかはナシです。」
「その、つまりどう言う事ですか?」
これが最後のヒント、まあ答えなんですけど。
「皆さんには一ヶ月の間にこの街の人気者、ヒーローになってもらいたいのですよ!」
(人気者?俺たちが?)
(ヒーローってなんだ?)
(英雄だろ?)
ざわざわー
ざわざわざわー
「おほん!つまりはこう言う事だろう。貴様らは街で人助けしながら犯罪者を検挙、防犯に努め孤児たちの面倒を見る、合ってますかな?アウラ殿。」
ニィっとちょっと悪い顔のハウエルさん。
うん、合ってます。
「それでは各班の編成はハウエルさんにお任せします。活動開始は翌日から。以上で私からのお話しは終わります。」
「きをーつけー!」
え?何ナニ?
「マスター・アウラ、エリザベートさまに!敬礼!!」
騎士さんたちが私とエリーに向かい、胸の前に拳を当てています。
これは騎士さんの敬礼で「あなたに私の心臓を捧げる」という意味らしいです。
「では、解散!」
騎士さんたちは駆け足で練兵場を出て行きました。
こういった訓練の練度は高そうです。
「何はともあれ一歩前進ですな、領主さま。」
「ああ、ハウエル。アウラの指示通り事を運んでくれ。」
「御意。」
ダカン父さまとハウエルさんはとても愉しそうにしています。
「ねぇアーちゃん、私たちはこの一ヶ月の間はどうするの?」
「別に?何も。普段通りでいいのではないですかね。」
「うーん。いいのかな?」
「いいのです。」
エリーは納得してないみたいですけど私たちも暇ではないでしょ?
ヒーちゃんのお勉強とか、ヒーちゃんと遊ぶとか、ヒーちゃんをキャロルさんのところへ連れて行くとか。
あれ?全部ヒーちゃん絡みですね。
まあいいじゃありませんか。
私たちらしくって。




