ヒルダ、妹になる③
コメントありがとうございます!
トルクはシャイなので直接お返事ができません!
なのでこの場を借りてお礼申し上げます。
これからの進捗なのですが四章終了までは毎日更新で行きます。
後4、5話くらいで終了予定です。
五章からは1話の文字数を増やして隔日で投稿したいと思っています。
以上、これからもよろしくお願いします。
ブクマ、評価いただけるとトルクが喜びます!
お風呂できれいさっぱり。
3人ともホカホカです。
「おなかしゅいた-!」
「うん。すぐご飯だからね。」
「アーちゃん急ごう!」
私とエリーは両側からヒルダちゃんとそれぞれ手を繋いでいます。
「アウラおねーしゃん、エリーおねーしゃん。」
「「どうしたの?」」
「たのしーね!」
屈託のない笑顔に私のハートはずっきゅんなのです!
キャッキャと廊下を食堂へと進みます。
今晩のご飯は何だろな~。
ハインツさんのご飯は何でも美味しいから楽しみです!
「さあ、ヒルダちゃん。着きました、ご飯ですよ!」
「きゃー!ごはん!」
「ふふふ。ヒルダちゃん。ご飯は逃げないからね。」
皆さん待たせてしまいました。
私もお腹ペコペコです!
「お待たせしました。」
父さま、母さま、ソフィー姉さま。
皆さんちゃんと待っててくれました。
「あー。おほん!なんと言うか‥‥その‥‥」
ダカン父さま?
「あらあらまあまあ!」
マリア母さま?
「こ、これは!なんて奇跡なの!」
ソフィー姉さま?
「「「まるで本当に姉妹みたい!」」」
こてん。と首をかしげるヒルダちゃん。
でも私はとってもうれしいです!
「さあ、食事にしよう。」
「ほら、ヒルダちゃん。椅子に座って。」
「あ!ずるいよエリー!ここは姉特権で私の隣はアーちゃんとヒルダちゃんです!」
ソフィー姉さまの強権発動です!
「むう。今日だけですよ?」
あ!エリー私の真似っこ。
エリーと顔を見合わせてクスクス。
「あらあらまあまあ。せっかくハインツが丁度よいタイミングで用意してくれたのだから温かいうちにいただきましょう?」
「はい。」
「あい!」
それでは
『いただきます!』
今日のメニューはサラダにモロコシのスープ、焼きたてのフワフワパン。メインディッシュはお魚のバターソテー。
これまた私の大好物なのでした。
「‥‥ソフィーおねーしゃん‥‥」
「ん?どうしたの?」
ヒルダちゃん、食べないの?
「これ‥‥ちゅかいかた、しらないの。」
ヒルダちゃんはスプーンやフォークを指さします。
「そうねぇ。練習しないといけないわね。ヒルダちゃん、向かいのエリーを見て?」
「エリーおねーしゃん?」
「ほら。このスープはこれ。スプーンですくって飲むの。」
「しゅぷーん!」
ヒルダちゃんは果敢にもスープに挑戦する様です!
「でも今日は特別。ふーふー。はい、あーん。」
「あーん。んぐ?おいちー!」
「ウフフ。良かったわ。ほら、食べながらみんなの事を見て?お勉強よ。」
「あい!」
‥‥ソフィー姉さま、ダダ甘ですね。
仕方ありません。
この小さな天使を目前にしては女神さまでもダダ甘です!
きっと。
「はーい、次はおさかなさんよ。」
「おしゃかなしゃん、すきー。」
もきゅもきゅ。
よく噛んでね。
気がつけば何故か私の口がポカーンと開いていた様です。
「ウフフ。アーちゃんまで。甘えんぼさんね、あーん。」
「あーん。」
モグモグ。おいしー!
「ソフィー姉さま、あーん。」
「あら嬉しい!あーん。」
楽しいお食事です。
あらら?ヒルダちゃん?
「むにゅ‥‥」
「あらあらまあまあ。お腹いっぱいになって眠くなったのね。」
「うむ。今日は大変難儀だったと聞く。さもなかろう。」
そう言ってダカン父さまは席を立ち、ヒルダちゃんを抱きかかえます。
「アウラの部屋だな?」
「えっと、はい。」
ダカン父さまは食堂を出て行きます。
お食事の途中ですよ?
