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アウラ、トロけるぅ

これで二章はおしまいです。


たくさんの方々に読んで頂きありがとうございます!



まだまだ続きますのでこれからもよろしくお願いします

(≧∇≦)b

明けて翌日。

空は快晴!


絶好の武競大会日和です。


が。



「エリザベート、アウラ。すまん!」


「謝らないで下さい、父上。」

「そうですよ。目的は果たせましたから。」

「「ねー!」」


エリーと私は向かい合って手を取りダカン父さまに話しかけます。


「ダカン父さま、今回はエリーの汚名返上が目的だったのです。だからもういいのです!」


そりゃ優勝の方が印象も強いから狙って行こうとは思ってましたがグエンさんを一撃で倒した初戦と本戦出場決定戦が皆さんに強烈な印象を残したので目的達成なのです!


「そうか。そうか‥‥」

そう言ってダカン父さまは私とエリーの頭を撫でてくれます。

優しい表情で。



結果から言うと武競大会は中止になりました。

マイグラトリー・ショコラ狩りが大漁だった為、街中が武競大会どころじゃなくなったのが実状です。


今回の飛来で狩られた数なんと9万匹。

狩り尽くすといなくなっちゃうから半分くらいは逃がしてあげたみたい。

王都に献上する分をさっ引いてもかなりの量がダカン父さまの所に集まっています。

売ればウハウハ!大金持ちです!!


でもダカン父さまは


「こんな幸運は我らが独占するべきではない。市井へ安く卸し、領の内外へ多く広めよ。」


男前です!大好きです!


さてさて。


このマイグラトリー・ショコラですがやはりモンスターということで全てが食べられる訳ではない様です。


と言っても小さな丸い石、『魔石』だけ。

この魔石はモンスターなら必ず体内に持っています。


モンスターと動物さんの違いは魔石の有る無しで決まるみたいです。


さて調理方法ですが、下拵えはマイグラトリー・ショコラを湯煎してドロドロに溶かし、濾し器を通して魔石を取り除きます。


後はいろんな型に流して自然に固まるのを待ち、型から抜いた物が『ショコラ』になるのです。

簡単ですね!


昨晩のうちにお城のコックさんが調理をしていてくれたみたいで今、私の目の前には茶色いお菓子が大量にお皿に盛られています!


「アーちゃん、これがショコラよ。美味しそうでしょ?」

「はい!とっても甘い匂いがするのです!」

ごくり。


「はい。アーちゃん、あーん。」

「あーん‥‥」

もぐもぐ‥‥

ふあ!

なんて事でしょう。


甘くて、良い香りでお口の中で溶けてしまいました!

うーん、トロけちゃう!


「おいちぃ!」

噛みましたが気にしない!


「あー!エリーずるい!アーちゃん私からも、あーん。」

今度はソフィー姉さまからです。


「あーん。」

もぐもぐ‥‥カリッ!

「むぐ?」


「うふふ。こちらのショコラには木の実が入っているのよ。」


こちらも大変美味です!

とろける口溶けの中に違う食感がぜつみょーです!!


「アーちゃん。」

ソフィー姉さまがあーんして待ってますね。

それでは僭越ながら。


「ソフィー姉さま、あーん。」

「あーん。うふふ、とっても美味しいわ!」

恒例のハグ&頬ずりですね。


「いいなぁ。姉上‥‥」

むむ?エリーが拗ねてます。

可愛いです!


「エリーも、あーん。」

「アーちゃん!あーん!」

まるで親鳥にエサを貰う小鳥さんみたい。

ちょー可愛いです!!


「あらあらまあまあ。いくら美味しくてもあまり食べ過ぎちゃダメよ?」

「はーい。」


マリア母さま、その開けたお口は?ダカン父さまも。

仕方ありません。

あーんしてあげましょう。



私はとても美味しいショコラをとても素敵な家族と一緒に食べられてとっても、とーっても幸せな気持ちになりました。



********


カルナザルの街中ー

とある民家。



「おかあさん、美味しいね!」

「ええ、とっても。ほらほら、お口の周りが汚れてるわよ。」

「うみゅう。」



そして酒場でも。



「おらぁ甘いもんはそんなに食わねぇがこりゃ蒸留酒にゃピッタリだな!」

「ああ。甘ったるいとバカにできねぇよ。」


「これもアレか?姫さまが急に変わった事に関係してるとか?」

「まさか。しかし姫さま、強かったな。」


「ああ、能ある鷹はなんとやらって奴だったのかもな。」


「誰だよ、残念騎士とか言い出したのは。」


「それとな、姫さまにくっついてたちっこいのいたろ?」


「ああいたな。はぐれエルフだってか?」


「まあ噂だがな、なんかとんでもねぇ魔法でマイグラトリー・ショコラを一網打尽にしたらしいぜ?」


「なんだ、はぐれじゃないのか?」


「でだ、そいつの名前がな。」

「ふむふむ。」

「アウラって言うらしい。」


「アウラって‥‥姫さまが名乗った流派‥‥」

『アウラ流活殺術!』


「え!じゃあのちっこいのが姫さまの師匠って事かよ。」

「うわ。俺あいつにはぐれとか言っちゃったよ。」

「あ、お前死んだな。」



「まあ、あれだ。とりあえず姫さまとカルナザルに‥‥」


『乾杯!!』



甘い香りで満たされたカルナザルの街。


街のいたる所で笑い声が聞こえる、そんな穏やかな日々が暫く続いた。





カルナザルの街をとても仲むつまじくうろつくアウラとエリー。


それをみつけると街の人々は親しみを込めて口々にこう呼ぶ。



はぐれエルフちゃんと剣姫さんー



ふたりの冒険はこれから始まる。









かも知れない。





前回記載したように次章開始は4月4日、12時の予定です。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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