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はぐれエルフちゃんと剣姫さん~生活魔法も使いよう~  作者: トルク
四章 もう1人のはぐれエルフ
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アウラ、お姉ちゃんになる②

治療院に急ぎます。


エリーに抱っこされた子は


「いたいよぅ、いたい‥‥」

っ!

怒るよりもまずこの子の治療が最優先です!


「アーちゃん!飛ばすよ!」

「はい!」

エリーは優しく、しっかりと抱いて走ります。


この子がケガした場所から走りだして約3分。

お城の近くにある治療院に到着しました。


「先生!急患です、通して下さい!」

「姫さま?!どうされたのです?」

白衣の女性が取り合ってくれます。


「この子、頭をケガしたみたいなの!早く、早く!お願いします!!」

「わ、分かりました!こちらへどうぞ!」


女性は治療院の奥に先導してくれます。


「もうすぐだからね。すぐ良くなるからね。」

私はダークエルフの子に話し掛けます。


「おねーしゃん、いたいよぅ。たすけ‥‥て‥‥」

「っ!しっかりして!!」


気を失ったようです!


「先生!急患です!」

「よし!こちらのベッドへ寝かせたまえ!」


治療院の先生による治療が始まりました。


「ふむ。傷口が深いな。君、絹糸を!」

「はい!」

縫合するようですが‥‥

エリーの治癒魔法でも傷は癒やせたのですが治癒魔法とは自己再生能力を強制的に高める魔法です。

栄養状態が良くないこの子にはかなりの負担になります。

だから外科的な処置が出来る治療院に来たのです。


「先生!ダメです!針と糸は煮沸して下さい!」

「なんだね、君は!」

ダメなんです。絹糸は拒絶反応を起こさない糸ですけどきちんと傷口を消毒して、道具も殺菌しないと!


「とにかく!お願いします!私の言う事を聞いて下さい!」

「先生!私からもお願いします。」


「姫さま!じゃ、このエルフはまさか‥‥」

「私の師匠です!だから、お願いします!」


「‥‥分かりました。後で説明願えるかな?」

「はい!なんでも説明しますから!」


道具を煮沸して消毒します。

傷口を丁寧に洗い、蒸留酒で消毒します。


‥‥縫合が終わりました。

血も止まっています。

包帯を巻いて治療完了‥‥なのですが‥‥。


「ねぇ、聞こえる?私の声、聞こえる?」

私はこの子に話し掛けます。

手を握り、話し掛けます。


「君!今は安静に‥‥」

「ダメなのです!頭をぶつけたのです!ここで意識が戻らないと、ずっとこのままかもしれません!」

「なんだって!いや‥‥そう言う症例が確かに‥‥君!どうすればいいのかね?」

「手足をさすってあげて下さい!そして話し掛けて下さい!」

「分かった!君!目を開けなさい!」

「そうよ!もう大丈夫だから!もう誰もアナタを傷つけたりしないから!」

「お願い!‥‥目を‥‥覚まして!」


私とエリー、先生と女性の4人で必死に話し掛けます。


「うう‥‥お‥ねぇ‥しゃん‥‥」

「ああ!目が覚めたのです!」

よかったぁ。これで一安心です。


治療院に到着するまでに閲覧した『ライブラリー』から得た情報で、私は感染症と脳出血の危険性を危惧していました。

脳出血についてはまだ安心出来ませんが山は越えたようです。


「ねえ、私の名前はアウラよ。アナタのお名前は?」

「アウラおねーしゃん。わたちはヒルダでしゅ。5歳でしゅ‥‥」

「もう大丈夫だからね。安心していいのよ?」

「おねーしゃん‥‥は?」

「私はエリーよ、ヒルダちゃん。」

「エリーおねーしゃん。」

よし、会話も出来ますね。

暫くこのままお話しして様子をみましょう。

残念ながら今の私の力じゃ頭の中のケガは治せません‥‥

どうしたら‥‥せめて出血の有無が判れば‥‥

そうだ!『ギフト』なら!


「エリー!このあたりに鑑定のギフトを持ってる人はいませんか?」

「え?鑑定のギフト?たしかキャロルさんが持ってたと思うけど?」


キャロルさん!


「私、キャロルさんを呼んできます!エリー、先生!この子が眠らないように話し掛けて下さい!」

「いや、もう安静にさせてやったほうが‥‥」



「ダメです!もし頭の中で出血していた場合、その血が固まると血が巡らなくなってしまいます!そうしたら身体の半分が動かなくなったり喋れなくなったり‥‥」

「アーちゃん、落ち着いて!」

はあはあ。


「なるほど、分かった!君が戻ってくるまで私たちに任せてくれたまえ。」

「お願いします!」


ぎゅ。


「おねーしゃん‥‥」

ヒルダちゃんが手を握ってくれます。


「大丈夫!ヒルダちゃん、お姉ちゃんが絶対治してあげるからね!」

「うん‥‥」


「エリー、お願い!行ってきます!」

「アーちゃん、気をつけてね!」


私は治療院を出ると身体強化(改)を使い、全力で『乙女の嗜み』へ急ぐのでした。



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