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はぐれエルフちゃんと剣姫さん~生活魔法も使いよう~  作者: トルク
四章 もう1人のはぐれエルフ
39/72

アウラ、お礼をする①

「皆さん、おはようございます!」

「アーちゃんおはよう!」

うん、今日もエリーは元気で可愛いです。


「おあよーごじゃいましゅ!」

「ヒルダちゃん、おはよう!」


ヒルダちゃんも元気です。

まだ栄養状態はよくありませんが昨夜はぐっすり眠れたみたい。

さっき思いっきり泣いたので少し体力を使ったかも?

でも朝ごはんをしっかり食べれば大丈夫ですよね。


「あれれ?ダカン父さまは?」

「お父さまは早朝に領内視察に向かわれたわ。」


ソフィー姉さまが気怠そうに教えてくれました。

ソフィー姉さまは朝に弱いのです。

アンニュイな姉さまもドキッとします!


「領内視察に?」

「マリア母さま、昨晩のお話しの件をさっそく?」

エリーと私はマリア母さまに尋ねます。


「あらあらまあまあ。どうなのかしらねぇ。さ、朝食をいただきましょう?アーちゃんたちも今日はいろいろと忙しいのでしょ?」

そうでした。

今日は治療院の先生にお話しをしてヒルダちゃんの傷を看てもらってからキャロルさんの所にお礼に行く予定です。


「はい!今日の私は多忙なのです!」

「ふふふ。アーちゃんは毎朝元気ね。私もあやかりたいわ‥‥」

「姉上、姉上もアウラ流活殺術を学びますか?」


エリー、ソフィー姉さまに荒事は‥‥

夜叉モードがありましたね。


「そうね、それもいいかも。」

「ソフィー姉さま、鞭術もいくつかありますよ?」

ピクッとソフィー姉さまが反応します。


「それは興味深いわぁ‥‥」

ソフィー姉さま、半分夜叉モード入ってますか?


「うう。おなかぺこぺこ‥‥」

いけません!ヒルダちゃん放置状態でした。


「あらあらまあまあ。さ。いただきましょう。」

「いただきます!」

「いたらきましゅ!」


今朝のメニューはサラダとトーストにオムレツとソーセージです。


「ヒルダちゃん、あーんする?」

ソフィー姉さまは昨日に続けてフォローしてくれます。


「んーん。じぶんでたべる。」

ヒルダちゃんやる気です。

は!いけません!!

おそらくですがこのままでは服が大変なことに‥‥


「じゃあこれをつけてね。」

「ん。」

ソフィー姉さまはヒルダちゃんの首元にナプキンをつけます。

ほっ。これで安心です。


「んしょ。‥‥できた!ねぇね、できたよ!」

「うん、よくできました。」

「えへへ。あむ。おいちー!」

ヒルダちゃんはフォークを使ってソーセージを突き刺し、見事に口に入れる事が出来ました。

この調子ならすぐに上手になるでしょう。


「アーちゃん、今ねぇねって‥‥」

「あ、はい。ヒルダちゃんは今朝、私の妹になりました。」

エリー、どうしたの?


「あらあらまあまあ。エリー、先を越されちゃったみたいね。」

「うう。その様です‥‥」


エリーは昨晩、マリア母さまにヒルダちゃんの事で相談をしてくれた様です。

そこでエリーは従者見習いとしてギュスターヴ家に迎え入れる算段をしていた様なのです。


「えっと、それで私の雇用条件でご相談が‥‥」

「あらあらまあまあ、ヒルダちゃんの生活費の事かしら?それなら心配いらないわ。アーちゃんのお給料で十分賄えるはずよ?」


あれ?私、3色おやつ付きが雇用条件だと思っていたのですが。


「それについてはあの人が戻ってからね?」

そうですね。家長であるダカン父さま不在の時に決めていい話ではありません。


「わかりました。」

ひとまず皆さんに報告はできたのでヨシとしましょう。


「いーな、アーちゃん。私も妹欲しかったのに‥‥」

おや?エリーが拗ねてます。

子供っぽいエリーも可愛いねぇ。


「あら?エリー、アーちゃんの妹って事は私たちの妹でもあるんじゃない?」

「そ、そうですよね!」

えっと。

ま、いっか。


「ぷぅ。ごちとーたまれした!」

おお、ヒルダちゃん完食ですね。

お口の周りは大惨事ですが。


「ほら、ヒルダちゃん。お口。」

「んう。」

首元のナプキンを抜いてヒルダちゃんのお口の周りをフキフキ。


「ねぇね、ありあとー!」


さて、私も食事を済ませてお出かけの支度をしましょうか。


「エリー、治療院でお願いがあるんだけど‥‥」

「ヒルダちゃんの傷のことね。」

「はい。今日、抜糸してもらいます。その時に治癒魔法をお願いしたいのです。」

「了解。縫い跡は残るから、その方がいいね。」


やっぱりエリーは聡いです。さすが私の相棒です!


「ねぇね、おでかけしゅるの?」

「うん。ヒルダちゃんも一緒だよ。」

「やったー!」


では今日も一日、元気に過ごしましょう。






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