ヒルダ、妹になる②
ご指摘ありがとうございます。
カルナザルの人口とダカンの年齢を修正いたしました。
プロットなど無く、漠然と書き始めたので。
これからもドシドシご指摘下さい。
よろしくお願いします。
トルク
「さあヒルダちゃん、脱ぎ脱ぎしようね!」
「や!」
ヒルダちゃんはお風呂が初めて。
怖いのかな?
「お風呂ってとっても気持ちいいの。それにね、ほら。」
私はヒルダちゃんをハグします。ムギュ。
「‥‥いいにおい。」
「ね?お風呂に入ると気持ちいいしいい匂いになるんだよ。」
「うん!アウラおねーしゃんといっしょがいい!」
なんと言う事でしょう。
今まで駄々っ子だったヒルダちゃん、見事な脱ぎっぷりです。
「やっぱり。アーちゃん、見て?」
すでにマッパなエリーが話し掛けます。ばいんばいんです!
「あ‥‥」
ヒルダちゃんの体中に無数の痣。
打撲による内出血です。
(エリー、身体を洗っている時にそれとなく治療できますか?)
(多分、いえ!やるわ!!)
こしょこしょ‥‥
ヒルダちゃんに聞こえない様に打ち合わせ。
「あう。おねーしゃん、さむい‥‥」
「あ!ごめんね。じゃ行こっか。」
「あい!エリーおねーしゃんも!」
「はい、行きましょう。」
3人で仲良くお風呂にGoです。
まずはかけ湯。
「ヒルダちゃん、お湯かけるよー。」
「ひぅ。」
やっぱり怖いのね。
こう言うことは体験しないと分からないもの。
私はおでこのケガを避ける様にヒルダちゃんの肩からお湯をかけます。
「どうかな?ヒルダちゃん。」
「えへ。きもちーです。あったかー。」
ほっ。大丈夫みたいですね。
「頭と顔ははまだ傷が新しいから後で拭き取りましょう。ではヒルダちゃん。」
「あい?」
「ゴシゴシしちゃうぞー?」
手ぬぐいに石鹸を泡立ててヒルダちゃんを洗っていきます。
「ふわふわ-。いいにおい。」
「あ!ヒルダちゃん食べちゃだめよ。」
エリー、ナイスフォローです。
「エリーおねーしゃん、おっぱいおっきいね。おかーしゃんみた‥‥い‥‥」
私たちはまだ、ヒルダちゃんの身の上を知りません。
確かにヒルダちゃんはあの時『しゅてられたのかと思って』と言いました。
‥‥私と違ってヒルダちゃんは家族に捨てられたのでしょう。
「おかーしゃん‥‥」
「ねえ、ヒルダちゃん。ヒルダちゃんのお母さんはどんな人なの?」
エリー!今は‥‥
「んとね、えっとね、おかーしゃんはとってもやさしくっていちゅもねるときはギュッてしてくれたのー。」
「そうなんだ。優しいお母さんなんだね。」
「あい!」
「じゃーヒルダちゃん、ギュッ!」
「キャハハハ!」
ふう。また泣いちゃうかとヒヤヒヤでしたね。
私は一心不乱にヒルダちゃんを洗っています。
かなりの数の痣です。
「はーい、ヒルダちゃんばんざーい。」
「ばんじゃーい!」
脇の下をゴシゴシ。
「キャハハ!おねーしゃんくしゅぐったいよぅ。」
「はい!綺麗になりました。今度は背中ね-。」
「あーい。」
エリーをチラ見すると時々回復魔法で痣を消してくれてます。
チラ見‥‥ばいんばいんです!
「はい、背中も綺麗になりました!じゃ次は‥‥」
ヒルダちゃんはピカピカに仕上がりました!
「よーし、お風呂に浸かるぞ-!」
「おー!」
よし、元気になりましたね。
「あ、アーちゃん。私が抱っこするね。」
「お願いします。」
「おねやいしましゅ!」
ヒルダちゃん、5歳にしては滑舌が以前の私並です。
おそらくですが私と似た環境だったのでしょう。
いえ。
違いますね。
私が5歳の時はまだ家族みんな、里のみんな優しかったもの。
「はあー、生き返るー」
「きもちーね、アウラおねーしゃん、エリーおねーしゃん!」
「ふふふ。そうねー。」
ピチョンー
「ひゃう?」
「あはは。湯気だねぇ。」
「ゆげ?」
「そ。ほらお湯の周りがモヤモヤしてるでしょ?それがお空に登って雲になるの。だけどお風呂には天井があるから‥‥」
「くもー!」
「‥‥アーちゃん、私知らなかったわ‥‥」
楽しい時間はあっという間です。
くるくる、きゅー‥‥
「あう。おなかしゅいた‥‥」
さあ、のぼせてもなんですしそろそろ出ますか。
ヒルダちゃんのお腹の虫さんも大騒ぎしてますしね。
「ふー、ぽかぽか-。」
「そうだねー、ぽかぽかだねー。」
ゴシゴシ。
エリーと一緒にヒルダちゃんを拭きあげます。
風邪でもひいたら大変です。
「はい、ヒルダちゃん。お顔見せてー」
「ん。」
ゴシゴシ、ゴシゴシ。
エリーがお湯を固く絞った手ぬぐいでヒルダちゃんのお顔を優しく拭きます。
「はい!完璧ですね。」
「かんぺきー」
「さあさ、パッと着替えましょ。湯冷めしちゃうわ。」
エリーはテキパキとヒルダちゃんを着替えさせます。
白いかぼちゃパンツと若草色のワンピースは私のです。
‥‥ピッタリですね。
「ぎゅー」
突然ヒルダちゃんに抱きつかれました。
「どうしたの?」
「えへへ。アウラおねーしゃんとおなじにおい。おなじふくー!」
にぱっと笑うヒルダちゃんに私とエリーはデレデレになるのでした。




