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アウラ、準備する

翌朝。

昨夜の出来事ですが明け方に見張りの兵士さんの交代時間に発覚しました。


髪の毛チリチリになった3人の兵士さんは事の顛末を話そうとしなかったそうですが騎士さんに尋問されて白状したそうです。


そりゃそうですよね。


見張りが髪の毛チリチリでのびてたら侵入者にやられたって誰でも思いますもん。

はい、内部の犯行でした。


朝食の後、この件についてみんなとお話ししました。


ダカン父さまは不問にすると言ってましたがソフィー姉さまはお冠です。

そりゃもうぷりぷりと。


「エリーが残念騎士だったのは事実ですからまぁ置いといて。アーちゃんに危害を加えようなんて言語道断よ!アーちゃん怖かったでしょ?お漏らししちゃったくらいなんだから。」

はう!

ソフィー姉さま、それはナイショにしといてください!

怖くて漏らしたんじゃないもん。


「姉上‥‥」

あ、エリーが泣きそうです。

ここは相棒の出番ですね!


「えりー、わたちはだいじょーぶでしゅよ。それよりえりーにおはなしがありましゅ。」

「‥‥クスン。お話し?」

「あい。えりーがちゅよくなるのにひちゅようなのれしゅ!」


「ふむ、アウラ殿。私も同席よろしいかな?」

ダカン父さまのが興味津々です。


「いいれしゅよ。でもちゅまんないかもしれましぇんよ?」

「なに、構わんよ。アウラ殿の手腕を拝見したいだけだ。」

そう言ってダカン父さまは私の頭をナデナデします。


「アーちゃん、必要な物はある?」

ソフィー姉さまも参加されるみたいですね。


「あい。ではかみとぺんをおねがいしましゅ。」

「分かったわ。すぐ用意させるわね。」

ソフィー姉さまはメイドさんに指示します。

しばらくしてメイドさんが紙の束とペンを持ってきてくれました。


「ありあとーごじゃいましゅ!」

メイドさんにぺこりとおじぎ付きでお礼。

とっても素敵な笑顔でどういたしまして、と返されました。


さて、始めましょうか。


「ではえりー。しちゅもんをはじめましゅ。」

「はい、師匠!」

し、師匠?‥‥話しが進まないので流しましょう。


「はちるのはとくいでしゅか?どのくらいながくはちれましゅか?」

「得意じゃないし、長くは走れません!」

おお。潔い。


「けんのしぇんしぇーはだれでしゅか?」

「父上です!」


「たいじゅちゅはちゅかえましゅか?」

「そこそこです!」

カキカキ‥‥


「せいかちゅまほーはちゅかえましゅか?」

「はい!」

などなどいろんな質問をしていきます。

‥‥なるほど。残念です。

非常に残念です!


「えりー。みなしゃん。わたちはしばらくおへやにこもりましゅ。」

「アーちゃん、どうして?私を鍛えてくれないの?」

エリーが再び泣きそうです。

大丈夫ですよ。

安心してください。見捨てませんよ。


「えりーきょうかけいかくをねりましゅ!ひちゅようなことはしゅべてそろいまちた。」

不安そうなエリーも可愛いねぇ。


「えりー。いっちょにちゅよくなろ?えりーはね、おひめしゃまらけどきししゃんなの。だからえりーはひめきし、ううん、けんきになるのれしゅ!」

「私が‥‥剣姫に?」

おお。エリーの瞳がキラキラです。

ダカン父さまは静かに私たちを見守っています。

ソフィー姉さまとマリア母さまはもう興味を無くしてお茶してますが。


「あ、アーちゃん。石鹸のこともよろしくねぇ。」

あ、忘れてました。

とりあえず今はエリー強化計画を練るのが最優先です。


石鹸つくりに関しては材料のオイルと硬い木の灰、好きな香水を用意するようにお願いして私は自分の部屋に戻るのでした。

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