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読まれる日常と、読む非日常。  作者: 金木犀
参:暑さを感じさせるのは、何かを想う気持ちでもあるのかも知れない。
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――自己紹介。個性的、なんで(前)

二十五話目(前編)を更新しました!!


いつも読んでくださっている方、ありがとうございます


それではお楽しみください!

第三処罰委員会会議室にて。

俺を含め八人の生徒が四角く並べられた机に着いた。

知り合いは東雲と城島、二神先輩と、それに何故か、中学三年生の三縁ちゃんも居る。顔見知りは、いろいろと有名な風紀委員長の春夏冬先輩。そして初見なのが、黒髪で凛とした顔立ちの処罰委員長に、何を考えているか分からない活気を感じない目付きの総括委員長の男子先輩の二人だった。

なぜ、夏休みの真っ最中にこのような会議室に集められたのか、その理由は理解していた。


「それでは、皆集まった所で、本題に入る」

長机に一人、座っている総括委員長が口を開いた。

空調の効いているこの会議室は、外の暑さと違って寒いぐらいで。

「今回、俺を含め計八人に集まってもらった訳については、すでにお前たちも知っていると思うが、 今年から実施するようにと、上の方から指導が入った『第三処罰委員会取締向上合宿』についての事前打ち合わせに今日は参加してもらった。 まあ、外の暑さは感じないように空調は入れているから、文句は受け付けない。――正直、俺だってめんどくさい。 だから、言った通り文句は基本受け付けないが、それでも言いたいことがある奴は、俺じゃなくて、指導部の先生に言え。――文句のある奴はいるか? ……いないんだな? なら、よし」

総括委員長の権威というものだろうか、場は静まっていて、例え文句があろうと手を挙げる者がいたのなら、その場で打ち首にされそうな具合の空気だった。

この部屋がとても寒いのは、空調のせいだけでは無く、総括委員長のオーラも含まれているのかも知れない。

「ねえ、キラリク。 そんな冷たくしなくてさぁ、もっと楽しい感じにしようぜ? せっかくの夏休みなんだし、な?」

「おい、京弥。 俺の名前をあだ名みたいに呼ぶなと何回言ったら分かるんだ? お前の脳の容量は金魚以下か? ――『吉良 陸』だ。 ちゃんと、苗と名で区切れ。 それにな、楽しい感じにって、なんだ。 夏のお楽しみお泊り会じゃないんだぞ。 くっそ、だるい『第三処罰委員会取締向上合宿』つう、漢字しか並ばない合宿なんだよ。 理解したか?」

「――はいはい、キラリク。 今日はいつもに増して機嫌が悪いんだなぁ――あ、つうか、それなら、改名すればいいんじゃないのか? ――うーん、そうだな……こうもみんな集まったんだから、仲良くなれるように『仲良くしよう会』とか?」

「――京弥、お前は、ほんとアホだな」

「なんでだよ!」

総括委員長は、ため息をついて京弥と呼ばれる処罰委員長から視線をみんなに向けた。

「まあ、アホは無視するとして――まずは自己紹介からだ。 合宿とあるもの、いやでも、このメンツで二泊三日を過ごさないといけない。 初顔合わせと言う奴らも多いだろう。これから迎える二泊三日をスムーズに過ごすには、それでも知り合いになっておかないといけない。その手始めに、自己紹介とする。――それじゃあ、まずは俺から。 どこかのアホのせいで、変なイントネーションを覚えたかもしれないが、俺は『吉良 陸』だ。 総括委員長をやらせてもらっている。そうだな、後は……ああ、俺には幻影がいない。 そもそも、召喚すら拒んできた。まあ、その為か総括委員長に推薦されたという事もあるのだが、俺は、人間と幻影の間に生まれる情なんてものは信じていないし、信用もしていない。幻影のいない俺にとっては都市伝説のようなものだ。したがって、それなりに校則違反者、違法者などは平等に裁いてきたと思っている。――これから二泊三日同じ屋根の部屋で過ごす仲間たちだ、仲良くしてくれ」

「……キラリク、仲良くするつもりないでしょ、その自己紹介……」

「……はい、次。そこの風紀委員長」

「いや、完璧無視⁉」

吉良先輩の目すら合わせない完璧な無視を極められ、処罰委員長はしょぼんと肩を落とし、仕方なく風紀委員長へ視線をやる。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


評価・ブクマの登録の程もよろしくお願いします!


次話は八月十九日に更新予定ですのでそちらの方もよろしくお願いします!

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