アウラ、お礼をする②
ちょっと短いです。
お城を出て徒歩でしばらく。
治療院に到着です。
「こんにちは、先生はいますか?」
「あ!姫さまにエルフさん。こんにちは。先生なら奥にいますよ。」
昨日、ヒルダちゃんの治療に付き添ってくれた白衣の女性が入り口でお掃除していました。
「あら、お嬢ちゃん。すっかり顔色も良くなって!」
「あい!おねーしゃん、たしゅけてくれてありあとーごじゃいました。」
ペコリ。
いいおじぎです。ハナマルをあげましょう。
白衣の女性に手を振って治療院の中に入ります。
「先生、こんにちは。」
「これは姫さま。それにお師匠さんも。そちらの子は‥‥うん、元気そうだ。」
それではヒルダちゃんの診察をしてもらいましょう。
「どれどれ、ふむ。腫れもなく傷が綺麗だ。これはお師匠さんの指示のおかげかな?」
「はい。それについては後ほど詳しく。」
「では先生、抜糸をお願いできますか?」
「もう抜糸を?早すぎる。傷口が開いてしまうぞ?」
「私が治癒魔法で塞いでいきます。ですからゆっくりとお願いします。」
「なんと!姫さまは治癒魔法使いでありましたか。心得ました。では施術いたしましょう。」
診察ベッドにヒルダちゃんを寝かせ施術が始まります。
「ねぇね‥‥」
「大丈夫、すぐ治っちゃうからね。」
「あい‥‥」
怖いのね。大丈夫、お姉ちゃんが傍にいるから。
「では、糸を切るよ。姫さま、よろしくお願いします。」
「はい。」
チョキチョキ‥‥
縫い目は2本。
切った糸を先生がピンセットでつまみ、ゆっくりと抜いていきます。
そしてそれを追従する様にエリーの治療魔法が癒していきます。
施術から僅か五分。
ヒルダちゃんの傷はすっかり消えてしまいました。
「綺麗に治ったね、アーちゃん!」
「はい!ありがとう、エリー!」
「エリーおねーしゃん、ありあとー!」
うん。めでたし、めでたし。
「うにゅ。ねぇね、ねむい‥‥」
「自己治癒力を高めたせいだね。しばらく眠るといい。お師匠さん、その間に‥‥」
「ありがとうございます、そうですね。ヒルダちゃん、少し休も?」
「あい‥‥」
スー、スーっと寝息が始まり、ヒルダちゃんは天使の寝顔でおやすみです。
「では先生、お話ししましょう。」
「よろしく頼む。」
私は細菌と白血球、感染症やその他の病気についてお話しします。
「そうするとその目に見えないほど小さな細菌が全ての元凶だと?」
「全て、ではありませんが殆どの場合そうですね。」
「ふむ。半信半疑ではあるが‥‥つじつまは合う。」
「人の体はこれらの細菌と戦う時にいろんな反応をします。例えば発熱。これは熱で菌を殺すため。ケガをすると化膿する場合がありますね?これは白血球が‥‥」
私と先生の問答は1時間くらい続きました。
ふと隣をみると、エリーもヒルダちゃんと一緒におねむでした。
「いや、大変有意義な時間だった。これから私の方でいろいろ研究してみよう。」
「はい、よろしくお願いします。ほら、エリー。起きて!」
「ほぇ?」
エリーさん、ヨダレ。
「はわわ。眠っちゃった!ゴメンね、アーちゃん。」
「大丈夫ですよ。さ、キャロルさんの所に行きましょう。ヒルダちゃんも起きて-。」
「うにゅ。‥‥ねぇね‥‥おあよ‥‥」
可愛い‥‥ギュッ。
「きゃあ。ねぇね、だいしゅきー!」
「私も大好きよー!」
思わずギュッしてしまいましたが長居してもご迷惑です。
先生と白衣の女性に挨拶をして治療院を出ましょう。
次はキャロルさんのお店『乙女の嗜み』へGoなのですよ!




