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アウラ、出会う

あれから5日経ちました。

森を抜けましたが今、私は呆然としています。


「みちがない。」


そう、道がないのです。

目の前には大きな滝。

遙か下方には川が流れています。

この川をたどれば人族の里にたどり着きそうなんですが。


「どうちまちょ?」

やはり川沿いを行くべきかなぁ。


滝の傍は凄い水しぶきで近寄れません。

風の精霊魔法なら空を飛べるんだけど、私は使えないから。

途方に暮れていると滝の斜面に結構しっかりした蔦の蔓を見つけました!

あの蔓があれば「ばんじーじゃんぷ」とやらで下に降りれそうです!

私の記憶にはある人族の成人の儀式に行うもののようですが私が成人するのはあと30年は先になります。

が、しかし!

私は自律するのです!

いわば成人と言えるのではないでしょうか!

とにかく蔓をなんとかしましょう。


私は尖った小石を集めます。

そして生活魔法の『クール』で辺りを冷やします。

ぶるっ。寒いです。


そして今度は『ヒート』。

私の頭上の空気を温めます。

するとちょっと強い風が巻き起こります。


私は小石を蔓に向かって投げると同時に生活魔法の『ウインド』を発動、すると小石は結構な勢いで蔓にぶつかって行きます。

そうです、『カマイタチ』です!


風の精霊魔法に『風の刃』がありますが原理は同じですよ。

結局は物理的作用なんです。


ともあれ蔓をゲットしました!

ありったけの蔓を固く結んで繋げて‥‥

崖っぷちに立っている木にくくり付けます。

反対側は私のお腹に巻き付けてしっかり結びました。

さあ、準備完了です!


が‥‥覚悟は完了してません!凄い怖いです!

ですが私は大人になるのです。

だから跳ぶのです!


すーっと深呼吸。


‥‥行きます!


「さん!にー!いち!ばんじぃぃぃぃぃぃー!!」


うおー!怖いいいいい!

なんとも言えない浮遊感!!

これがそうなのか!

記憶にある「ちんさむ」と言われる感覚!

目を閉じて跳んだ私は地面に向かって視線を合わせました。


はい?

誰かいますよ?

落下予測地点に。

誰?え?


オークさんと人族?

戦闘中ですか!


ああ!人族がオークさんにぶっ飛ばされました!

ダメです!オークさぁぁぁぁん!

そこは私の落下地点ですよ!

仕方ありません!

オークさんにはクッションになってもらいましょう。


『うおーたー!あんどくーる!』

私の足下にウォーターで水を出してクールで周りの熱を奪うと氷の円錐が出来ます。

そしてそのまま‥‥


「ゴフッ!」

オークさんの脳天に直撃しました!

みよんみよんみよん‥‥

蔓が絶妙の長さだったようです。

惰性で何度かオークさんの頭を氷が突き刺します。

嫌な感触でしたが衝撃は吸収してくれたようです。

やったね!


オークさんがバタリと倒れます。

宙ぶらりんの私。

「どうちまちょ」


「くっ。オークは!」

人族が起きあがります。

はわわ!

きれいなひと‥‥

銀色の鎧姿の人族のお姉さんです。

‥‥目が合いました。


「えっと‥‥これ、あなたが?」


「あい。おろちてくだちゃい。」


お姉さんは私を降ろしてくれました。


「私はエリザベート。騎士見習いだ。」

「わたちはあうら。えるふでしゅ。」


********


この出会いがアウラにとって一生の宝となることを今は誰も知らない。

白銀の女性騎士エリザベートとちびっ子エルフのアウラ。


この2人が紡ぐ冒険譚。


心弾む愉快な冒険譚が語られるのはそう遠くない未来。


アウラとエリザベートの運命の歯車が噛み合った瞬間であった。。




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