アウラ、ちょっと怒る
コメントありがとうございます。
ご指摘感謝です。
アウラのセリフをひらがなにしたのは言葉がつたないのをより表現したかったからです。
アウラの成長と共に読みやすくなると思いますので今しばらくお付き合いください。
それから私はエリーとエリーの家族みなさんと夕食をいただきました。
エリーのお父上ダカンさんはカルナザルを含む辺境の領主さまで辺境伯だそうです。
エリーはお姫さまだったのです!
でも騎士さんの格好だったけど‥‥
あ、姉上さまの名前はソフィーリアさんでした。
『私の事はソフィー姉さまと呼んでね♪』
ですって。
そして食後にいろいろお話しをしました。
母上さまとソフィー姉さまの号泣&猛烈ハグで体力を奪われた私はその晩、泥のように眠りました。
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はう。おトイレに行きたいのですが迷ってしまいました。
エリーにちゃんと聞いとけばよかったなぁ。
あ。夜警の兵士さんがいます!
おトイレの場所を聞きましょう。
でも‥‥ちょっと恐そうな人たちです。
「なあ、聞いたか?」
「ああ、残念騎士が帰ってきたってな。」
「しかし眉唾ものだよな、あの残念騎士がオークを2匹も仕留めたなんてよ。」
「俺らとの訓練でも数合でへばってたお嬢さんだぜ?」
「ついでにはぐれエルフを拾ってきたらしいな。」
「残念騎士とはぐれエルフか!お似合いじゃねぇか!」
「なんでも鋼断の剣閃を領主さまの前で披露したらしいが。」
「は。んなもん、あの残念騎士に出来るわきゃねぇだろ?」
「だな。ご家族と近衛騎士しかその場に居なかったんだ。八百長だよ、やおちょー。」
「そんでもってその技をはぐれエルフが伝授したとか。ありえねー」
『わははは。』
‥‥
私は無意識に物陰に隠れました。
3人の兵士さんが誰の事を嘲っているのか、私には分かりました。
はぐれエルフは私、残念騎士とはエリーの事でしょう。
私のことは何を言っても構いません。
ですがエリーをバカにされるのはとても嫌です。
私、ちょっと怒ってます。
「領主さまもあれだな、やはり親バカだったって事よ。」
「バカ!滅多な事は口にするな。」
「だな。誰かの耳にでも入ったら‥‥」
兵士さんの一人と目が合います。
あれ?気付かれてしまいました!
なんでだろ?
チョロチョロチョロチョロ‥‥
水音?あたたかい‥‥
ああ!私とした事が!!
あまりの怒りに私の膀胱が決壊したようです!
そう!お漏らしです!!
「お、おい。コイツひょっとして‥‥」
「はぐれエルフか?」
「なに!今のはなしを聞かれたか!」
ひぇ!
兵士さんが私を掴まえようと近づいてきます!
嫌です!私は絶賛お漏らし中なのです!
乙女の矜持に関わります!
なので。
踵を返し走ります!
あの森を駆け抜けた脚力を見よ。わははは!
‥‥追いつかれそうです。
ならば!
「すたん!」
電撃が地を走り兵士さんたちに襲いかかります。
『あばばばばばばばばば!!!!』
風と水の生活魔法の融合、『スタン』で痺れてもらいましょう。
短時間でのイオン?操作がポイントです。
そして私のオシッコがいい感じで導体になってくれましたね。
兵士さんたちはほんのり煙を立ち上らせてぐったりしてます。
私のじゃないオシッコらしき水たまりも出来てますね。
ざまあです!
しかし。
エリーは私と同じように蔑まれていたのですね。
いいでしょう!
このお城の兵士さんたちに思い知らせてやりましょう。
エリーが残念騎士ではない事を。
私がただのはぐれエルフではない事を。
ふふっ。目にもの見せてくれるわぁ!
えっと‥‥
私のお部屋、どこかな?
濡れた寝間着が気持ちわるいです‥‥




