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はぐれエルフちゃんと剣姫さん~生活魔法も使いよう~  作者: トルク
三章 ギュスターヴ家の人々
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アウラ、振り返る②

では続きです。


エリーのフルネームはエリザベート・フォン・ギュスターヴ。

ギュスターヴ家の次女です。

ダカン父さま譲りの金髪碧眼の綺麗可愛い女の子。

齢15。ぴちぴちです!

ソフィー姉さまには劣るものの、立派な胸部装甲をお持ちです。


エリーはこの街でずっと『残念騎士』と呼ばれていました。

志は高く、その思いも高潔でありながら力がない。

そんなエリーを武力で秀でた人たちは疎ましく思ったのでしょう。


でもエリーは諦めませんでした。

来る日も来る日も訓練に明け暮れ、強さを求めていたそうです。

剣はダカン父さまが直接指導したようで、後から聞いたのですが、


『エリザベートは筋は良かった。だが如何せん体力がなさ過ぎた。あの剣筋をそれなりの速さと力で振るえればと何度思った事か‥‥』


エリーは剣の才能に恵まれてはいたのですが体力が極端に低く、身体強化しても人並み程度だったのです。


あの日、大きな滝の近くで私はエリーと出会いました。

何故あんな所にエリーひとりで居たかと言うと、オークさんを退治する為だったそうです。

なんでも騎士さんのひとりに『オーク如きに後れを取るような奴は騎士にはいない』などと言われ、感情的になって飛び出して行ったみたい。


従者も連れずにモンスターの居る森に向かった事をダカン父さまが知った時はそりゃもう大騒ぎだったそうです。

失言をした騎士さんは盛大に漏らして気を失ったそう。


なんでか知りませんがエリーの悪口言う人たちってそんなに強くないんですよね。

私なりの解釈ですけど諦めないエリーが眩しかったのではないでしょうか。

諦めてしまった自分を慰めるために‥‥


ダカン父さまのお話しにもありましたがエリーの才能は素晴らしかったです。

ほんの少し、身体強化のアドバイスをしただけで体力の無さを補って余りある結果を生み出しました。


それからエリーが私を誘ってくれた訳です。


エリーは私の最初のお友達です。

エリーは私の最初の相棒です。

エリーは私の最初の弟子です。

エリーはもう『残念騎士』じゃありません。

エリーは剣姫さんになったのです。



エリー、大好き!

これからもずっと一緒にいようね。

たくさん、楽しいことしようね。


ずっと、ずーっと。


でもそれは叶わないことを私は知っています。

人族の寿命は私たちエルフよりとても短いのです。


だから限りある時間を、エリーの人生を私は寄り添って行こうと心に決めています。


素敵な家族とともに。






あ、忘れてました。

素敵じゃない家族がいました!


ギュスターヴ家には嫡男がいます。

今は王都で学問を修めているそうですが。

ソフィー姉さまの弟、エリーの兄さまにあたります。


どうやらエリーを『残念騎士』にしたのはコイツみたいなのです!

私から見ればカイル・フォン・ギュスターヴと言う人物こそ『残念騎士』なんですけどね。

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