「あらあらまあまあ。あの人も思うところがあるみたいねぇ。」
「母上、思うところとは?」
「エリー、あの人はね。アーちゃんやヒルダちゃんの様な子供たちの為に何も出来ないと嘆いていたわ。」
「マリア母さま!そんな事は‥‥」
「いいえ、アーちゃん。アーちゃんもヒルダちゃんも運が良かっただけ。この領内にはきっとたくさんのはぐれた子供たちが居るはずなの。」
‥‥そう、ですね。
私はエリーと出会って皆さんと出会って。
今では家族と言えるほど親しくして貰っています。
「‥‥マリア母さま、私に出来る事はないのでしょうか?」
「母上!私も!!」
「あらあらまあまあ。でもこれは大人たちのお仕事よ。責任でもあるの。特にあの人にとってはね。」
2人でガッカリしていると
「お母さま、お手伝いはよろしいのでは?」
「そうねぇ。いいんじゃないかしら?」
ソフィー姉さま、ナイスです!
「では明日にでもダカン父さまにお話ししてみます!」
「そうね。でも今は食事をしましょう?」
「はい!」
私たちは食事を続け、それぞれ席を立ちます。
私はソフィー姉さまとマリア母さまにおやすみのキスをしてお部屋に急ぎました。
あ、エリーはマリア母さまと少しお話しがあるからってそのまま家族の間に向かいました。
そーっ。
そっとお部屋のドアを開けます。
自分のお部屋なのに変ですね。
でもヒルダちゃんを起こさない様にしなきゃ。
「すまない。私がもっとこの地を良く治めていれば‥‥」
ベッドに寝かせたヒルダちゃんの髪を撫でながらダカン父さまは呟きます。
「父さま‥‥」
「‥‥アウラか。ふ。このような幼子に苦痛を強いるこの地を疎むか?」
「まさか。ダカン父さまは良く治めていますよ?」
「だがな‥‥」
「父さま、私もお手伝いします。この地を、この国を良くして行きましょう。」
「ふふ。頼もしいな、アウラは。」
そう言ってグリグリと頭を撫でられます。
「もう遅い。私も休むとしよう。」
「はい、おやすみなさい。」
いつもはしないのですけど今日は特別。
ちゅ。
「あ、アウラ?」
「おやすみのキスです。」
「あ、ああ。おやすみ‥‥」
ダカン父さまの両目、フル開眼でした!
ダカン父さまはそっと部屋を出て行きます。
私も休みましょう。
ベッドにもぐり込むと
ギュッ。
ヒルダちゃんの抱きつき攻撃です。
「アウラおねーしゃん‥‥だいしゅき‥‥」
た、たまりません!
‥‥今晩、眠れるかしら?
ともあれ、
おやすみなさい。
********
翌朝ー
「んんー。朝ですね‥‥」
ちょっと寝不足かな?
私の隣ではヒルダちゃんがおねむ中です。
「むにゅぅ‥‥」
あ、起こしてしまいましたか?
「‥‥アウラおねーしゃん、おあよーごじゃいましゅ‥‥」
「はい、おはようございます。」
寝ぼけ眼のヒルダちゃんも可愛い!
「‥‥アウラおねーしゃん。」
「なあに?ヒルダちゃん。」
「いっぱい、いっぱいありあとーごじゃいまちた。」
「え?」
「わたち、げんきよ?だから‥‥へいき。」
「ヒルダちゃん?」
ベッドから降りたヒルダちゃんは私に向かってペコリとおじぎ。
「おしぇわになりまちた。」
「え?え?ヒルダちゃん、どっか行くの?」
「あい。でていきましゅ。」
大変です!ヒルダちゃんがどっか行っちゃう!
「ヒルダちゃん!ずっとここに居ていいんだよ?」
「え?‥‥だめ。めいわく‥‥かかる。」
こんなに小さいのに。
そっか。
今までもきっとこう言う事があったのね。
「あのね、ヒルダちゃん。」
「なあに?」
「私の妹にならない?」
「いもうと?」
「そう。そうすれば私とヒルダちゃんはずっと、ずーっと一緒に居られるの。」
「ずっと?いっしょ?」
「はい。私の妹になってくれる?」
「‥‥なる。わたち、おねーしゃんのいもうとになる!うわーん!!」
ヒルダちゃん号泣です!
けど今度の涙は大丈夫な涙です。
これからきっと毎日が幸せでいっぱいになるよ、ヒルダちゃん。
今日、私はお姉ちゃんになりました。




